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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第5章 ベーコンエッグ帝国編
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第81話 G と 聖道十二宮神

「怖い事言うねぇ……。

 ん?あれは何かな………。」


  『妙に乙女チックな服装の女性ですね……。』


「つーかまた変わった格好をした人が

 こんな森の中に居るとか、悪い予感しかしないんだけど?」



「あらあら、こんな所にお猿さんがいるとは思わなかったわ。」


「猿……?誰が猿だ!」


「………貴方以外、誰がいるのかしら?」


 その少女は妙にゴスロリっぽい格好なのに

 何故か服の色は真っ白だし、日傘を差しているし……。


 森に似付かわしくない上に、口が悪い……。


「ほぅ、同じ霊長類で猿人類たる人族の癖に

 他人様を猿呼ばわりとはまた滑稽な事で……。」


「あらあら、私は貴方ほどゴリゴリとしていなくてよ?

 こんな綺麗なドレスを着ているのに

 貴方のような野性味溢れる服かどうかすらも

 解らないものを着ている人と比べないでくださる?」


「むきぃ!何この女!超ムカつくんですけど!!」


「あら、むかついているのはこちらですわよ?」


「え?」



 その女は日傘を閉じ、私を指すように向けてきた。



「私は聖道(せいどう)十二宮神(じゅうにきゅうじん)が1人。

 双魚宮(そうぎょきゅう)のビスケッティ。」


「せ……せいどう?はい?」


「ふふ、覚えなくて良いのよ?

 どうせ貴方、ここで死ぬんだから。」


「へっぶほぅ!?」


 それは唐突に日傘の先が伸び、私の喉へと刺さる様に当たった。

 私はそのまま勢いよく飛ばされただけでなく、幾本もの木を

 そのまま折る様にして減速し、地面に座り込む形で止まった。


 そしてすぐに顔を上げたと思えば

 ビスケッティと名乗った女は、私のすぐ近くで日傘を差し

 クルクルと傘を回していたのです。



「あんた、何すんのさ!!」


「あらあら、それはこちらのせ・り・ふ♪」


「なんか言い方が超ムカつく……。」


「私、貴方のせいでとんでもない損失を被ったのですよ?

 死んで詫びるのが当然ですわよね?」


「損失……?」


 その次に続いたビスケッティの言葉、そして声こそが

 恐らく本性だと思われる位に女性らしい声から突然、男のような声になった。


「てめぇが倒したゴブリン・マザー・クイーンと

 てめぇがぶっ潰したホーレルヒ王国の事だよ!!」


「は?」

 何この女、って言うかオカマさん!?

 声が超男になってんだけど!?!?


「そのせいで俺の商売あがったりなんだよ!

 折角世界中で稼いでたってのによ……。」


 稼いでた?

 ……………もしかして神殿の地下の事??


「神殿での出来事は不可侵って決まってんだよ!

 それをてめぇのせいで全部オジャンだ!

 お陰で俺はてめぇの首と持ち帰らねぇと

 いけなくなったんだよ!解るか!?このチビガキが!!」


「そんなもん知るか!こそこそとくだらない商売っつーか

 淫売しといて駄目になったら人のせいかいっ!」


「当たり前だろうが!てめぇのせいで

 どれだけの損失になってると思ってるんだ!!

 てめぇなんぞが一生拝めねぇ位の金額だ!」


「金金金金うっさいね……。

 そんなに欲しけりゃカ〇ゴンでも生みだしゃ良かったじゃない。

 まぁ全部食われるだろうけどさ……。」


「っと……私とした事が。

 ついうっかり言葉が荒くなりましたわ。」


「今頃遅い!このオカマ野郎!!」


「あ゛?」


「金儲けだかなんだか知らないけどさ!

 子供を使って人工妖精!?

 さらに神殿の地下で賭博に淫行?非合法な薬物売買!?

 全部あんたの自業自得でしょうが!!」


「自業自得?てめぇが居なければ問題は無かった。

 私がすべきことはあんたの首を持ち帰る事。

 私が許されるのはその1点のみ!!」


「お断りだね!

 ベーシックフォームとベーシックフォームを選択申請!

 シルバーバックフォーム、マテリアライズ!!」


  『シルバーバックフォームを承認。

   トリニティー(三位一体)マテリアライズ(具現化)!!』


 私はベーシックフォームから

 シルバーバックフォームへとゴリラアーマーを変更した。


「あらあら、より一層猿らしくなって………。

 これでより殺しやすくなったわ!!」


 突然それまでの男性の声と喋り口調が元に戻ったビスケッティは

 日傘、そして蹴りを主体に私へと距離を詰めつつ、猛攻を仕掛けてきた。



「ほぉらほらほら!この程度の速度で

 防御一辺倒だなんて、これで良くあのゴブリン・マザー・クイーンが

 倒せたわね!?それともあのロガンとか言う

 馬鹿が使い物にならなかっただけかしら?」


「あんたみたいなね!手も汚さずして

 高い所から見ているだけのような奴に!

 文句も暴言も吐く権利なんざ1つも無いんだよ!!」


「ふふ、この程度の攻撃しか出来ないのに

 口だけは一人前?せいぜい半人前かしら」


 まぁふざけた男女だよ。

 だけど決して口だけな相手でも無いね……。

 1つ1つの攻撃は決して軽くない、むしろ

 私にとって重さを感じるくらいだし

 速さすらこのシルバーバックフォームで追いつくのが

 手一杯な辺り、強いと解る。


 だけど……。

 このビスケッティとやらは、1つ足りないものがある。

 それは私がつい先日、体験したものが足りない。


「はっ、言いたい事はそれだけ?

 じゃあ私からも言わせてもらうよ!

 あんたと対峙して、解る事が1つだけあるんだよ!」


「あら、何かしら?」


「あんたにだけは負ける気がしない事だよ!!」


 次々と攻撃が入り乱れる中、私は渾身の一撃ともなるような

 右ストレートをビスケッティに叩き込んだ。


「へぇ……でもこの傘1つ破れないようじゃ

 どうにもならないんじゃない?」


 そしてその右ストレートが傘に防がれた……。

 しかもこの傘、開いているのに

 布地部分の感触が柔らかくなく、非常に硬かった。


 それでもそのまま吹き飛ばせるかと

 力を籠めた途端、一瞬布が柔らかく感じ

 そしてまた硬くなったのです。


 まるで一瞬にして力を逃がされたかのように

 感じたのです。


  『マスター……。』


「何さ!今、忙しいんだよ!!」


  『この女、身体の中に核心(コア・ハート)があります。

   しかも母なる核心(マザー・コア・ハート)です!』


「母なる核心(マザー・コア・ハート)……?」


 その言葉にビスケッティの顔が変わった。


「なるほどねぇ、そういう事かぁ………。」


「そういう事……?」


「どうせ私に殺されるんだから黙って死になさい!

 貴方が知る必要性なんて一切無いんだからね!!」


 再びビスケッティの攻撃が始まると

 1つ2つとギアを上げたような猛攻が始まったのです。


 今の私には、ただ防ぐ事だけが手一杯な上

 ゴリラアーマーの上からでもその攻撃によって

 激しい痛みを感じ、そして速度が徐々に上がっていき

 当たる攻撃がどんどんと増えていった。


 そしてついに攻撃は防御を避け

 次々と明確に入る様になり、私の防御すら

 全く意味を為さないようになっていったのだった。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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