兵庫県知事選挙に関して既存メディアに思う事〜ネットメディアの危険性を添えて
個人の意見です。
兵庫県知事を告発した職員が亡くなったと報道された際、これは荒れるな、と当然思った。
知事が認めるならそれでいいが、認めない場合、どうしても有利なのは「死者の言葉」である。
人間というのは不思議なもので、「死をもってした告発は間違いないものだ」と思い込んでしまう。
しかし、よく考えてみると、そもそも自死をする精神状態の人間が公正な摘発を行うことは実はとても難しい。
本人に嘘をついていたつもりが全く無くても、思い込みや怨み、場合によっては最後っ屁のでっち上げということも十分に有り得る。
(念の為書き添えるが、私は件の局長が虚偽告発をしたという事を主張したいわけではない。
一般的な「自死者の言葉」に対する認識である。)
予想通り、メディアはこぞってこの問題を取り上げた。
かなりセンセーショナルな話題なので、それ自体は当然と言えよう。
しかし、所謂既存メディアがダラダラと食いついたのは、「パワハラ・おねだり」についてであった。
パワハラについてはアンケート結果であり、例えば音声だとか映像だとか(「このハゲーーー!」みたいな)はなかったようなので、
おねだりについての報道が多かったように思える。
私はテレビを見ないので、情報は専らYahooニュースの記事なのだが、
「この問題について、◯◯の番組でタレントの△△さんがこんなコメントをした」というような記事に随分辟易した。
カニだの服だの毎日毎日…。
また、芸人やスポーツ選手に対する性加害疑惑も多く報じられていたが、そっちに関しては「事実はまだ分からない」と申し添えるのに、こっちの件に関しては人格否定紛いのはしゃいだ報道してるなぁ、と呆れてもいた。
おそらくは「おねだり」等の話題は視聴者が食いついてくると認識してたのであろうと思われる。
その感覚は古いと言わざるを得ない。
結果、世間は「なんか下らない話になってないか?」と疑問に思ったのだろう。
そこにネットメディアでの陰謀論の登場である。
「悪い奴らの既得権益」、「局長のPCデータ内容の隠匿」等、ネットユーザーの大好きな話題だ。
既存メディアへの不信感から、「大手メディアも共犯で知事を貶めようとしている」という話に信憑性が出てしまったのである。
出直し選挙が0打ち当確し、多くのテレビ関係者は言い訳のように「公職選挙法により、平等性を保ったために、ネット情報に負けた」ようなことをコメントしていた。
さらに、高齢女性が「TVは本当の事を言わない。ネットの方が真実を言っている」とインタビューに答える姿も映した。
この映像をTVで流した事を英断とする意見もあるが、私からすると真逆である。
この高齢女性の言い分は、大変失礼だがネットにかぶれたての人間の言葉そのものだ。
要するにTVは、「こんな馬鹿なこと言ってる奴らが居るから…」と思わせたくて流した映像だと推察する。
SNSで情報を集める社会になった事は確かだが、それのみを100%盲信して投票先を決めている人間は多くないだろう。
あの高齢女性の言葉を聞いて、「俺にもあんな頃があったな…」と枕に顔埋めてジタバタと悶えた人も多いはずである。
長くなったが、既存メディアは、この問題が報じられはじめた最初のとき、もっと地道な、芯を食った堅実な報道をすべきであった。
おねだりに下品にはしゃいだ事が、今回の選挙における既存メディアの敗北の原因であると私は考える。
最後に。
YouTube等で情報を集める事は悪いことではないが、1次ソースの確認は必須である。
印象操作もガセネタも、放送法の縛りがあるTVよりやりやすいのがネット情報である。
今回の選挙では、今までTVを盲信してきた人達が、YouTubeを盲信した結果なのかもしれない。
それの契機となった、下品ではしゃいだ報道をTVは反省してほしい。
けして公職選挙法や平等性への配慮を言い訳にしてるしないでもらいたいものである。
ご静聴ありがとうございました。