サプライズバースデーケーキ
前のエピソードで触れましたが、ホールケーキを続けて食べる機会があったと書きました。
その理由は、単純に結婚記念日が2月の半、私の誕生日は3月の頭、と間隔が短いからなんです。
ですので私にとって、ケーキを短いスパンで食べるイベントは、実は毎年のことだったりするのですが、今年の誕生日も、これまた印象に残る出来事だったので、こうして綴ってみることにしました。
結婚記念日は私がケーキを用意する側でしたが、私の誕生日はカミさんがケーキを用意する側です。
とは言っても、いい年齢になってくると、自分の誕生日のことなどどうでもよくなって、本当に無頓着になるものです。人によるとは思いますが。
3月は年度末ということもあって、自動車屋の1年の中でも、最も忙くなる繁忙期なので尚更です。
ですので、自分の誕生日を忘れていることも屡々です。
では、どういう時に誕生日を思い出すのか?
私の場合は、誰かに言われた時か、仕事が終わって帰宅した時です。
今年は後者でしたね。
話は戻りますが、私が結婚記念日にケーキを購入して、特に隠すつもりがないのに対して、カミさんは相手にケーキがあることがバレていようが、サプライズである体に拘ります。
でもそれが逆効果といいますか、その日私が帰宅すると、すぐにカミさんに言われた言葉がこれです。
「おい! 冷蔵庫開けたら殺すぞ」
もうこの瞬間に、記憶喪失だった物語の登場人物が記憶を取り戻すがごとく、私は事情を察してしまいましたね(笑)
そして私は小さい男なので、あたかも誕生日を覚えていた体で返します。
「別にケーキがあることは分かってるんだからいいじゃん。頼まれていた麺汁と味噌を買ってきたから、冷蔵庫に入れたいんですけど?」
「うるせー! とにかく冷蔵庫開けたら離婚だからな!!」
“え? そんなことで離婚するの?”と、長女が苦笑します。
……ああ、パパもそう思うよ。
なんで冷蔵庫を開けただけで、殺されたり離婚しなくてはならないのか?
本当に離婚するのか、冷蔵庫を開けて試してやろうかしら?
――などと益体のないことを考えながら、私は予想します。
どうせケーキにしょうもないことが書いてあるんだろうと……。
なんせ一昨年のケーキがこれで、
↓↓↓
いつかの夕飯がこれですからね。
↓↓↓
エロイーズだの、ち○こだのと、どうせ卑猥なことが書いてあるに違いありません。
……まあ、いいですよ。それでカミさんが満足するなら付き合ってあげますよ。
――入浴と夕飯が済み、ケーキを食べる時間と相成りました。
因みにその日の夕飯は、セルフ手巻き寿司という中々に豪華なものでした。
自分で食べる量を調節できるので、食後のデザートを前提とした、中々に考えられたメニューだと思います。
今年のケーキはどんな文字が書いてあるのかと、ある意味ワクワクしながら私はカミさんがケーキを運んでくるのを待っていました。
……ですがなんと! 出てきたものが想像と違いすぎて、度肝を抜かれてしまったのですよ。
まさかのキャラクターケーキ!
『六花の勇者』のフレミーじゃないですか!!
知らない方は、ネットで検索していただければすぐに出てきますが、一目で分かるクオリティ!
思い返してみれば、数日前に長女に好きなアニメキャラクターを訊かれたのは、探りだったようです。
好きなキャラは色々いるのですが、その時直近で見ていた再放送の『六花の勇者』。
サブヒロインだと思っていた、フレミーが正ヒロインだと確定するときのデレシーンの破壊力がやばすぎて、思わずフレミーと答えてしまったんですね。
『ブルーロック』の馬狼(強面のゴリゴリマッチョマン)と答えなくて良かった……(笑)。
……それにしても、“アニメの美少女キャラでブヒブヒ言ってんじゃねーぞ?”とか言って、いつも娘達と3人で、寄ってたかって私を弄ってくるカミさんが、まさかキャラケーキを作ってくれるとは驚きでした。
これは確かに、離婚がどうかはさておき、冷蔵庫を開けられたくない気持ちが分かりますよ。素直に嬉しかったです。
……カミさん、失礼な予想をしてごめんね? てへ♡
ところで、自分の誕生日にホールケーキを食べる醍醐味って何だと思います?
個人的には、自分以外の家族の分を切り分けた後、残った塊を、直接豪快に好きなだけ食べることができる爽快さです。
勿論この日もそうしたのですが、このケーキ、チョコ菓子やチューブチョコでめたくそにデコレーションしてあって、めちゃくちゃに重いんです。
調子に乗って、店売りのケーキ感覚で食べていたら、気付いた時には胸焼けしていました。
翌日、胃もたれで食事が喉を通りませんでした……(笑)。