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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第3章 サンディング王国編
34/178

第34話 G、ホーレルヒ王国へ。

「通行税は銀貨10枚だ!」

「……………。」


 何この国……。

 小さな国なのに、サンディング王国側の

 国境関を超えるだけで日本円で10万円……?


 冒険者は魔物の討伐などをし、国の安全に必要で

 商人は流通の要でもあるからこそ

 通行税などに関しては基本免除される、と言うのが

 それぞれのギルドで聞いていた話だったのです。


 しかしここホーレルヒ王国は

 商人であろうが冒険者であろうが一律銀貨10枚。


 中に入れば小さな町が4つと王都と名乗っている

 街があるだけで、あとは大量の木々に草むらが見えるだけ。


 まぁ魔物がこの中には居ないらしいので

 冒険者が免除されないのは解る。


 しかし商人が免除されないと言うのは

 些かいただけない。


 まぁその前にこの国は少しおかしいというかなんと言うか。

 私の姿を見て、何も言わない門番など初めて見たよ。


 何しろこのホーレルヒ王国には見た限り

 畑らしいものが見当たらない。


 つまり食料は輸入に頼りっきりと言う事になる。

 なのにそれらを持ち込む商人に

 こんな高い通行税を化したら

 物価がとんでもなく高くなるのでは……。


 しかもサンディング王国のある東側の国境関が

 銀貨10枚、と言うだけで

 無主地であるハリーバードの港町がある

 南側はなんと銀貨30枚も取られるのだとか。


 この国、どうやって成立してるんだろう……。



  『入る前に放っておいたミニゴリラ達の

   情報収集待ちですかね。』


 そだね……。

 それにしても国境の関を超えたらまず橋。

 国境の外壁の内側に大き目の水濠があったのです。


 ただでさえ小さい国なのに、国土を削るような

 真似までしてわざわざ水濠を作るかな……?


 ただでさえ容易に乗り越えられるような

 壁ですら無いのに??


 しかも藻だらけで汚いし

 何より臭い匂いが漂ってきていた。



  『水濠の中に地下通路が存在するようです。

   北、西、東に各2本存在するようです。

   南向きのものはありません。』


 地下通路、ね……。


 あとは木と草むらばかりで

 一応王都と名乗っている場所の

 北東、北西、南東、南西にそれぞれ

 小さな町が存在していて

 5つの町で構成されているのが

 このホーレルヒ王国らしい。



「さて、これはどういう事なのやら……。」


 市場などを覗いても、アブラハムナカの町や

 ホーキテの町と比べても特に代わり映えの無い

 ラインナップ、と言うか価格そのものも

 思った程さがある訳でも無かったのです。


 それと入国してから変な視線を感じる。


  『察しの通りホーレルヒ王国の者が

   マスターを観察しています。』


 ほぅ。


  『そしてそれをミニミニゴリラが観察しています。』


 ちょっと飲んでいたお茶を噴き出しそうになった。

 なんともシュールな絵面を想像したからだ……。


  『ミクロゴリラは小ささを利用して

   現在王都の方を調査中です。

   ミニゴリラは水濠の下にあった地下通路を調査中です。

   またこちらの画像をご覧ください。

   これは入国して街に入るまでにあった

   草むらの一部の映像です。』


 バイザーの上、つまり上唇だけが下がり

 私の目の前に動画が流れ出した。


 つーか、こんな機能あったんだ……。

 で、この葉っぱ何?


  『麻です。』


 麻?市場でよく見かける服に使う……?


  『あれは亜麻です、しかしこれは麻です。』


 違いが解らない……。


  『ヤバ谷園なものが作れるか作れないかの違いです。』


 ヤバたんではなく、ヤバ谷園ですと!?

 へぇ、それで?


  『それが全体の1割、残りがトロロアオイと呼ばれる

   花が植えられていました。

   こちらは製紙の際に使ったり、漢方薬としても利用できます。

   また木の中に雁皮(がんぴ)がありました。

   恐らくこの2つを合わせて製紙を行っている可能性があります。』


 へぇ……それゴブリンと何の関係が?


  『特にありません』


 ないんだ……。


  『この世界でも麻は栽培禁止品です。』


 ほぅ、そんなものがこの国に?


  『あくまでミニゴリラ達の調査が終わるまでの

   世間話です。』


 生憎と私はそういったものに興味は無いんだけどね……。

 さっさとゴブリンの原因を探して、出来れば潰して

 帰りたいんだけどね……。


  『しかしこれは黒としか言いようのない空気です。

   気を引き締めないといけません。』


 ニクジュバンニは今はまだ明確には出来ないけど

 この国のおかしな空気というか、雰囲気を

 感じ取れているらしい。


 それこそゴブリンが散々湧き出ているとか

 そういう事も含めての黒。


 私のこのゴリラの恰好で動くのも得策ではないと

 私は商業ギルドへと向かい、露店を借りる事にしたのです。


 あくまで商人として来た、という形にし

 商品はバナナのみ。


 ゴリラの叩き売り、じゃなかった。

 バナナの叩き売りをする事にした。


 いや、それより通行税の銀貨10枚を

 取り戻さないと気が済まなかったのです!!



 露店は町に決められた区画が用意されていて

 横幅2メートル、奥行1メートルと商業ギルドで定められている。


 そして1日単位で場所を借りる。

 一番安い場所で銅貨10枚、つまり日本円で1000円で

 バザーの出店がが出来るようなもの。


 露店そのものは簡素に

 無限樽(バレル)の上に木の板を置いて終了。

 あとはバナナを並べるだけ……。


 すると何故かファンファーレが聞こえた。



  【ゴリラ武器(ウェポン)「バナナ売りのハリセン」が顕現されました。】



「最早『ラ』も『ナ』も係ってない……。」


  『戦後のバナナの叩き売りと言えばハリセンだからでは無いでしょうか。』


「あー、寅さんも持ってたっけ?

 ……………でも武器だよね?」


  『はい、どうやらダメージは1で固定されているようです。』


「サボテンダ〇の針1本?」


  『但し100パーセント気絶(スタン)が掛かるようです。』


「おおっ!それって凄いの!?」


  『但し1秒で目覚めるようです。』


「まるでゴミのようだ……。」


 まぁ、3つ目の武器だけど

 どうしてこうゴリラ武器とやらは極端なんだろうか。

 ゴリラグナロクはどうやら目に見える地平線まで

 切る事が出来るそうで、私の身長と目の位置から

 大体約4キロ先まで切れるらしい。


 バナナックルは芯で殴らないとなんでも滑る。


 そして3つ目のハリセンは

 固定ダメージ1、100パーセント気絶。

 但し気絶時間1秒ときたもんだ……。



  『霊長類最強雌(メス)は武器など無くとも

   大丈夫だというべきではないでしょうか?』


「霊長類最強女子みたいな言い方辞めてもらえる?」


  『野獣の方がお好みでしたか?

   それとも野猿とか、野獣先輩?』


「せめて性別だけは一緒にしてくれないかな?」


  『私もメスですが何か?』


「……………マジデッ!?」


 全く気にしてなかったけど、初めて知ったよ……。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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