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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第4章 ホーレルヒ王国編
57/178

第57話 G+到達+覚悟=?

※この話は52話の補助話となりますが

 閑話などの類ではありません。


 わたしのせいだ!わたしのせいだ!!わたしのせいだ!!!


 あの奥義とやらを上に逸らしたから……。

 全く関係の無い人を巻き込んだ……。


 そうじゃない。

 私の考えが、全て甘かっただけ……。


 でもあの真っ黒な鎧の騎士とは

 初見だし、どんな人物かも解らない。


 この革紙は、出来ればウィンガード王に直接。

 最低でもソニックさんに渡すべきだけど

 そのどちらとも会う方法がこれしかないと思っていた。

 そしてこの計画が原因で、犠牲者が出た……。



「はっ、なんでもかんでもわたしわたし。

 そう泣いていれば許されるとでも思っているのかい?」


「……………ほっといて……。」


「放っておけ?僕はただ君が自責の念とやらに

 落ち込んでいる馬鹿馬鹿しい姿を見に来ただけだよ。」


「……………。」


 なにこの〇ッちゃんサイズの天使?

 羽ついてるし、頭に輪っか乗ってるし。

 またゴリラの神様みたいなの??



「僕?僕はこの世界の全てみたいな存在だよ。

 名は特にないね。」


「……………。」


「ま、折角だから今の君を見てみなよ。」


 小さな天使みたいなのは

 私の前に、地下水道に居る私を映像として見せてくれた。

 と、言うかなんで私が居るの??



「今の君は既に気を失っているんだよ。

 そして僕は君の魂に呼び掛けているだけであって

 これはれっきとした君だし

 ここに居る君も君だよ。

 どちらも間違いなく、君自身だ。」



 つまり見ているのは私の身体。

 ここにいるのは私の魂で精神。

 私は身体と精神が2つに分かれた状態なのだとか?



「正確では無いけど、まぁそんなようなもの。

 いやぁ、凄いね。この真っ赤になった君。

 多分、この状態なら本来の100倍近い力が

 出せる状態になってると思うよ?」


 100倍……?


「そしてこれが終わった時、多分君の身体は

 ほぼバラバラになる寸前までいくだろうね。

 身体の筋繊維はバラバラ、骨は砕けて

 ありとあらゆる血管が裂け、心臓は

 魔力を多く供給する為に、限界まで激しく動いて

 そして張り裂ける。

 これはそういう力だよ……。」


 え?なにそれ……。


「こういう力をなんていうか知ってる?

 火事場の馬鹿力、とか言うんだけどね。

 特に君はゴリラアーマーを所有している。

 そして君はゴリラアーマーに大半の力を依存している。

 火事場の馬鹿力なんて出せば、ゴリラアーマーが

 それを出す事になるんだよ。

 しかし生身の君は、それに耐えきれないんだ。」



「なんでそんな事に……。」


「君が自責の念を強く持ったからさ。

 ゴリラアーマーはそれに答えて、あらたなフォームを呼び出し

 そして君はフォームそのものを創造すらさせてしまった。

 それがこのフューリアス(怒り狂う)フォームだ。

 これはゴリラアーマーが君に与えている罰なんだよ。」


 罰……?



「ゴリラアーマーにはひらめきという仕組みがあるだろう?

 自責の念もそのひらめきの範疇に入ったのさ。

 君は全てが自分のせいだ、なんて事をしてしまったんだ。

 そう思い描いたからこそ、ゴリラアーマーは

 それを実現させてしまったのさ。

 だからこそ、君の身体が耐えられない位の

 強い力を引き出し、君自身に罰を与えているんだ。」


 ……………。

 なら私はこれで死ぬのかな………?



「はっ!死んで罰になるならゴリラアーマー自体が

 自らの胸を貫くと思うよ?

 死んで楽になんてさせてはくれないよ?

 これは罰なんだから。

 この後、君は死と生の狭間をずっと彷徨う。

 植物人間のような状態へと変わるのさ。

 一生、生き続けてそれが罰になる。

 その位、今の君は思いつめたって事なんだよ。」


 そうなんだ……。


「なんて言ってみたけど、こんなもの罰にすらならないよ。

 君は何か課せられた使命を持っている筈だ。

 それすらしないで身動き1つ取れない事を

 罰だなんて、それを許すような存在はそうそういないよ。」


 なら、どうすれば……。


「そうだねぇ……フューリアス(怒り狂う)フォームは

 この状態が1時間は続くだろうね。

 その後、君は体中がズタズタになって

 二度と目覚めなくなるだろう。

 その前に君には1つ、限界を超えてもらおうかな?」


 限界を……超える?


「そうだ、君がフューリアス(怒り狂う)フォームになったとしてもだ。

 それに耐えられる身体と精神を手に入れるべく

 今から鍛えてもらおうか。」


 ……………はい?


「大丈夫、大丈夫。

 今から君はゆっくりとした時間の中で過ごす事になる。

 1時間もあれば、まぁ数か月程度で元の身体に戻れる程度にはなれるし

 さらに君にはその先に進んでもらう。

 いや、君はそうなってもらわないといけないんだ。」


 そうなってもらわないといけない……?


「そうだ、君はもう既にその為の条件を満たしているんだから。

 これから君が遭遇する地獄に比べれば

 この程度なんてことは無い筈だよ?

 そして君は自らの考えで、この事に決着をつけなければならない。

 それが君に課せられた運命を超える方法だよ?」


 ……………そもそもあんた誰さ?


「そんな事を気にしている暇なんてあるのかな?

 早くしないと君は二度とあの場所に戻る事は叶わなくなる。

 恐らくウィンガード王国は、君が居ないまま

 あのゴブリンクイーンと戦うだろう。

 だけど、あのゴブリンクイーンを倒す事は出来ないだろうね。

 何しろあの中には核心(コア・ハート)が入っている。

 それも1個じゃない、2個だ。」


 2個?


「そうだ、核心(コア・ハート)は母なる核心(マザー・コア・ハート)1つに対し

 10個づつが連動しているんだ。

 だから最大、10個まで1つの身体に埋め込む事が出来る。

 そもそも元々は全てが1つの物体だったんだ。

 特に拒絶反応すら出ない筈だよ?

 そして2個使われている事で、その強さも当然跳ね上がる。

 単純に2倍だなんて思わない事だね。

 そうでもなければ人工妖精だったかな?

 そのようなものを生み出せる訳が無いんだ。

 妖精と言う存在を生み出すのに必要なのがたまたま2個だっただけだよ。」


 ……………。


「いいね!君のそういう所に僕は心惹かれるよ!

 今、僕の正体について考えたね?

 そしてそれは正解だ!」


 ……………。


「そうだ、よくそこに気が付いたし辿り着いたね。」


 ……………。


「そう、それが答えだよ。

 じゃあもう1度言おう。

 今の君は、1時間という時間の中で

 1つの限界を超えなければ、この先は無い。

 そしてそれを超えたところで、君が倒すべき相手は

 さらに先を超えなければならない。

 でも、ここでもし十全な力を得ても

 今の君はただの精神体であり、魂だけだ。

 身体はそれに決して追いついていない事だけは

 忘れてはいけない。

 急いてもいけない。

 君はこれからの長い時間の中で、そこに到達し

 自らの手で、勝ち取る必要がある。

 だから問おう、君は……………。」


 私の意識は、より深く眠る事になった。

 いずれ起きる、その時に備えて………。


 そしてそれが私にとって、先に進む事であり

 鍛える事であり………。


 そしてより強い、ラス(憤怒)とフューリアス(怒り狂う)の為に……。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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