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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第5章 ベーコンエッグ帝国編
80/178

第80話 G と Dランク昇級試験の結末。

「どういう事か説明しろ!!」


 そして合格者が4人、と発表された事で

 またもや文句と言う名のクレームが発生。


「え?だから言ったでは無いですか。

 皆さんが納得出来ない、と言うのですから

 実戦形式で冒険者の実力、とやらを

 私が見てみたくなった、と。」


「それとこいつら3人が合格になった事と

 何の関係があるんだよ!」


「そうよそうよ!」


「何を言っているのですか?

 これはDランク昇級試験なのです。

 Dランクに値する人物であれば合格となるのは当然です。

 ここに居る3人は冒険者としての実力を見せた。

 それは少なくともDランクになるに対しては

 十分実力がある、と私が判断したのです。

 ただそれより先にいけるかどうかは解りませんがね……。」


「つまり実力を見せ、それがDランク冒険者としては

 足り得るから合格になって、そうでない残りの6人は

 実力すら見せなかったから不合格?」


「はい、リラさん。

 その通りです、私はチャンスを皆さんにあげただけです。

 そしてここに居るマルクさん、ベルさん、ゴットンさんは

 リラさんには敵わなかったですが

 Dランク冒険者足り得るだけのものを見せて下さった。

 そして残りの6人は理由がどうであれ

 それを見せる事もなかった。

 だからこそこの結果となったのです。」


「なら今からでも見りゃ良いだろう!

 そもそもそれを黙ってやるってのが陰湿すぎる!」


「私はチャンスと言った筈ですよ?

 本来なら合格者はリラさんだけです。

 解っていますか?皆さんはリラさんに魔導具を

 壊された事すら気が付かなかった。

 その時点で本来は失格であり、試験も終了なのです。

 そこにチャンスを1つ用意した。

 私は最後に言った筈ですよ?

 挑む人は居ないか、と……。

 では何故挑まなかったのですか?」


「そ、それは………。」


「私は一撃を入れ、実力を示しなさいと言ったのです。

 リラさんは円から出ない様に、とは言いましたが

 円から出せば失格を撤回するなどとも言っていません。

 あくまで実力を示せれば、と言ったのです。

 そもそも最初から誰1人、リラさんに一撃をまともに

 入れる事が出来るだなどと、私は思っていませんでしたから。

 そもそもこれは試験であり死ぬ訳でも無いのに

 それに挑む事すらしなかったのは皆さんでは無いでしょうか。」


 つまりその一撃がどういったものなのか、とか

 まぁ私には基準は解らないけど

 スニングさんの基準で、Dランクに値すると思われれば

 場合によっては9人全員が合格できた、って事かな?


  『意地の悪いやり口ですね……。』


「チャンスを放り出したのは皆さんです。

 しかし最初から細かく説明すれば

 皆挑んだでしょうが、そこまでサービスするつもりは

 ありません。私としては本来の合格者は

 リラさんたった1人なのです。

 そしてマルクさん、ベルさん、それと寝ているゴットンさんは

 あくまでDマイナスランク、と言うところでしょうか。

 Dランクへの昇格は今回で果たせた事になりますが

 この拾ったチャンスを生かし、これから更なる研鑽を

 詰んでいかなければ次の昇級試験どころか

 Cランクにすら上がれません。

 それでもDランクに上がりたい、と言うのであれば合格で

 まだ今の自分にはDランクは早い、と思うなら

 申し出てください。再度Dランク昇級試験の推薦を差し上げます。」





 結果としてマルクさん、ベルさん、そして目覚めたゴットンさんは

 それぞれが更なる研鑽を約束しDランク昇級試験の合格を望み

 そして必ずCランクへと達し、Bランク昇級試験の推薦を

 勝ち取る事をスニングさんと約束していた。


 そしてネタのような話だけど

 これでも合格者は多いのだとか。

 通年平均で大体合格者は1回あたり2人少々と言う事だそうで

 一度に4人出ると言うのは比較的稀な事で多い方だとか。


 スニングさんはあくまで第二、第三試験の試験官として

 やってきただけだそうで、現地から帰っていったけど

 そもそもディメンタール王国とはどこぞ?と

 職員さんに聞いた所、ここから2つ東隣の大陸だとか。


「……………スニングさん今から帰るんですか?」


「じゃないかね、どうやって来ているか知らないが。」


 まさか海を走ったり、空飛んだりしてたりして……。



  『この世界に飛行魔法はありませんから。

   風属性魔法を緻密にコントロールして

   跳ぶのが精々でこの世界でも恐らく5人と居ないかと。』


 それでも5人は居るんだね。

 あの人なら飛んでてもおかしくない気がするけど?


 異質、と言う言い方が合っているかは解らない。

 だけど強いのがひしひしと伝わってくるし解る。


 恐らくまともにやり合ったら勝てない。

 感覚的には絶望に近い位、私との差が感じられた。



  『いつの間にそんな感覚が身に着いたんですかね……。』


 なんだろうね、気が付いたら?


  『そんな風に身に付くものでは無いのですがね。』


 ま、なんにせよ良いじゃない。

 Dランクに昇級出来る事になったんだし。

 これで3ヶ月何もしなくても登録抹消されないんだし?


  『マスターの昇格理由がそこだけですからね。

   他の参加者が知ったら怒るか呆れるか。

   どちらにせよ、普通ではない理由ですよね。』


 いいんだよ、核心(コア・ハート)の事もあるけど

 それ程急ぎでも無いんだし。

 まだ邪神とやらの復活まであと2900年もあるんだよ?


  『まぁ、それはそうですが……。』


 それまではまったりとやるつもりだよ。

 まったりとね……。


  『マスター?』


 その後、リラは何かを考える事も無く

 そのまま静かになっていた。





「はい、それではこちらがDランクに更新された登録証です。」


 あれから領都ホーマックへと戻り

 私は更新された登録証を受け取り

 やっとDランクへの昇格が行われたのです。


 3日程私は身体を休め、心機一転。

 Dランク以上の依頼に挑むべく、半分なまった感じのする

 身体を解そうと、町の外へと身体を動かしに出たのです。


 魔物を探して森を駆けていると、妙な感覚がした。


 魔物が居る感じがしないばかりか

 鳥の声すら途中から聞こえなくなり

 非常に静かな状況になっていた。


 これまで森の中では何かしら鳥だったりの

 鳴き声が聞こえたりしていたものが

 ただ風によって森の木々が揺れ、葉がざわめく音。

 それだけになった事に違和感を感じていた。



「なんか変だよね……。」


  『そうですね……ここまで静かな事は

   これまで一度も無かった筈です。』


「…………まさか厄災が居るとか無いよね??」


  『どうでしょうか。集団暴走(スタンピード)

   多くの原因は、突出した強さの魔物の誕生が原因で

   多くの魔物達が逃げ惑い発生するものですから……。』


「怖い事言うねぇ……。」


 そして私は森の中で、1人の少女と出会う事となった。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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