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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第5章 第2部 トッペンテット監獄鉱山編
85/178

第85話 G、犯罪奴隷となる。前編

「解せないわ……。」


  『思い当たる節、と言えばおそらくホンダワラの町ですね。』


「うん、あの昇級試験の推薦期限が切れるとかで

 登録証を新しいものに交換された事だろうね……。」


 むしろ登録証絡みで何かあるとすればそれしかない。

 情報抹消、という形で前の登録証は

 そのまま穴を開けられ処分されている。


 そしてあの前の登録証の情報が

 今の登録証に無い、となれば

 おそらくウィンガード王国とサンディング王国の後見と共に

 ウィンガード王貨に関する登録も同時にされていた。


 そう考えるのが一番妥当……。


「あれが原因で犯罪奴隷って……。

 っていうか裁判とか無いのかな?」


  『あるようです。領都には下級裁判所があり

   王都には上級裁判所が存在していますので

   そこで弁明の余地があるのでは?』


「だと良いんだけどね……。」





 そしてニクジュバンニが言う通り

 私の身柄が下級裁判所へと送られたのだけど……。


「「「「「有罪(ギルティ)!」」」」」


「ナナナンダッテー!?

 裁判所なのに弁護も出来ないってどういう事!?」


「何を驚いているのだ。

 王帝貨の利用登録も無しにウィンガード王貨を利用しようと

 した時点で『王帝貨の不正使用の罪』は成立するのだ。

 どこに弁明や弁護の余地があるというのだ?」


「異議あり異議あり異議ありぃ!!

 そもそも利用登録がされていないかキチンと

 ウィンガード王国に問い合わせるってのが

 筋じゃ無いの!?」


「だから言っておるであろう。

 利用登録が無いのに王帝貨を利用しようとした時点で、だと。

 問い合わせる必要性などどこにも無いわ!」


「いやいやいやいや!

 ただ単にウィンガード王国が登録し忘れた可能性があるでしょうが!!」


 そういうと、裁判官らしき方々が溜息を洩らし

 中には失笑していた。


「まぁこれからずっと牢獄へと入るのだ、言っても問題は無いだろう。

 確かにウィンガード王貨は発行枚数が2万枚、と

 世界でもかなりの枚数が発行はされておる。」


「なら!」


「だがの、ウィンガード王国の建国以来、1枚たりとも

 流通した実績がないのじゃよ。」


 え?1枚も流通してない……?


「つまりお主が持っていたこのウィンガード王貨は

 ウィンガード王国から盗む以外の入手方法はいずれにせよないのだよ。

 これによって、お主は『王帝貨の不正使用の罪』と共に

 『王帝貨の窃盗罪』を犯した事となるのじゃよ。」


「え?マジで1枚も世界に無いの……?」


「無い。そもそもお主、この1枚がもし不正使用で無かった場合

 一体いくらになると思っておるのだ?」


「え?………2万枚もあるなら銀貨1枚とか?」


「馬鹿者、これ1枚で白金貨1万5000枚の価値があるのだぞ?」


 白金貨……1万5000枚……?

 つまり日本円にして1兆5000億円?

 それが1万枚……?

 つまり日本円にして1京5000兆円……?


 あのムキムキ王、なんてもの私に渡してるのさ!?

 褒章なんてレベルじゃ無いよね!?!?

 1国の国家予算、軽ーく超えて

 全ての国家予算足しても、絶対届かない額だよね!?!?



「お主はこの罪によって、犯罪奴隷となる。

 本来であれば死罪だが、未遂で終わった事もあり

 無期懲役とする。

 牢獄はトッペンテット領、トッペンテット監獄鉱山とする。

 以上で閉廷とする!!」


「ちょ、まっ、ってええええええええ!?」





 こうして私はベーコンエッグ帝国法も適用された事で

 犯罪奴隷、となったのです。


 犯罪奴隷にはまともな人権が無い

 と言うのがベーコンエッグ帝国法であり

 人としての扱いすら期待できない、という事に。


 さらに犯罪奴隷になった者は、その刑が確定した時点で

 全てのギルド登録が抹消されてしまうのです。


 つまり、折角Dランクとなった冒険者ギルド登録から

 商業ギルド登録まで全てが剥奪の上、抹消。

 さらに商業ギルドにおいては現状、納税義務があるのですが

 それらは全て納税猶予、と言う形で自動更新される形で

 私は借金を背負う、と言う形にされるのだとか。


 しかも無期懲役?

 それただ単に納税額に年利が毎年加算されていって

 どんどんと増えるって罠だよね!?


 これはなんとかなった場合に、あのムキムキウィンガード王に

 払ってもらおう、と心に刻んだのだった。


 そして連れてこられたのがトッペンテット領、と言う

 比較的港町に近い方の領だそうで

 そこに存在する鉱山をくり抜いたような牢獄である

 トッペンテット監獄鉱山と言う所に収容される事となったのです。





「囚人番号G66番!」

 という名前がついた。


  『G66……566でゴリラですかね?』


 なんでもかんでもゴリラに結び付けるのは

 辞めていただきたいのだけど?


 あとGや5で「ゴ」は解るけど6で「リ」と「ラ」は

 相当無理があると思うんだよね……。


 そして到着した私を待っていたのは身体検査。



「囚人番号G66番、服を脱ぎなさい!」


「あの、これ脱げないんですけど?」


 これは半分、本当の話です。

 ゴリラアーマーは腕時計型にまで変わるけど

 腕時計型になった所から、私はこれを外す事が出来ないのです。



「そんな馬鹿な話があるか!」


「あの、刃物とかでも破れないんですよ?」


「そんな馬鹿な話があるか!」


 女性の兵士さん?刑務官さん?だかが

 2時間、私のゴリラスーツベーシックフォームと格闘した結果

 本当に切れないし、脱がす事も出来ないと言うか

 継ぎ目の1つすら見つけられず、結果として

 私は犯罪奴隷が全員一律で着る服を着なくても良い事に。


 そして次は首輪をつけられた。

 これは技能(スキル)魔法(マギウス)能力(アビリティ)

 使えなくする魔導具だそうで、仕組みは知らないけど

 キチンとした鍵が無いと、外せない代物だとか。


 一応ベーシックフォームの上からでも

 装着が出来る、と言う事でこちらは装着させられる事に。


 そして最後。

 ベーコンエッグ帝国では犯罪奴隷には

 左右の肩に焼印を入れる事になっているらしいのだけど……。



「無理ですって……、この服燃えませんから……。」


「そんな馬鹿な話があるか!」


 女性の兵士さん?刑務官さん?だかがゴリラアーマーの上から

 懸命に何度も焼印を焼いては押し付けた結果

 焦げ1つ出来ずに諦める事になったのです。



 そして首輪の効果は、と言うと

 普通にゴリラ能力(アビリティ)などが使える状態。



  『人族の使う技能(スキル)魔法(マギウス)能力(アビリティ)

   封印する機能があるだけであって

   ゴリラ用ではありませんので、マスターには効果はありません。』


 だ、そうです……。



「結局、首輪がついているだけで普段とそう変わらないね……。」


 こうして私の犯罪奴隷としての生活が始まったのです。

 え?普段と変わらないなら脱走すればって?


 別に何も悪い事はしてないのに?

 逃げたらそれ自体が罪にならない??


 そんな事をするくらいなら

 暫くここでまったりするよ?

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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