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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第1章 導入編
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第2話 G、異世界に降り立つ。


「はぁ……。」


  『溜息は幸せが逃げると言いますが、実は副交感神経を促すには良く

   美容や健康には良いらしいですよ?』


「あんたのその雑学はどうでもいい……。

 っていうかこの外見とかどうにかならないものかね……。」


 私は剣と魔法のファンタジーな世界とやらに居る。

 但し外見は完全なゴリラだった。


  『身体は創造神様がお創りになられたので人間そのものです。

   しかしそのままではマスターには戦う力1つありませんので

   そこを危惧したゴリラの神様が1針1針丁寧に縫って

   創ってくださったゴリラアーマーが無ければ

   この世界では生きていく力が無いに等しいのです。』


 私はこのゴリラの外見そのままなゴリラアーマーを着る事を

 余儀なくされたのです……。


  『しかしゴリラの神様も無計画な訳ではありません!

   バイザーを開ける事で2割程ゴリラアーマーの能力が落ちますが

   人間として活動する事も出来るのです!!』


「それは感謝したいところだけど、何故バイザーが口なのかな?」


 ゴリラの口が上下に開くと、私の顔が出てくる。

 これによって、まぁ着ぐるみ?となんとか言い訳が出来そうだけど……。


「丸飲みされた人にも見えなくも無いんだけど?

 せめてヘルメット型とか……。」


  『仕方ありません、緊急時に素早くバイザーを閉める事を

   鑑みた際、この形状がベストだと判断されたからです。』


「さいですか……。」


 さらにはこのゴリラアーマーはこの五月蠅い支援システムとやらが

 ついてきていて、先程からベラベラと口煩い訳でして……。



  『G=Gorilla

   O=Origin

   R=Reliable

   I=Ingenious

   L=Lasting

   L=Legendary

   A=Aid―system

   敬愛と尊敬を籠めてニクジュバンニとお呼びください。』



「あんた私を殺した犯人だよね……?」


 その支援システムとやらが

 バナナのポイ捨てをした事で、私が足を滑らせ

 さらに追いバナナをしてくれた事で私が死んだ原因である

 ゴリラの神様の眷属とやらのニクジュバンニとやら。


 それがこのゴリラアーマーに宿っているのだとか。


  『なんていうかー、反省と贖罪をこめてー?

   とかいう訳の解んない事言われてー?

   っていうかー、動物園のゴリラもわざわざ

   ゴミ箱にバナナの皮捨てないって言うかー?』


「殺意しか芽生えないから黙っててくれる?」


 とにかく私は異世界の地に足をつけた訳ですが

 目的としては合計120個の邪神の身体を破壊する事、ではあるものの

 実際、大問題となるのは1800年後。

 しかも1つ壊すだけで100年は復活が伸びると言うのだから

 思った程急務でも無い訳で……。



「で、このゴリラアーマーとやらを着ていると何が出来るの?」


  『ゴリラそのもの及び、模したものに類する力が行使出来ます。』


「例とかは無いの?」


  『魔力を消費して、ほぼ無限にバナナが出せます。』


「………他には?」


  『魔力を消費して、ほぼ無限にバナナの皮が出せます。

   主に追いかけてくる敵を滑らせる目的で設置出来ます。』


「………他には?」


  『魔力を消費して、愛情表現及び面白半分で

   ほぼ無限に糞を出して、投げつける事が出来ます。

   あと非常食として食べられます。』


「どれもこれも戦いに殆ど役立たない気しかしないんだけど!?」


 とりあえず食糞の話を広げたいとは思わないので

 突っ込まない事にした。


  『そもそもゴリラですから。ゴリラの神様がお創りになられた事で

   神器である以上、決して破損する事が無いのが最大の売りです!』


「それで私、ここで生きていけるのかな……。」


  『はい、ゴリラの腕力に握力などを鑑みれば

   マスターがそのまま生きていくよりは格段に生存率が上がります。』


「ま……魔法は……?」


  『ゴリラ魔法(マギウス)の事でしょうか。

   現時点ではゴリラ言語理解魔法、ゴリラ鑑定魔法、ゴリラコンテナ(収納)魔法の

   3つが使用可能です。』


 何か違う、思ったのと違う。

 そう私が後悔しても、もう遅かったのです。


 既に地上に降り立っている私には

 これ以上の改変などは行えないのだとか。

 但し神器、と言うだけあって何もこれで全てでは無いのだとか。


  『技能(スキル)魔法(マギウス)能力(アビリティ)には

   全てレベルが存在しています。』


「おおっ!何かRPGっぽい!!

 経験値を詰んでレベルを上げれば強化されたり

 新しいものを覚えられると!?」


  『いえ、どちらかと言うと

   ひらめきとランクアップシステムです。』


「ロマンシングな佐賀の方!?

 なのにランクじゃなくてレベル!?!?」


  『レベルアップシステムなど、後半に行けば行くほど

   必要経験値が酷い事になるからです。』


「ひらめく確率にもよるよね?」


  『少なくとも天文学的数値です。』


「あ、これ駄目なやつだ……。」


 光年数とかだろうから、恐らくそこまでいくと

 那由他なゆたとか不可思議ふかしぎとか

 無量大数むりょうたいすう分の1とか言う、訳の解らない世界だ。



  『チートな力がそう簡単にひらめけるなら

   ご都合主義だと言われますよ?』


「私、チートな能力と引き換えに来たんだけど……?」


  『現状が十分チートであるのだとご理解ください。

   こんな優秀なナビゲーターが支援しているのですよ?』


「自ら優秀だと言うとか危険性しか感じられないんだけど……。」


  『そんな事はありません!今から私の力をお見せしましょう!!』


 などとニクジュバンニは申してから30分……。

 私が「まーだー?」と聞くと『気が散るのでお静かに』と

 返ってくるだけで、何をしているかすら解らなかった。


 そして1時間が経過した時でした。

 ふとファンファーレのようなものが聞こえてきたのです。


  【ゴリラアーマーがゴリラ能力(アビリティ)「無限(バレル)」をひらめきました】


  『どうですか!』


「うん……、何か思ってたのと違う……。」


 これから私は誰かをからかう為に工事中のビルに向かい

 上から延々と樽を転がし続けさせられるのだろうか……。


 この世界で生きていけるか非常に不安になった。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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