とある宇宙の自分語り
ここはとある無次元世界。純粋なエネルギーのみが存在する次元のない世界。時間の概念はないのだがある日この世界のある一点が無次元から3次元に相転移した。この世界では時間がないのでその特異点は最初から3次元だったことにされた。特異点は3次元的性質を得たことで自分の相転移を理解したが周りにそれはなかったことにされていたことに失望した。
とはいえなってしまったものはしょうがない。どうやら3次元特異点は空間概念のない状況では困ったことになるらしく、つまり相転移だろうがなんだろうが持ってるエネルギー総量そのままで空間はいらないと開き直れる状況ではなさそうなのです。3次元化したエネルギーは物質化する気満々でプレッシャーが半端ない。これは住まいを用意しないととんでもないことになる気がする。。。ともかく無次元世界でスペースを得ることはできない、そもそも空間概念さえ怪しいんですよね。ここでは。。。
うんうん唸りながらふと足元を見ると、なんということでしょう、なんか真っ黒な空間が広がっています。今まで気づきませんでした。改めて見渡すと自分が存在している真っ白な無次元世界のお隣はものすごい空き地だったんです。後で知ったんですけど空き地ではなく反世界というやっぱり無次元のエネルギー世界だったんですけど、ちょっと触れたら対消滅っていうんですか?なんか盛大にピカって光ってごっそりエネルギー持ってかれて代わりに専用スペースが確保できた感じです。バーンときてびっくりしました。ビッグバンですね。これで物質化したエネルギーの住居問題は解決したのです。
ちょっと余裕が出てきたので白黒の無次元世界のツナギメを観察してみるとなんかオセロのコマみたいにピッタリくっついてます。対消滅が仕事してる様子はありません。全く無関心を装っていて互いに存在を無視してるみたいです。3次元になっちゃった自分がちょと触っただけで鬼の首取ったように吹っ飛んだくせに。。。どうやら無次元の無は無関心の無でもあるようです。つまり次元が無いから時間も存在しないし互いに反応しないようなのです。そもそもお互いいない事になってるみたいで対消滅しようがない感じです。
ところで調子に乗って語ってる自分ですが、一体何なんでしょうか?ええわかってますよ。出来立ての3次元系宇宙ですよね。できたてほやほやです。でもね、確か昨日まで高校生だったんですよね。帰宅途中にトラックに跳ねられましたが。アレですよ、異世界転生ってやつです。今流行ってますよ。知りませんか?でもね、宇宙ですよ。もっというと無次元世界の特異点ですよ。ホント責任者出てこい!
ふう、まあなってしまったものはしょうがありません。ここは前向きになりましょう。考えてもみてください。滅多に出来ない体験です。その辺の転生とは訳が違います。宇宙、そう宇宙ですよ!チートなんてものが鼻で笑えるくらいとんでも無いです。もう声もありません。まだ声は出せませんが。。。
とはいえ不思議なことがあります。自分どうやって考えてるんですかね?確か知性の実装には(実装とかなんかかっこいい、中2ですかね)知性アルゴリズム乗っけるためのアーキテクチャーとかが必要だって聞いたことがあります。今の所この宇宙にはアーキテクチャのアの字もありません。不思議です。。。不思議の一言で話を丸投げにしたいところですが腐っても宇宙、一応仮説はあります。それは次元の獲得で生えてきた時間という概念ですね。そう、時間です。便利ですよね、時間。。。。つまり未来が生まれました。今はなくても将来的にアーキテクチャが作れるんです。きっと。この思い込みが大切です。いずれ実装されるならもう実装されたのも同じこと!この自分という意識はきっとそこで稼働している。そうに違いない!信じることが力になるのです。 ふう。。。
さてここで悲しいお知らせです。いきなりで申し訳ありません。実はこの物語は生まれた瞬間に終わっているのです。始まりと終わりが同じところにあるのです。もちろん3次元宇宙たる自分自身は1000億年ほどの時間を経験してるんですが、宇宙自体は膨張の果てに拡張速度が光速を超越してしまい次元特性を維持することができなくなりました。結果次元が消失して無次元エネルギーに還元しちゃったんです。出戻りです。側から見ると出オチですかね。。。元々無次元世界の特異点として生まれた3次元宇宙ですが結局元の無次元に戻っちゃいました。そして無かった事にされてしまったのです。
おしまい




