表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第1章 導入編
6/178

第6話 G vs G 中編

「ぅほぅっ!」


  『素晴らしいです、攻撃の際の掛け声が「ウホ」などとは

   ヤマジ〇ンと阿〇高和も興奮しまくりだと思われます。』


「私その頃、小学生だからね……。」


 何故だかは解らない。

 だけど何故か殴ったりする際に「ぅほ」と声が出る。


  『そのような機能はゴリラアーマーにはありません。』


「あったら速攻切ってもらうよ……。」


 ただ何か感覚的に違いがあったのです。

 声を我慢して戦うのと、我慢せずに戦うのとで

 どうやら力の入り方が違う感じがしたのです。


  『技名を叫ぶと威力が1.25倍増しで

   ゴリラ語を叫ぶと1.5倍増しになります。』


「なんか変な機能あったぁぁぁぁぁぁ!?」


 ニクジュバンニが示していく方向へと進んでいくと

 次から次へとゴブリンが現れ

 そしてそれを倒してはゴリラコンテナに収納する。

 そうして進む事15分ほどで、洞窟のような場所に辿り着いたのです。



「まーたやけに真っ暗で狭そうな洞窟……。

 熊とか出てきそうだよね?」


  『彼女とは世界が別ですから大丈夫ですよ?』


「……………そのクマじゃない!

 っていうか宇宙か何かで繋がってる!?」


 ちょっと何の事か解らなかったけど、多分あのクマだと思う。

 よくもまぁ、小ネタをちょくちょく挟んでくると思ったら

 どうやら私の記憶から探して持ってきているのだとか。


「個人情報保護法ぅ……。」


  『この世界にはそんな法律存在しません。

   ある程度はマスターの記憶からマスターが

   どんな人物であるか等を私が記憶し

   行動補正をしなければゴリラアーマーは

   正常稼働しないのです。

   ところで「スパダリ」とは何の事でしょうか?』


「世の中、知らない方が良い事の方が多いんだよ?」


  『それが解ればこの洞窟の中についてより深く

   理解出来る気がするのです!!』


「それは絶対にない。

 あとオートマッピングに頼ってる癖に何故洞窟の中が

 理解出来るのさ……。」


  『………勘とセンス?』


「はい、チャッチャと中を見に行こうか……。」





 私は洞窟に入るも、すぐに暗さに進むのがきつくなってきた。


「うーん……見えない……。」


  『見えないですね。』


「なんでこういう時、都合よくひらめかないかな!?」


  『ご都合主義では無いからです。』


 そして都合よく鳴るファンファーレ。


  【ゴリラアーマーがゴリラ魔法(マギウス)「ゴリ(ライト)」をひらめきました】


 うん、ご都合主義だ……。

 それ以前に天文学的数値である筈のひらめきが続く時点で

 それ以外の表しようが無いよね……。



「さぁ、そういう訳でこの暗闇を照らすのです!ゴリ(ライト)!!」



 だけどゴリ(ライト)とやらが点く事は無かったのです。



「ん?点かない??」


  『いえ、間違いなく点いています。』


「その割には全く明るくならないんだけど?」


  『はい、足の裏が光っているだけですから。』


 そう言われて足を上げると、確かに足の裏が光っていて

 懐中電灯みたいにまっすぐな光が出ていたのです。


  『レベル1の魔法なんてこんなもんです。』


「これでどうやって照らすのさ……。」

 足の裏って、ほぼど真ん中だけみたいだし

 足を上げ続けていないと照らせないんですけど……。


  『さぁ……。』


「無責任な……。」


  『ここで4年待てばレベルが上がって使い物になるかもしれませんよ?』


「その悟りを開いた人が『簡単です』と言う位の

 気軽な感じで言うの辞めてくれる?」



 洞窟の前で考えた結果。

 アブラマシマスの脂を手で絞り、それまで倒してきた

 ゴブリンの汚ったない腰布を木の枝にでも巻き付けて

 松明にしようと行動に入った所で挫折……。



「よく考えれば針金が無い……。」


 子供の頃に学校の行事でキャンプ場に泊りで行った時に

 キャンプファイアーをする時に、確か松明で

 組み上げた木材に火を付けた事を思い出したのです。


 あれは確か松明に布を巻いて、その布が取れないように針金を巻いていた筈。

 このまま持っていくと、多分布があっさり落ちる気がする。


 あと松明、と言うのは確か松を使った明かりだから

 松明という名前だったような?


 松は松ぼっくりも松の樹液が含まれていて

 非常に燃えやすいという理由だった気がしてきた。


「つまり現状、松の木で無いと松明にならない……?」


  『その認識で間違いはありませんが、松に限らず

   天然樹脂などが採れるものであれば構いません。

   同じマツ科モミ属のバルサムや漆なども同じです。

   他にもフタバガキ科のダンマルやアカシア樹脂もあれば

   有名な所ではゴムや琥珀なども含まれます。

   卵白も入るのですがこの世界の技術では無理です。』


「で、結論としてどうすれば良いと思う?」


  『その前にどうやって松明に火を付けるのですか?』


「あ……。」


 そこは考えていなかった。

 と言うかこういう時にご都合主義と呼ばれるものは

 発動しないのでしょうか!!





 とりあえず10分待ったけど、何も起きなかった……。


「もう諦めて良いと思わない?」


  『駄目です。』


「マスターとか呼ばれる割に私に決定権が無いのは

 どうかと思うんだよね……。」


  『「きわめて現代的な最終責任者」としてのマスターですから。』


「それ責任だけ負わされるってやつじゃない?」


  『流石、社会の歯車だったお方です。』


「あんたちょいちょい私の事、馬鹿にしてるよね?

 っていうか真っ暗で見えないしどうするの?

 こういう時くらい、きっちり仕事をして

 提案してくれると助かるんだけど?」


  『そうですね………いっその事、洞窟ごと壊しましょう。』

「え?」


  『ですから洞窟ごと壊しましょう。

   見逃す事は世の為になりません、かといってこの真っ暗な

   洞窟の中にわざわざ入っていく位であるならば

   このゴリラアーマーの力を使って

   洞窟ごと崩してしまえば良いのではないかと。』


「何か至極真っ当な答えが返ってきた気もしたけど

 凄く脳筋臭い事言ってるよね……?」


  『ゴリラですから。』


 ニクジュバンニ曰く、中に人間は居ないと言う

 どんな確証を持って言っているかは不明だけど

 火が起こせない私にとっては

 まぁ他の選択肢も思いつかない以上

 脳筋臭い解決法だとしても、最善なんだろうと思い

 洞窟をそのまま壊す事にしたのです。





「これは酷い……。」


  『ゴリラアーマーの力を使って、とは言いましたが

   全力で、とは一言も申しておりませんが?』


「つまり私の責任、と……。」


 全て私が悪い、と言わんばかりのニクジュバンニだけど

 まぁ私が逆の立場でも同じ事を言っただろう。


 何しろ最早洞窟が崩れた、なんてレベルではなく

 その上の崖まで見事に崩れたからです。


 洞窟を壊す、となった事で私が力を籠めすぎた。

 こういう結果となったのは、まぁ私が原因である事は

 納得は出来ないんだけど事実。


 それに私の上にまで崖が崩れ落ちてきて

 右往左往しながら逃げ回り、私自身すら危険な目に合い

 目の前には見事なまでに崩れた崖の残骸がある以上

 その惨状は酷い上に私のやらかした結果だったのです。



  『なるほど、これが脳筋と言うものなのですね。』


「脳筋のルビはゴリラでおねしゃす……。」


星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ