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短編

氷晶

作者: 半々月光

人の温度は、街の温度に溶けていく。


誰もが見て見ぬふりをする場所で、何が起きているのか。


寒さが深まる夜、断片だけが残る。


ここは汚れた街。


人々は命を浪費するように過ごしている。


父親は息子を罵り、恋人たちは街頭の大きな映画看板を見上げながら抱き合い泣いていた。


天色は次第に暗くなる。


小さな妹と同じくらいの年の弟が、道端で球状の玩具を転がして遊んでいる。



「おい! なんで頭も顔も隠してるんだ! ……ひっく……ひっく……」


一人の中年男が、歩道橋の端に立つ女に向かって酔った声で怒鳴っていた。



「……」


女は黙って立ち尽くす。


「しゃべれよ! ……ひっく……」


立っているのも難しい男は、足取りもおぼつかなく女の方へ倒れ込んでいく。


その通路には人々が行き交っていた。時折視線を向ける者もいたが、すぐに逸らす。誰もがこうした光景に慣れてしまっているようだった。


やがて空から氷晶が舞い落ち、通行人たちは足を速めて歩道橋を渡る。


氷晶は次第に強さを増し、人々は室内へと逃げ込んだ。


十分ほど経つと、氷晶は徐々に温度を失っていった。


歩道橋の脇の地面には、氷晶に覆われた隆起が見える。


中年男は顔を地面に向け、四肢を硬直させて倒れていた。


先ほど灰色の僧衣を纏っていた女の姿は、もうどこにもなかった。



最近は寒さが身に染みます。街の冷たさと人々の無関心を思いながら書きました。


あなたはこれを、冬の日の黄昏、白昼、夜?それとも深夜の情景として想像しましたか?


読んでくださって、ありがとうございました。


この短篇は、あなたにどんな感覚を残しましたか。是非教えてくださいね!


(*´ω`*)

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