忘却の彼方の人物
『ま……か…。』
誰?一体私を呼んでいるのは誰?
『麻理華……。』
早く、早くいかなくちゃ。
私は誰の元へ向かっているの?
「起きたかい?」
微かに残る眠気の中。
まだ重い瞼を開ける。
「……カイ?」
目の前にはカイがいた。
そういえばこの家に来た辺りから記憶がない。
なぜカイがここにいるのだろう。
「麻理華。ここは僕たちの家だよ。」
カイは私を起こしながら優しく微笑む。
………思い出した。
確か、私は婚約者であるカイの家に住むことになったのだったと思う。
「ここは……。寝室?」
「そうだよ、麻理華。この家は広いからあとでまた案内するよ。」
「……わかった。」
それだけ言うとカイは用事があるのか部屋から出ていってしまった。
部屋には私が寝ていた一人で寝るには十分な大きさのベットと質素な机と椅子だけしか見当たらない。
ふと、頭を何かが過ぎった。
『…ま………り……か』
途切れ途切れの誰かが呼ぶ声。
次第に声ははっきりとしてくる。
『…ま…り…か』
カイではない。けれど懐かしい優しそうな声。
『…麻理華』
頭を更に過ぎる誰かの微笑み。
懐かしい。けれども思い出せない。
一体この声は……
私を呼んでいる………
貴方は誰なのかしら?
目眩とともに激しい頭痛がしたかと思うと私はまたいつの間にか眠ってしまった。
私を呼ぶ忘却の彼方の貴方はどなた?
どうも、ラッキーラインです。
ここで改めて。
十日最新は無理です。←ォィ
なので最低でも一ヶ月以内で最新できればと思います。
(リアルが忙しすぎて書く余裕がねぇぇぇぇ!)
というわけでまた次回お会いしましょう!