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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第4章 ホーレルヒ王国編
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第48話 G、極めて危険で難しい任務へ。

  『チャッチャッチャッチャ、チャッチャッチャッチャ』


「音楽は2小節までー、それ以上はアウト。」


  『何の話ですか?』


「2小節以内ならセーフって昔、音楽同人サークルの知り合いに聞いた。」


  『ですから何の話ですか?』


「まぁ都市伝説らしいけど。

 そもそも擬音であって音楽じゃなから良いよね?」


  『とりあえずマスターがこう言えというから

   言ったまでなのですが?』


「とりあえずタイトル通りの事が出来て満足した。」


  『?』



 神殿の地図を全て完成させ

 ある程度出入りしている人物なども調べ上げた末

 現在私は王都へと潜入していた。


 しかも今回はベーシックフォームではなく

 ライトフォーム、出来る限りゴリラ臭さを消しています!


 目的地?

 そりゃ王城だよね……。

 王様に願い出るのが一番、と思い目指すは王城。

 と、いきたかったんだけどね……。



「まさか王都の構造がこんな風になっているとは……。」


  『王都だけでなく、領都なども同じですから。』



 まず一般の人、つまり私が通れるのは南門に限定されていた。

 そして東門と西門は貴族専用で

 そのまま一般の方々が暮らす一般街の先にある

 御貴族様達がお暮しになられている貴族街という場所に繋がっている。


 北門は軍用の門だそうで、有事以外には使われないらしい。

 王城は最も北側にある。


「つまり私はこの一般街から貴族街へ入らないといけないと……。」


  『その上で王城の地区へと進み、王城の濠を超えて王城に侵入ですね。』


「……………これさ。一般の人って

 どうやって王城とやらに行くの??」


  『日本で言えば皇居のようなものですよ?

   入れるとお思いですか?』


「嗚呼、特別な一般参賀だのじゃないと

 近くに近づく事も出来ない、と?」


  『そういう事です。王の生誕祭や国の記念日など

   特別な日でなければ基本は無理です。』


「そっか……、いきなり頓挫した気分だよ……。」


  『で、どうされるのですか?

   やはり予定通りにいくおつもりですか?』


「しかないよね……。

 ベーシックフォームで行くしかないかな……。」


 王都の中は警備も厳重で強行突破したとしても

 様々な問題が出てくると言う事でいくつか立案した結果。





「うっ……汚い……。」


 完備されている下水道を通過する事に。

 この世界では多くの町に上下水道が完備されているそうで。


 構造は比較的シンプルに作られていました。

 まず上水は川からそのまま取り入れ、下水はそのまま川へ。


 但しどちらにも浄水槽が存在していて

 その中にはスライムがウジャウジャと飼われていて

 そこに流れた上水、下水をスライムが綺麗にし

 上水は井戸へ、下水は川へと流れる構造になっています。


「つまり下水の、かつ浄水槽とご家庭の間は

 臭い水が流れていると……。」


 ここに入る為に、私は一旦王都の外へと出て

 浄水後の下水が川に流れ込んでいる所から

 現在入り込んだところなのです。



  『まだ浄水槽すら超えていないのに……。

   文句の多いマスターですね。

   それにバイザーが閉じているのですから

   臭さも感じませんよね?』


「多少はするよ……?」


  『それは我慢してください。

   全く匂いが解らないなど

   魔物との戦闘には不利なのですから。

   これでも感度は最低まで下げているのです。』


「はいはい………、これが浄水槽?」


 下水を流れに逆らって登っていくと

 現れたのは妙につるっつるの水槽と

 その中に大量に居るスライム……。



  『スライムは大半のものは消化しますが

   水と自らの体液は消化できません。

   その為、浄水槽の内側はスライムの体液に

   海水を入れ、酸性からアルカリ性へと変え

   1日もすれば硬化するスライム接着剤だけで

   作られています。そこに汚水を流し込めば

   スライム達が汚物を食べ、綺麗な水になると言う仕組みです。』



「へぇ、考えられているんだね。」


  『ここをマスターは通るのですよ?』


「……………どうやって?」


  『……………まさか考えなしに来たのですか?』


「……………えへ♪」





 結局ニクジュバンニが2つの方法を提案。

 その1つ目を試すと同時に私は浄水槽に落下したのです。



「うーん、つるつるすぎて手が滑った……。」


 浄水槽の上の方までスライム接着剤が塗られていて

 ゴリラの握力ならなんとかなるか、と提案された

 1つ目の方法が早くも無理ゲーだった。


 そして落下と同時に2つ目の方法へと移行。


「むにゅむにゅする……。」


  『我慢してください!私も水の中なんて嫌なんですから!!』


 2つ目は浄水槽の中を歩いて通る、という強引な方法。

 ゴリラアーマーだからこそ出来る事。

 ゴリラアーマーは神器なので溶けたりする事が

 無いからで、そうでなければとっくに骨ごと溶けているらしい。



「ここに遺体を捨てたら証拠隠滅?」


  『比較的ある話です。』


「怖っ」


 なんでもこの下水側の浄水槽は

 特に汚水が流れ込む関係でスライムの数も多い事から

 遺体の処理など、表立って処理できない遺体などを

 捨てる人もいるらしい。


 ただこの下水道への入口は全て鍵が掛かっていて

 それこそ御貴族様でもなければ借りる事も難しい上に

 ここ王都デンドルドアの場合は王城まで繋がっている。


 それ故に貴族でもおいそれとは入れないけど

 領都や大きい町ではそれなりにある事案なのだとか。



  『一度硬化すれば胃液やスライムの体液などで

   溶けたる事は無いスライム接着剤に

   名前等を彫って自ら飲み込んでおく事で

   証拠を残し、犯人が捕まったと言う事件が

   明るみに出た事があるようです。』


「ほぅ、それは興味深いね。」


  『それを解決したのが確かアケチ……。』


「明智!?」


  『思い出しました、ミツヒデ・F・ドケチという人物です。』


「思ってたのと違う上にアはどこから出てきたの!?」


  『それはさておき』


「置いちゃうんだ……。」


  『早速魔物の登場です。』


「下水道なのに居るの?」


  『はい、丸くて黒くてつるっとしたのが。』


「………ゴリラ?」


  『いえ、虫です。』


「………やだー!私、おうち帰るー!!」


  『おばあちゃん、おうち持ってないでしょ!?』


「やだやだやだ!Gとついてもゴリラは許容出来ても

 ゴキブリは無理!生理的に無理!」


  『何を言っているのですか?

   丸くて黒くてつるっとしたのがゴキブリだとは

   言っていないではないですか……。』


「え?じゃあ何が居るのさ………。」


  『サヴェージ・ウッドライス。

   汚水のダンゴムシと言う虫系魔物です。』


「………どっちもやだぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 そして丸くて黒くてつるっとしたそれは

 私の進路を塞ぐ様に現れたのです。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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