表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第4章 ホーレルヒ王国編
39/178

第39話 G、新たな力を知る。

「ぬぐぉぉぉぉおおおおおおお!!」


 途端、光のようなものがラスティ(錆びた)シールドに刺さる様に当たった。

 私諸共、押し出すような強い力がラスティ(錆びた)シールドへと掛かり

 すぐさま両腕でラスティ(錆びた)シールドを支えつつ、懸命に踏ん張った。



「重い!超重いんだけど!?

 何これ!?」


  『天属性魔法の流星(シューティングスター)です。』


 ニクジュバンニ曰く、核となる物質を土属性魔法を用いて

 発光を促して飛ばすものが流星(シューティングスター)


 核となる氷の中に風属性魔法を用いて大気等を混ぜ込み

 その周囲を火属性魔法で覆い、熱で氷が溶けた際に

 放出される大気成分の一部が陽の光を反射させて

 発光を促して飛ばすものが彗星(コメット)


 なんて言われてもなんのこっちゃ、としか言い様が無い……。


 天属性魔法は火、土、風、水の四大属性を含め

 そこから派生する全ての属性魔法を収めなければ

 行使する事が出来ない、非常に習得の難しい属性魔法なのだとか。


  『どちらも天属性魔法の上級魔法にあたる難しいものですが

   彗星(コメット)は核となる氷が消えれば魔法効果も消えますが

   流星(シューティングスター)は核が土属性魔法である事から

   核の消滅まで非常に時間が掛かるものです。』


「ええい!言いたい事ははっきりと!!」


  『完全に殺しに来ている上に、これを逸らすと

   周囲にまで被害が及びます!!

   あの砦は恐らくウィンガード王国の辺境砦でしょう。』


「つまり私を見かけ、殺しに来た?」


  『そう推察されます。』


「迷惑な防衛軍だね!!」


 まぁゴリラな見た目の私が遠くて

 きっちりと視認出来なかった、だから誤射したのは

 100歩譲ったとしてだ。


「逸らしたら周囲に被害が出る魔法撃ってくるって

 絶対馬鹿だよね!?」


  『逸らされない自信がある。

   もしくは逸れたとしても構わないかでしょう。』


「どっちにしても迷惑!!」



 逸らされない自信があって撃ってきた。

 だけど今、私にしっかり防御されていると言うのは

 その自信とやらに実力が伴っていないのでは?


 逸らされても構わない、と思っているなら

 ただの考えなしだと思う。



  『そして非常に不味いお知らせです。』


「戦闘中に勿体ぶるな!!」


  『もしマスターがその流星(シューティングスター)

   左及び右に逸らした場合、被害が生まれます。』


「詳しく!!」


  『この先に街を確認。

   距離的にどちらに逸らしても街を通過する事になります。』


「なら上!?」


  『核の質量的に上に逸らした場合

   通過時の影響によって、建築物の倒壊及び崩落が予測されます。』


「なら下!?」


  『大規模な地割が発生します。

   人的被害だけで言えばマスターのみとなります。』


「なら下だよね!!」


 私はラスティ(錆びた)シールドの上面に肩をつけ

 そのまま肩を押すように流星(シューティングスター)

 下方向に押し込むようにした。


「力足りないんだけど!?フルパワーでお願い!!」


  『既にフルパワーです。』


 既にフルパワー……。

 ちょっとこれは非常に不味い……。


 抑え込もうにも、何かこの流星(シューティングスター)

 上に浮き上がろうとしているような感じだ。


 抑え込む為に盾を斜めにした辺りから

 どんどんと浮き上がる力が増してきていて

 それを抑え込もうと、全身の体重をかけて

 力も盾に全力でかけているにも係わらず

 流星(シューティングスター)が抑えきれていない。


 そう感じていた……。


「ぬぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 抑え込みに入っていた私の身体が徐々に浮く感じ。


 その感覚に、逸らしたいけど

 逸らせばこの後ろにあるとかいう町に

 直撃するか、その通過の影響で被害がある……。



「ふんぬらぁばぁぁぁぁ!!」

 私は多分、今真っ赤な顔をしているだろう。

 何かがブチ切れた感覚がある。


 多分この後、筋肉痛とか起きそうな。

 アドレナリンでもドバドバ出ているのかもしれない。

 そんな感じに浮きそうな身体を

 無理矢理押し込め、抑え込んでいく。


 そして流星(シューティングスター)がそれを知ったかのように

 さらに勢いを増した。



「あああああ!絶対言いたくない!!」


  『それを口にした瞬間、こういう力はふと消えますからね。』


「っていうかあんた冷静だね!?」


  『冷静である事こそが私にとっての重要性です。』


「じゃあこれを何とかする方法!プリーズ!」


  『了解です、ベーシックフォームから

   アームドフォームへと移行します。』


「は?」


 ニクジュバンニの言葉に、私の両腕がメキメキと音を立て

 肥大化すると同時に、パキパキと腕の周囲を

 硬そうなものに覆われていき、徐々に大きくなっていった……。


  『アームドフォーム承認。

   ゴリラアーマーアームドフォーム、具現化(マテリアライズ)!!』


 それは巨大な両腕の外側に、ガントレットのような。

 まるでメカニカルさが感じられる両腕へと変わっていた。


 それだけだと思っていたけど、身体の方にも僅かに

 硬そうな部品のようなものが所々に付いていた。



  『アームドフォーム、フルパワー!』


 ニクジュバンニの言葉に、一気に流星(シューティングスター)

 軽く感じられた……。



「ちょ、何この変身みたいなの!?」


  『急いでください、このアームドフォームは

   3分間しか維持出来ません。』


「3分!?」


 まさかのウ〇トラマン仕様ですか!?


  『アームドフォームは全ての力が標準である

   デフォルトフォームに比べ、約3倍となっております。

   このまま核を砕いてしまうのが宜しいかと。』


 ちょっと、この腕とか部品とか?

 赤が主体なんだけど、だから3倍って事じゃないよね!?



  『切り札を出している真っ最中です。

   下らない事を考えてないで、真面目に対応してください。』


 はい、すんません……。

 私は両腕で支えていたラスティ(錆びた)シールドを

 左腕だけで支えたけど、それでも十分に抑え込める感じがした。



「ゴリラストレートぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


 私は右腕を後ろへと引き、ラスティ(錆びた)シールドと

 入れ替わる様に流星(シューティングスター)へと

 右拳を突き出した。


 突き出した右拳が流星(シューティングスター)へと当たると

 今まで苦労していた筈の核があっという間に膨らんだ。


「はへ?」



  『ああ、そう言えば言い忘れていました。

   流星(シューティングスター)の核を割ると

   火爆球(ボーライド)みたいに爆発して

   核がこの辺りに飛び散るのです。

   よかったですね、被害がマスターだけで。』


「それ早く言おうよ!!

 それ知ってたら真上に飛ばしたよ!?」


  『手遅れです。』


「はぁ……。」


 私の溜息と共に、流星(シューティングスター)の核が

 飛び散るより早く、私は爆発と共に爆風を感じた。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ