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時を切り裂く悪魔
「……ここか。」
城を出て2時間。
やっとこの…………
あいつの砦にたどり着いた。
「…………。」
柵に囲まれた重々しい空気に包まれた古そうな洋館。
麻理華はこんな所に閉じ込められているのだろうか。
「……待ってろよ、麻理華。」
お姫様は−−−
城の最上階って所かな?
「ふはははは、あは、はははははっ!!」
部屋にこだまする、笑い声。
正気のものとは思えない………いや、彼は実際に狂っている。
「僕に、この僕に勝とうだなんてとんだ馬鹿だなぁ。精々苦しむがいいさ。………僕は誰にも邪魔されない。」
彼の顔に浮かぶ気味の悪い笑みはもう彼の浮かべる笑みではない。
愛情を求めたあげく
神にさからい
時をこえ
姿を現した
禁断の悪魔
それを封印できるのは
少年と少女の
澄んだ魂
さあ、クライマックスは
再びふりだしに
問題は…………………
最上階に眠る姫の記憶