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五人の陰陽師(仮)  作者: アッキ@瓶の蓋。


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5/10

火成蒼炎は土野家にお見舞いに行く(1)

 木の名門である木祓呂(きしろ)家に生まれながらも、火の性質を持って産まれてきた俺、火成蒼炎(ひなりそうえん)は、17歳になっていた。彼はすくすくと……背はまぁ、そんなには成長はしなかったんだけれども、火の陰陽師としてはきちんと成長していた。


「ここが鹿路の家か……」


 と、そんな俺は赤い薔薇の花束を持って、幼馴染の土野鹿路が居る土野家へとやって来ていた。


 俺には、幼稚園時代からの知り合いの陰陽師が2人居る。まぁ、幼馴染と言う奴だ。どっちも男だがな。その1人が今、見舞いに来ている土野鹿路である。彼とは同じ陰陽師を師としていた仲であり、お互いに怪我をしたら見舞いをしたり、何か良い事があったら祝賀会みたいな小規模な褒め合いをするくらい、親しい仲である。まぁ、もう1人の方は、鹿路と違っていけ好かないと言うか、気に入らない奴なのだが。

 とは言っても、流石の俺でも家まで見舞いに来るのは初めての事だった。いつもは土野家に見舞い品を渡すくらいである。今回、俺がわざわざ土野家に自ら向かったかと言うと、それは俺にとって、ちょっと興味深い事が土野鹿路にあったからである。


「鹿路は水鬼(すいき)退治に行っていたはずだよな。けれども、いつの間にかその水鬼が金鬼(ごんき)になっていたのは少し興味があるな」


 普通、鬼は気が変わったりはしない。水鬼はずっと水鬼であるし、火鬼はずっと火鬼であるはずだ。けれども、今回鹿路が怪我をしながら倒した相手は水鬼だったはずなのに、金鬼になっていたと言う。これは非常に気になる。

 それは作り話では無いらしく、情報が回って来た時に鬼専門の監察官が判断した時は確かに水鬼だったらしい。けれども、鹿路が足をひきずりながら持ち帰った蜘蛛の脚は金鬼の物だった。


「気になるな……。まぁ、鹿路の見舞いついでに聞いてやろう」


 そうやって土野家の人に、鹿路の見舞いに来たと言って鹿路の部屋の場所を聞く。案内するとは言われたのだが、それは断った。皆が皆、俺の事を見て、


 「ボクちゃん、1人で大丈夫」とか。

 「迷子にならないでね。ここ、広いから」とか。

 「トイレは突き当りを曲がって左でちゅよ~」とか。


「俺の事を子ども扱いしやがって!」


 最後の奴には赤ちゃん言葉で挨拶された。全く持って腹立たしい。


 俺の身長は確かに17歳にしては低い。前測った時は確か146か7くらいだった。けれども俺は子ども扱いを受ける事が大嫌いだった。俺は子供じゃないからだ。まぁ、鹿路とその嫌味な陰陽師と一緒に歩いていても、同年代に見られない事もまた子ども扱いが嫌な理由の1つかもしれないが。


「えっと、確かこの先を……」


「右だよ、そうちゃん」


「そうそう、右だったな……って、おい! 俺をそうちゃんと呼ぶな! 綱紀(こうき)!」


 と、俺はイラつきながら俺の背後に居るそいつ、金剛院綱紀(こんごういんこうき)に話を振る。こいつが先程話していた、幼馴染のいけ好かない方の奴である。

 金色の髪を肩まで伸ばしており、顔もまた整っていて眼鏡とあわせてクールなインテリ風イケメンと言う印象が強いが、こいつ、金剛院綱紀と言う人間の本質は"変態"だ。

 陰陽師の陰と陽を象徴する陰陽太極図(いんようたいきょくず)をあろう事か、着ている白のジャージの表と裏、つまり腹と背の部分に書いているのもそうだが、両手でピコピコとリモコンか何かを操作しながら、背中から出した金色のマシンアームを出している事も気に喰わない。

 こいつは変態であり、俺とは違う人種だと俺は常々思っている。


 こいつに関しては、色々と気に喰わない事が多いのだ。こっちが嫌がっているのにいつまでもそうちゃんと言う子供の時の呼び方もいつまでも使って来る事も、嫌っている要因の1つなのだが……。


「まぁ、そうちゃんからしたら身長が負けている事に関しても、わたくしの事が嫌いな理由の1つなんだろうけどね」


「分かっているならそれを言うな、綱紀! 後、そうちゃんって呼ぶな!」


 身長がこんな変態陰陽師に負けている事もまた嫌な理由の1つではある。こいつ、170代後半くらいあるって言ってたし、本当にムカつく。


 兎にも角にも、俺はこいつが嫌いなのである。出来れば会いたくないし、早く死んで欲しいと思っているくらい嫌いな奴である。

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