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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第3章 サンディング王国編
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第20話 G、新たな街へと出向く。

「そういえばそんな事言ってたのを忘れてたね……。」


 創造神様が確かに


   『お部屋のグッズ類やハードディスクのデータを

   換金消滅させる、と言うのではいかがでしょうか?』


 なんて事をすっかり忘れていたのです。

 一瞬、完全消滅かと思いきや「換金」消滅と言う

 妙に聞き慣れないワード。


  『K-B〇〇KSとS〇fmapで売ったそうです。

   マスターの趣味のものの多くは

   新たな持ち主の下、概ね大切に扱われているそうです。』


「売り先のチョイスに何か闇深いものを感じるんだけど……。」


 無一文だと思っていた私にとって多少なりとも

 路銀の類があった事によって

 少し早く事が進められそうな気がしてきた。



 ホッコイさんにはこの辺りの地理について聞いたけど

 距離などから、ニクジュバンニが出した答えは

 ホーレルヒ王国の面積はモナコ公国くらいらしい。


 ありがちな東京ドーム換算にすれば約43個分、と言われても

 大半が「解らない」とか「ヘクタール換算しろ!」とか

 某貴族が騒いだりする訳ですが、もう少し解りやすくすると

 東京デ〇ズニ〇ランドとシーを合わせた2倍程度。


 もしくは皇居1つ分。


 国1つの外周をグルリと回ってもが大凡6キロ程度。

 何故こんな小国が、このハリーバードの港町を封鎖出来ているか。

 それはやはり地形が決め手だった。


 ハリーバードの港町の入口となりそうな場所は

 切り立った崖の下にあり、長い年月を掛けて

 垂直な崖にスイッチバックするような登山電車が走るような

 馬車が1台何とか通れ、折り返し部分でしか

 すれ違えない様な道1本しか存在しない為だった。


 それ以外はどこもかしこも垂直な崖がかなり遠くまで続いているそうで

 半ば陸の孤島と化している事、そして唯一の道の先までが

 ホーレルヒ王国が占領している、国土と名乗っている場所で

 坂を上りきった場所には砦が作られていて、そこがいわゆる関所として

 税を取っている場所なのだそうだ。



「つまり、この崖を登れば税を払う必要性無くない?」


  『マスターの考えなしをもう少し考慮すべきでした……。

   まぁ間違ってはいません。

   この世界にはほぼ全ての国が採用している世界法。

   それと別に存在する各国の法の2つが存在しています。

   世界法では今回のような件について抵触する法は無く

   ホーレルヒ王国法においても問題ないようです。

   むしろ(ざる)な法律だと言っても差し支えありません。』


「まぁ、町の人達には無理でも私なら登れるかなと……。」


  『そうですね。実際のゴリラには無理があっても

   浜松や青森のゴリラであれば登りますから。』


「何、その地方限定的な……。」


  『しかしこの崖を登るといっても掴む場所が

   思った程無いと思われます。』


「いやぁ、こういう時こそこれでしょ。」


 私は崖に拳を叩き込み、穴を作りながら上へ上へと

 腕の力を主体に登っていった。



  『流石です、マスター。

   脳筋ならではの方法で登っていくなど

   私には考えが及びませんでした。』


「あんた、絶対馬鹿にしてるよね……。」


 登りきると、そこには何やら高い壁があった。


  『ホーレルヒ王国が作った壁でしょう。

   壊すと問題になると思われます。』


「そんくらいは解るよ……。」


 折角、崖を登ってきたのに

 ここで器物損壊だのと言われては意味がない。


「これを飛び越える以外の方法で何とかする方法。

 あったりしない?」


  『あります。2キロも東に進めばホーレルヒ王国から

   サンディング王国と言う国になるようです。』


「ならそこまで進んで、サンディング王国とやらに

 行きますかね……。」


 一時的な効果しか得られないとは言え

 私が商業ギルドで商人となり、ハリーバードの港町で

 物を売ったり、逆に購入して他所で売る分には

 ホーレルヒ王国の関を通りさえしなければ問題は無い。


 安易な考え方かもしれないけど、それがバナナ以外のものを

 食べさせてもらい、一晩の宿をいただいた

 御礼になるのであれば、と考えた。



  『どちらかと言うと肉が食べたいだけですよね?』


「うぐっ……。」


 まぁ、それもある。

 解体出来ない、と言われれば

 出来る所にいくしかない訳でして。


「昨日の魚は美味しかったけど………。

 お肉も食べたいじゃない!!」


  『こうして欲望はどんどん増えていくのです。』


「全部、食欲だよね!?」





 サンディング王国とホーレルヒ王国。

 それとハリーバードの港町の3つの境になると

 そこからはホーレルヒ王国の壁も存在する事無く

 海沿いの崖っぷちをひたすらナックルウォーキングで進むと

 1つの町らしきものが見えてきた。



「あと服も買いたいよね……。

 毎度毎度このゴリラ姿で驚かすと言うのも

 宜しくないと思うし?」


  『止めてください。

   安全性を考慮して、出来る限り

   ゴリラアーマーは着たままでお願いします。』


「ぐぅ……。」


 結局、町へと徐々にゆっくり進むも

 遠目から、既に警戒されているのが解る……。



  『中々な防備ですね。

   門の前には槍持ちの衛兵に、町の外壁上には

   魔導銃でしょうか。

   旧式なので、弾込めが大変そうですけど。』


「まぁ………、もはや付き物として諦めるか……。」





 それもキチンと「止まれ」とか言ってくれるならまだ良かった。

 それが町から聞こえた第一声が「てぇー!」と言う声だから

 堪ったものでは無かったのです。


「ちょっ、ちょ!?ちょう!!!!」


 私はすぐに無限鋼鉄製(バレル)を出して裏に隠れた。

 ニクジュバンニ曰く、撃ってきているものは

 魔導銃、と言うもので火薬の変わりに

 魔力を爆発させ、それによって弾を飛ばす銃器だとか。


 但し昔の銃に近いもので、1発撃ったら

 弾を込めなければならず連射は出来ないのだとか。


「だからといって当たったら痛いよね?」


  『現状のまま当たれば鳩尾にボクサーに殴られた程度の

   痛みは発生すると思われます。』


「超撃たれたくないんだけど!?」


  『フルパワーにすればデコピン程度まで

   軽減させる事は可能です。』


「フルパワーでおねしゃす……。」


 ニクジュバンニにゴリラアーマーの制限を解除してもらい

 鋼鉄製(バレル)を抱えたまま

 ゆっくりと町に近寄っていった。





「副隊長!どんどんと接近してきています!!」


「怯むな!槍を持って突っ込め!!」


「「「え?」」」


「当たり前だろうが!魔物が近寄ってきているのだ!

 衛兵が命を懸けてそれを止める!

 当然の事であろうが!!」


「ふ……副隊長はどちらに……?」


「私は最後の砦だ!一番槍は貴様らにくれてやるから

 さっさと突っ込むのだ!!」





「何か誰が犠牲になるか、みたいな

 会話に聞こえるんだけど?」


  『フルパワーですし、面倒なので

   一気に距離を詰めた方が早くないですか?』


「そんな気がするね……。」


 鋼鉄製(バレル)を収納し、ナックルウォーキングで

 一気に門前にまで距離を詰め、槍を捌けるだけ捌き

 顔が良く見えるように、門を護っている衛兵さんを

 睨みつけた。



「ふっ、副隊長!!……魔物ではなく人間です!!

 ……………あれ、副隊長!?」


「あー、もしかしてあの背中見せて逃げてる人?」


 私が指摘すると、間違いは無いようだった。


「っていうか顔が見えるようにゆっくりと

 近づいてきたつもりなんだけど、何で撃つかね……。」


 まぁ顔の位置も悪いけどさ……。

 どこにバイザーがゴリラの口になっていると

 思う人が居るかって話でもあるんだけど

 これでも出来る限り刺激しないように

 ゆっくりと距離を詰め、顔を見えるように

 少し上向きに歩いてきたつもりだった。


 だけど結果としては………。


「ちょ、なんでさ!?」


 私はその後、何故か牢に入れられる事となったのです。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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