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case1:男子学生(出会い)

はは。

おいやめろよ。

待てよ。

昨日のあれみた?

イケメンだよねー。


何がない朝の一コマ。

世間でいう学生の投稿時間の一コマだ。


ほら、あれだよ。


黒猫がぼそっと呟く。

半信半疑ながらも言われたからには行かないと仕方ない。


こんにちわ。

貴方、死想がでてるわよ。

気をつけなさい。


私はその大勢の中にいる1人にそう耳打ちした。


おい。

なにしてるんだよ。

いくぞー。

悪い悪い。耳元で変な声が聞こえて。

えっ?オカルト?今の時代寒いって。

ははっ。


その男の子は力ない笑顔を浮かべてその集団に戻っていった。


ねぇ。本当にあの子なの?


私は黒猫に向けて問いかける。


そうだよ。

山方慎吾

17歳

差し当たって普通の男子学生。

だからこそ物足りなさがあるのかな。

みてればわかると思うよ。


黒猫はそう言って眠たげな表情を浮かべて大きなあくびを一つした。


そう。

なら、信じるわ。


私も張り合う理由がないので話をそれでやめた。


本当に人間というのは本当に退屈な生き物だ。

ただ生きるためだけに生活をし、死んでいく。

そしてその限られた中で幸せを見つけて歓びを分かち合う。

1人でできることも限られている。

何が楽しんだろ?

常々私はそう思っていた。

だってそうでしょう。

限られた選択で非力な力しかない。何が楽しんだろうか。と・・・


まぁ、そういう私も人間の事を言えたものでもないんだけどね。

私はそんな人間先行き調整官だ。


輪廻転生


そんな言葉を聞いたことはある?

泣くなまた数だけ貴方が宿る。

だからこの世界の生命の数は変わらない。


一昔前までそうだった。

ただ、現代においてそのバランスは崩れた。

私はよくわからないけど、昔、医療の発達で助からない命が救われるようになったこと。

現代社会の構造で苦しむ人が増え、人生半ばで身を投げ出す人が増えたこと。

この2点2点によってそのバランスが崩れて時には転生待ち。時には転生不足。などがうまれているみたいだ。

そんなバランスを元に戻すのが、私たち調整官の役目だ。

死に急ぐものにはストップをかけ、助からない命は魂の説得を行う。

それが私達のお仕事。


神様?

うーん。

見習い?

私達の上に、死神様と生神様がいるから、その見習い?

この調整官の期間を経て適正の方向に行く。

そんな感じかな?


みんなはそれを目標に頑張ってはあるけど、そもそもが私は全く興味がない。

死神様だろうが生神様だろうが。

私には全くもって興味がない。


そんな私と人間と同じなのかもしれない。

なにもしているの?

何をしたいの?


今日もそんな感情とともに対象者を観察している。

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