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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第5章 第2部 トッペンテット監獄鉱山編
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第87話 G と 橙の悪魔。

(オレンジ)の悪魔が出たぞぉ!」



 それは鉱山での作業中、唐突に聞こえたのです。


 それと同時に作業中の全員が器具などを投げ捨てたりし

 そのまま鉄格子まで詰め掛けていた。



「おい、開けろ!開けてくれ!」


「駄目だ!それは出来ない!!

 死ぬ訳じゃないんだから我慢しろ!!!」



 鉄格子の内と外での激しい言い争い。

 それも犯罪奴隷と兵士の言い争い、ではなく

 中は犯罪奴隷と兵士が、外は兵士がという妙な状況。


 つまり外の兵士達は

 中に兵士がいるのに開けない、ともなれば

 まぁ犯罪奴隷が詰めかけているからなのか。


 それともオレンジの悪魔、とやらが理由なのか。

 どちらにせよ、それを確かめてみないとと思い

 皆が逃げ出した場所を見てみると

 確かにオレンジ色をした何かが居る……。


「出た、なんてレベルじゃなく

 超一杯居るんだけど……。」


  『ビューグルと呼ばれるモグラのような

   二足歩行をする哺乳類生物で

   橙色の毛色と金色の鼻をしている種族です。』


「……………種族?

 オークビッツ族みたいな?」


  『はい、人語を解し利発的な種族です。

   まぁ、少々問題点はありますが……。

   彼らの手に持っているものをよく見て下さい。』


「………ラッパ?それに木琴?鉄琴?

 何かピットぽいのまであるけど……。」


  『ラッパではなく、あれが単構造金管楽器のビューグルです。

   はい、彼らは楽器の演奏と穴を掘るのが大好きなのです。

   先頭がドラムメジャー役を担い、指揮杖を使って穴を掘り

   そこに続く管楽器や打楽器、視覚効果セクションが

   足で後ろに掘った土などを

   後ろに送りながら前進し続けるのです。』


「………何か説明が色々とおかしくない?

 なんで指揮杖で穴を掘るのさ……。

 ドラムメジャーってマーチングバンドの指揮者だよね?

 それに恐れられる理由も良く解らないんだけど……。」


  『彼らは演奏をする際、踊りながら演奏をします。

   そしてその足のステップで土等を後ろに送るのです。』


「……………手でやった方が早くない?」


  『時はジャンプし、時には華麗なステップを披露しつつも

   周囲に土等を後ろに送っているとは思えない様な

   エンターテインメントを提供するのです。

   そこに妥協しないのが彼らビューグル族です。』


「うん、妥協して演奏するのか穴掘るのか1つにしろって感じだね。

 それで怖がられる理由は?」


  『そもそも穴を掘りながら踊っている時点で察せませんか?

   坑道等が崩れるからに決まっているでは無いですか。』


 ああ、そういう……。


  『あと演奏が坑道等に反響して崩れたりします。

   それ故に「(オレンジ)」と言う愛称がついているのです。』


「それ蔑称(べっしょう)って言うんじゃ……。」


  『最も有名で得意とする曲は「〇ン〇ン(SING)〇ン〇ン(SING)〇ン〇ン(SING)と音を立てスイングする」です。

   但し楽器の演奏がジ〇イアンレベルであまりに酷い為に

   鼻の色から「ダメ金」とも呼ばれています。』


「ルビだけ合ってて翻訳が間違ってない!?

 名曲があっという間に下世話なタイトルにしか聞こえなくなってるんだけど!

 ダメ金ってそういう意味じゃ無いよね!?」


  『その次に得意な曲が「精力的(Fireball)」らしいです。』


「だからルビは良いけど翻訳が合ってない!

 今すぐ京都〇高校と作曲したルイ・プ〇マと

 カバーしたベニー・グ〇ドマンに謝罪した上でマイアミ行って

 まだまだお元気なピ〇トブルに直接謝罪してこい!!」


  『まぁそれはさておき、どうしますかね?』


「置かないでとりあえず謝罪しときな?

 私、『京都〇高校吹奏楽部』好きなんだから。

 DVDとかブルーレイとか何回再生して観返した事か。

 でもそこまで迷惑な連中なら追い返せばいいじゃない?」


  『そもそも皆逃げた理由は坑道が崩れるからより

   音が酷過ぎて気絶するからです。』


「楽器版ジ〇イアン……。」


  『マスターは健康持ちの上、ゴリラアーマーがありますから

   多少、不快感を感じるでしょうが気絶は無いかと。』


「ほぅ、でもこいつら(ビューグル族)の開けた穴から

 逃げられそうな気もするよね。

 誰も逃げ出さないのはそれが原因?」


  『この穴からは逃げられません。

   結局掘った土を最後尾がそのまま後ろに送るだけです。

   つまりパレードの最後尾から先の土などは

   どこにも排出されないので、結果行き止まりなのです。』


「まぁ崩落する危険性もあるだろうし

 そうなるか……。」


  『当然、鉱山を掘る側としても穴を開けて進んだ上

   そこが非常に緩い場所となる事で

   他の場所に崩落を引き起こしたり、空洞の原因となったりと

   迷惑極まりない故に怖がられているのです。』


「で、どうすればいいのかな?

 邪魔なんでお帰り願うとか?」


  『1つだけ簡単な方法があります。』


「ほう、その簡単な方法とは?」


  『彼らの気が済むまで演奏を聞いてあげる事です。

   ちなみに平均3日3晩、長ければ7日7晩演奏し続けます。

   その間、彼らは一切飲食をしないで演奏し続ける為

   勝手に脱水症状を引き起こして、亡くなります。』


「恐ろしい程、難易度高いよね!?」


  『もしくは彼らが「くっ、こいつには敵わないぜ!!」的な

   完璧な演奏をなされば逃げていきます。』


「私の楽器の歴史はピアノだけで

 赤バイエル黄バイエルっていう

 子供バイエル上下巻で終わってるんだけど??」


 そして最も鳴ってほしくないタイミングで

 ファンファーレが鳴ってしまったのです……。



  『武器ルーレット!ジャカジャン!!』


「え?」


 何故かゴリラ能力(アビリティ)ではなく

 武器ルーレットが出てきて、回転を始めたのです。


「しかも絵が1つ?

 ラッパっぽい絵が1つしかない……?」


  『これは確定モードですね!

   ガチ〇ピンモードかと!!』


「いつから武器ルーレットは

 グランブル〇ファンタジ〇のガチャになったのやら……。」



  【ゴリラ武器(ウェポン)「ゴリラッパ」が顕現されました。】



「…………やっぱラッパなんだね。」


  『ゴリラのラかバナナのナなのですから

   ゴピチャントとかゴングアグンとかナイとか鳴子とか

   他のものがあったのではないのでしょうかね。』


「聞いた事ないものばっかりだし

 鳴子って楽器なのかね?」


  『高知のよさこい祭りで鳴らしながらパレードする

   「打楽器」です。』


「それマーチングバンドとしての

 パレードじゃないよね……。

 で、このゴリラッパはゴリラ武器だよね?

 どんな効果がある武器なの?」


  『ゴリラッパを装備する事で「玄人の演奏」と言う

   ゴリラ能力(アビリティ)が使え、装備し続ける事で

   覚えられ、楽器に触れた事が無くとも玄人並みの演奏が出来るそうです。』


「おー、どう考えても武器ではない気がするけど

 期待出来る性能だね。」


  『さらに新フォーム「マーチングバンドフォーム」を覚えるそうです。』


「マジ!?まさかあのオレンジのユニフォームが着られる!?」


  『……………チッ、その通りのようです。』


「なにその舌打ち……。」


  『ゴリラ要素が全くありません……。』


「なら着るしか無いよね!

 マーチングバンドフォーム承認!マテリアライズ!!」

 

  『申請を却下します。』


「却下するな!承認しなさいよ!!

 あれ結構憧れのユニフォームなんだよ!?」


  『ゴリラ要素が無いので承認出来ません。』


「ゴリラマニアめ………。

 もう良いよ!これ吹けばあいつら(ビューグル族)逃げるんでしょ!?

 ゴリラ武器、ゴリラッパ!いっけぇぇぇぇぇ!!」


 そして私は思い切り息を吸い込み

 そしてゴリラッパを吹いたのです!!



 トー


    フー



「……………?」


 もう一度、吹き直す。



 トー


    フー



「……………これお豆腐売りのラッパの音じゃん!!」


  『熟練の豆腐売りに負けずとも劣らない演奏でしたよ?』





「何だあの音は!!」


「凄い洗練された音だったぞ!?」


「いや、あれは曲だ!

 あの2音だけで完成されているんだ!」


「〇線上のアリアを超える名曲では無いか!!」


「我らではあれを超える曲など無理だ!」


「これは勝負の前に逃げるしかない!」


「そうだ、勝負をしなければ我々に負けは無い!」


「「「「「「「「「「そうだ!それが良い!!」」」」」」」」」」





 こうしてビューグル族、モグラの集団は

 あっという間に逃げていったのです。



「トー、フーって……。」


  『説明文に間違いはありません。

   確かに玄人並みの演奏でしたよ?』


 こうして「(オレンジ)の悪魔」の恐怖は

 去ったのですが、何か違う………。

 私がしたかったのはコレジャナイ……。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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