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case5:佐藤隆(日常①)

気をつけて帰るんだぞ。


俺は、教え子の中学生達をそうやって送り出す。


先生さようならー。

早く彼女作れよー。

また明日ねー。


フレンドリーというべきか、最近の若い子は距離感がすごい。


俺が学生の時なんて、先生と生徒の差は凄まじいものだった。


それが、今やこれだもんな。


俺は少し肩を落として、自分のデスクに戻った。


そう俺の名は佐藤隆。

歳は29歳。

今年で5年目の数学教師だ。

現在、働き盛りの30手前。

今日も元気に中学生と体当たりワークだ。


さてと、仕事しますか。

俺はそういうと今日行った小テストの採点を始めた。


あぁー、こいつは相変わらずケアレスミスが多いな。

おっ、こいつ点数上がってるじゃん。


そんな事を考えながら、クラス30人分の採点を終えた。


はぁー。終わった。


俺は背伸びをして時計を見た。

もう時計の針は既に18時を回っていた。


今日は疲れがひどいな。

そう思うと俺はデスクを立ち帰宅の準備を始める。


そんな時


ガラガラガラ


職員室の扉がある音がした。


佐藤先生少しいいですか?


俺しかいない職員室に彼女の声が響き渡る。


おぉ、北原か。

どうした。


俺は北原を手招いて俺のデスク近くまで来させた。


この子は


北原綾香


俺が担任するクラス生徒の1人だ。


メガネをかけていて引っ込み事案。

確か、図書委員をしていて、成績は優秀。

俺の立場からすると手のかからないとてもいい生徒だ。


こんな時間にどうした。


俺は北原にそう尋ねる。


北原は少し話しにくいのか、モゴモゴしていた。


うーん。

ここでは話ずらいのか。

なら、場所を変えるか。

ちょっと待ってろ。

今帰る準備するから、車で家まで送ってやるよ。

その中でなら誰にも聞かれないし、話しやすいだろ。


そういうと彼女は少し照れた表情をして、小さく頷いた。


俺はそういうと帰る支度をして、そうそうに職員室を出た。


北原、俺の車はわかるか?

あれだったら、車の前まで先に行けるか。


俺は北原にそう伝えると、北原は失礼しました。と言って職員室を出ていった。


さてと、今日は俺が最後のはずだから、戸締りをして、その後用務員さんに伝えっと。


独り言でそう呟くと俺はぱっぱと作業を済ませて、駐車場へ向かった。


お待たせ。


そう北原に話しかけると北原は嬉しそうな顔をしてこっちによってきた。


よし、じゃあ行くか。


そういうと車に乗り込みエンジンをかける。


ブルルルん


俺は学校を出た。


で、北原、どうした。

何かあったのか。


運転して早々に北原にそう尋ねる。


北原はまた少し俯いて話し辛そうにしている。


うーん。

まぁ、無理にとはいないが、家までだとすぐ着いちゃうから、あれだったら少しドライブでもするか。


そう北原に伝えると、彼女は嬉しそうな表情をしてはい。と頷いた。


ドライブ時間は30分ぐらいかな。

特にその間も北原が口を開くことはなく、そのまま家の前で彼女を下ろした。


まぁ、話せるようになったら話してくれればいいから、あまり溜め込むなよ。


そう北原にさは伝えると彼女はありがとうございました。と言って頭を下げた。


じゃ、また明日学校で。


そう北原に行って俺は車を走らせた。


なんか悩んでるんなら力になってやらないとな。


俺は北原が降りた車の中で1人でつぶやいた。


まぁ、後は彼女からだもんな。


ぽりぽりと頭をかいて、俺は帰路に着くのであった。

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