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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第3章 サンディング王国編
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第28話 G、冒険者活動に勤しむ。

「あ、これ失効していますね。」


「ほぇあ!?」


「良くあるんですよね、Fランクの冒険者登録の有効期限を

 忘れる方って……。」


「うぐっ……。」


 ハリーバードの港町とアブラハムナカの町を繋ぐ道を作りつつ

 2つの町で商人として活動していた私は

 冒険者としての活動をすっかり忘れていたのです……。


 Fランク冒険者登録の有効期限、1ヶ月。


 ただ再度登録費を払えば良いだけなのですが

 銀貨1枚、日本円で1万円と中々なお値段の為

 私的には財布にクリティカルヒットを喰らった気分でした。


 ちなみにこの世界は1ヶ月が30日で

 13か月制なのだとか。


 1月から12月までが全て30日で

 13月に当たる部分を新月と呼ぶのだとか。


 この新月がいわゆる年末年始にあたり

 新月は基本5日間だけ、4年に1度だけ6日間と

 閏年のようなものまであって、地球に限りなく似ていたのです。



「はい、リラさん。

 再登録しましたけど、せめて月に何度かは

 依頼をキチンと受けてくださいね?」


「ふぁい……。」


 すみません、道を作る事ばかりに気がいっていて

 まさかこちらの活動を忘れるとは……。


 ただオークとオーガはちゃんと貰いに来たんですよ。

 火属性のオーガと水属性のオーガは

 かなり珍しいそうで、高く買ってもらいましたし?


 そしてお財布もほくほく。

 市場で買い物もしてゴリラコンテナには

 お肉もお魚もお野菜も果物も!!



  『はい、解りましたから依頼しましょうね?』


「ふぁい……。」


 正直に言えば冒険者とかしたい訳でもないんだけど

 なった方が解体所の解体費が安くなるので

 なっているようなものであって

 あまりやりたい訳でも無いのだけど……。


  『Aランクになれば失効しなくなるのでは?』


「それだ!」


 Fランクが1ヶ月、Eランクが2ヶ月、Dランクが3ヶ月

 Cランクが半年、ときてBランクになると1年。

 Aランクまで上がると失効する事が無くなる。


 ならAランクになれば良いじゃない!



「なんて思っていた時期もありました……。」


 Dランクになるには昇級試験。

 Bランクになるにも昇級試験。

 Aランクになるとか数年先の話な訳で

 地道に依頼をこなす事にしたのです。


「って思ったけどFランクが出来る依頼って

 薬草採取くらいしかないんだけど……。」


「仕方ありません、この辺りの魔物は強いので

 殆どがBランク以上の依頼ですし

 護衛依頼はDランクからとなりますので……。

 ここから北東に進んだホーキテの町の近くは

 どちらかと言えば弱い魔物も居ますので

 そちらに行かれてはいかがでしょうか?」


 と、言う冒険者ギルドの職員さんのお勧めで

 私はホーキテの町とやらへ移動する事に。


 同じサンディング王国の町で

 このアブラハムナカの町よりは小さいものの

 特にゴブリン被害が酷い地域なのだとか。



「ほぅ、食べるとこなし素材無しの

 超誰も倒したがらないゴブリンか……。」


  『だからお勧めするのでしょう。』


「だろうね。」


 最初に遭遇した魔物でもあり

 良いとこなしのゴブリン退治。


 しかしランクを上げるのであれば

 お金にならなくとも倒さないとならないとなれば

 戦うしかないのか……。


 あまり気乗りはしないけど、ホーキテの町とやらまで

 ナックルウォーキングで走る事、一昼夜。



「これがキホーテの町、ねぇ……。」


 確かに小さいけど、どちらかと言うと

 寂れている気が………。


 そしてまた新たな町である事から

 発生する、門での魔物騒ぎ……。


 流石に登録証を見せながらゆっくり近づいていくと

 魔物では無いと判断されたものの

 街中では子供に泣かれるし、散々だった。


 まずは冒険者ギルドへと思い行くと

 ここも何か人が少ない。



「人は少ないのに、依頼だけは大量にある……。」


「ああ、ここは初級冒険者の町って呼ばれてるからな……。」


 近くに居た冒険者の方が教えてくれた。

 丁度護衛で立ち寄っている最中のDランクの方で

 なんでもこのキホーテの町は

 冒険者は初心者は来ても、Dランクになった途端

 アブラハムナカの町に移動してしまうのだとか。


 そしてその理由がゴブリンの多さなのだとか。

 ゴブリンは素材にならないし、食べられない。

 お金にならないけど、アブラハムナカの町には

 殆ど初級冒険者用の依頼ばかりで

 かつ大半がゴブリンの討伐ばかりで稼ぎにならない。


 だから稼げるようになるとさっさと居なくなるから

 初級冒険者の町、なんだとか。


「世知辛い理由……。」


 しかもここ数年、ゴブリンの数はどんどんと

 増えているらしいのに、その原因究明が

 出来ていない、と言うのもあるのだとか。


「高ランク向けのものもあるが、それもゴブリンの増えた

 原因調査などで、依頼料も非常に安い。

 だから誰も調査に行かないし、解決もしないんだよな……。」


 その原因調査の依頼が書かれた紙を見ると

 確かにこれは誰も行きたくなくなる。


 複数のゴブリンの耳を討伐証明に持ってきた方が

 まだお金になる、驚きの安さと言って良かった。


「ほぅ、これはこれは……。」

 ゴブリンが多いのならあるのでは?と思って探した依頼が

 ゴブリンを倒す事だけを目的とした依頼だ。


 あるにはあった。


 但し討伐証明部位となる右耳1つで

 他の町なら銅貨5枚、日本円で500円くらいになるものが

 ここでは銅貨1枚、つまり1匹倒して100円………。


「つまり数で稼ぐ以外無いと……。」


「な、やる気でねぇだろ?」


 まぁ普通ならそうかもしれない。

 だけどよくよく考えれば1匹倒して100円。

 100匹倒せば1万円って事。


「意外と数倒せるなら儲かる?」


 そう考え、私は職員さんに主なゴブリンの生息地などを

 簡易地図で教えてもらい、そこへと移動した。



「さぁ、乱獲よー!!」


  『力入れ過ぎて右耳まで破壊しないでくださいね?』


 ニクジュバンニの助言っぽいものはさておき

 私は森を駆け、ゴブリンを見つけては次々と掴んでは

 地面へと押し付け、そのままゴリラコンテナに収納。


 それをどんどんと繰り返していった。


「何か無双系のゲームやってるみたい……。」


 まぁゴブリンがうじゃうじゃと居て

 薙ぐような武器でもあれば、数十匹単位で

 吹き飛ばせそうな、そんな状況に

 私のテンションは異様に上がっていたけど

 とあるタイミングで冷静になった。


「なんでこんな居るのかな………。」


 いくらゴブリンが多い、とは聞いていたけど

 それにしては多すぎる。


 ニクジュバンニに討伐数を確認すると

 まだ夕方になる訳でも無いのに4桁を超えていた。


「これだけ居たら集団暴走の1つや2つ位

 あってもおかしくない規模だよね……。」


  『ゴブリンで集団暴走は難しいでしょう。』


 集団暴走、スタンピードとも呼べる現象は

 なんでも大抵は強大な強さを持った魔物が現れる事などによって

 それより弱い魔物が一斉に逃げ出す事で

 ゴブリンは性格的に集団になった際に

 他の魔物とは違う行動を取る事の方が多いらしく

 もしスタンピードの最初にゴブリンが居たとしても

 途中から方向を突然変えてしまうのだとか。


「つまりゴブリンだけでは成立しない?」


  『しません、それでも数だけは多すぎます。

   この地に何かしらの問題がある事は明白です。』


 原因がある以上、この地でゴブリンが増え続け

 何時まで経過しても改善される事は無い。


 ニクジュバンニはそう判断した事で

 私は暫くキホーテの町に滞在し、ゴブリンを減らしつつ

 その原因を依頼としてではなく探る事としたのです。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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