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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
最終章 決戦編
178/178

第178話 エピローグ

「ねぇ、匠。本当に覚えてないの?」


「途中までは覚えてるんだけどなぁ……。」


 ガングレリが消え、リラが消え。

 24時間の滞在期間を終え、学園の階段の登場人物たちは

 自らが住む地球に戻ってきていた。


呼野(うんの)(たくみ)、調べてみたけどかなり引っ掛かる経歴だね……。」


「なんだ幸一、調べたのか?」


「ああ、かなり酷い。」


「え?悪い人なの?」


「違う、22歳の時両親が失踪。さらに隣家の同級生も両親が失踪。

 その際、4人の殺害容疑者に浮上している。」


「やっぱり悪い人じゃん!」


「いや、その隣家の同級生と1日図書館で勉強をしていて

 それを図書館員も目撃している事から捜査線上から外されている。」


「へぇ。」


「但しその際、1人の刑事が執拗に追ったみたいでね。

 後々厳重注意されているよ。

 そしてその22年後、44歳の時に元隣家で当時

 賃貸アパートの隣室に住んでいたその同級生が失踪している。

 その時にその同級生の荷物や携帯を所有していた上に

 警察などに知らせなかったとして任意同行の上

 殺人容疑で逮捕拘留、さらに拘留延長の末に不起訴となっている。」


「………何か変だよね。」


「更に両親の失踪の際、執拗に追った刑事が再度担当となり

 かなり執拗に追ったみたいだね。

 それも今度はかなり悪質だ。」


「悪質ってどのくらい?」


「呼野匠はこの逮捕拘留不起訴の流れで失職している。

 その後、彼に対し執拗に追った事で

 就職活動が難儀になっただけではなく

 コンビニのバイトすら1日で解雇されている。

 理由は単純で、雇ったは良いが

 その人物が警察に目をつけられている。

 雇う側としては遠慮したくなるだろう?」


「悪質ね……その刑事はどうしたの?」


「その後、定年を迎えて退職したよ。」


「それで何も無しなの!?」


「いや、定年退職した日に事件を起こした容疑者として

 急浮上し、最後は捕まって無期懲役。

 さらに退職金なども退職日に起こしたという事で

 返納させられているよ。」


「え?」


「この刑事はずっと呼野匠の事を両親と隣家の両親の

 失踪に係わっていると信じていた。

 そして22年後に幼馴染である隣室の同級生が消えた時。

 やはり、と思い付け回したらしい。

 それも本部が無関係だと断定したにも係わらずだ。

 呼野匠は就職も決まらず、貯蓄も尽き

 そして住む場所を失ってホームレスとなった。

 それもこの刑事が原因だが、さらにホームレスとなると

 1つの法律に抵触する事で、彼はさらに異常な行動を取ったんだ。」


「あれか?定住地が無いと駄目とか軽犯罪法だっけ?」


「軽犯罪法第一条の四、生計の途が無いのに、働く能力がありながら職業に

 就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの。

 33ある軽犯罪法のうちで浮浪の罪、と呼ばれるものだ。

 これを悪用し、職質の上無理矢理引っ張って

 呼野匠が配給や炊き出しなどにいけないようにし、そして彼は

 食事も儘ならない状態になった。そして刑事は定年退職の日。

 彼に対し逮捕できなかった事を恨み、そして暴行を加えた後に放置。

 その結果、呼野匠は死んだんだよ。」


「何それ……そんな事が許される筈が……。」


「許されないから捕まったんだ。

 だが、遅すぎた。

 しかし呼野巧には遠縁となる人もおらず

 彼を擁護するような人は誰も現れず

 結果としてそれは半ば黙殺されたんだよ。」


「酷い……。」


「だがこれ少々表に出して良い事では無いのだが……。

 まぁ彼は生きているし、地球に住んでいる。」


「何で?」


「恐らくだが彼は(あつむ)莉良(りら)と同じ異世界に転生した存在だ。

 そしてセッカ、という女性がいたが彼女もそうだ。

 石家せっか種子たねこ、呼野匠が無くなった2年後。

 彼女は放火によって亡くなった。

 それも会社の上司の手によるもので、恨みによる犯行だった。」


「何で皆そういう系統の死に方なのかしら……。」


「伍莉良に至っては階段から落下しての

 死亡だからどうなんだろう……。

 バナナの皮に滑った、というあたりが嫌な予感しかしないが。」


「あのパイセン超ゴリラだったじゃん!

 なのにバナナの皮で滑って死んだの!?」


「ん?ああ、しかも階段の途中で1つ踏み滑って

 さらに階段の下でもう1つ踏んで滑って死んだらしい。

 死因は頭部出血による失血死だ。」


「で、結局匠に乗り移っていたそのタクミって人は

 どんな人だったんだろうね。神殺しとか言ってたけど。」


「そこまでは流石に解らない。

 だが、今出てきた全員があの北城学園の卒業生だ。」


「何それ!?

 もしかして私達までそうなったりするの!?」


「渚嬢、既になっているじゃないか。

 異世界と呼ばれる場所に連れられてはいなくとも

 それに近い能力を持っているじゃないか。」



『ああ、言い忘れていたがその能力はもう無い。

 だからこれからは自力で生きていくんだよ?』


「ん?今なんか聞こえ………ごっ、ゴリラ!?」


 彼らは勝手に北城学園の屋上に集まっていたのだが

 その傍らに小さなゴリラ。

 とても見覚えのあるゴリラが……。


「なんで2頭?」


『2頭?何を………。

 あっ、こら!ニクジュバンニ!また勝手に地上に降りたな!!』


『勝手に降りたな、ではありませんよ!マスター!』


『マスターではない!私は最早この地球の創造神と言う地位をいただいた

 立派な神様であって、決してマスターとか(あつむ)莉良(りら)とかいう

 存在では無いのです!!』


「マジかよ……。」


『それよりたかだかゴリラの神と言う神の一柱が何でこんな場所に居るのかね?

 地上への干渉を私は禁じていないとは言え、勝手に降りちゃダメでしょうが!』


『むしろマスターが創造神と言う私より偉い立場だというのに

 こう勝手に地上に降り立つ方が問題だと思います!』


『何を!このニクジュバンニめが!

 肉襦袢から取ってつけた名前の癖に!』


『今はゴリラの神であって、最早ゴリラの神の眷属である

 ニクジュバンニでは無いのです!

 それこそ創造神の癖に何勝手にゴリラアーマーを持ち出しているのですか!

 地上に神器なんて勝手に持ち出すとか駄目でしょうが!』


『何言ってんの?

 ここはもう私が管理する世界なんだよ?

 私がルール!干渉しようが神器を下ろそうが私の自由!』


『なら私も自由でしょう!』


『違うね、私は創造神だから良いの。

 あんたはゴリラの神、黙ってイケメンゴリラから

 信仰でも受けてなさい!』


「ちょっと待てよ!俺達の力戻してくれよ!

 これじゃ色々出来ねぇじゃねぇか!

 一応これでも助けに行ったじゃねぇか!!」


『嘘だよ、あんた達はキチンと力の使い道解ってるから

 その道を違えない限り、力は没収しないよ。』


「っていうかパイセン、なんで創造神とかになってるんですか!?

 っていうかゴリラ怖いんですけど!!」


 その言葉にゴリラの口がゴキっと開くと

 8人に見覚えがあるあの顔が。

 (あつむ)莉良(りら)の顔があった。



『あー、神様って魂無いんだよね。

 だからさ、私が居られる場所ってここだけだったんだよ。

 で、私がああなったのも前の創造神のせいでもある訳で。

 だから世界神に私が抜擢されたって訳。

 ちなみに邪神は向こうの世界の創造神に戻されたよ。

 消滅する直前に、世界神様が戻したってさ。』


「え?じゃあ創造神様なら色々出来たりするって事?」


『私の役割はこの地球がどうなっていくのか。

 未来永劫見守る事だけだよ。

 あー、部下をイジメてる上司とか?

 そういうのには天罰位は落とすかも?』



『見つけましたよ、創造神様!それとゴリラの神!!』


『やばっ!?光の神!!』

『……………私は創造神様を連れ戻しに……。』

『言い訳無用!光の神は創造神様に対し唯一叱責できる存在なのです!

 それも勝手に地上に降りた挙句にゴリラ・ゴリラして

 さらに地上の人間に姿を見せるなど!

 記憶を消したり、大変なのですよ!?!?』


『いや、そりゃ必要ないよ。

 彼らの記憶の保護は世界神様にお願いして了承を得てるから。』


『本当に?』


『本当本当。』


『ま、良いでしょう。

 今度の創造神様は嘘だけは言わないお人ですから。

 但しそれはそれ、これはこれです。

 少々幽閉して、二度とこのような事が無いようにしましょうか!』


『嫌だぁ!あそこ真っ暗で入りたくないんだけど!』


 この時8人は「なんで知ってるの?」「まさか既に入れられた?」など

 様々な憶測が脳裏を飛びまくるも、気がつけば

 創造神もゴリラの神も、光の神とやらも消えていた。


「ねぇ、力ちゃんと残ってる!?」


「……………あるな。」


「ある、というか少し強くなってないか?」


  『あんたらは弱すぎる、あの世界にいた私よりもね。

   だから強くなりなさい、いざという時の為にね。』


  『創造神様、また何か仕出かしやがりましたか?』


  『やっ、違うんだよ!光の神!これはなんていうか

   助けてもらったとか来てもらったお礼と言うか……。』


  『ちょっと、暫く幽閉されましょうか♪』


  『やっ、ちょ、まっ……たすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』


 そんな声が8人に届くと、皆笑わずにはいられなかった。


 ただ人だった彼女が神様になっていた。


 この地球の創造神に。


 それもどちらかと言えば軽い感じがあって

 神々しいものではなく、どちらかと言えば身近な感じの神様。


 彼女は人では無くなったが、これからも地球の上から。


 多分、色々なものを見ているだけでは飽き足らず。


 多分、首を突っ込んできそうな神様になるのかもしれない。


 それこそコンビニに行く感覚で地上に顕現する。


 自分達の高校の先輩という親近感のある神様の誕生……。

これにてG-form-girlは完結となります。


最後の彼女のゴリラアーマー姿が

最終形態「ゴッドフォーム」だったりします。


終わり方や伏線回収していないもの等

色々あると思うのですが

この終わり方に着地した結果

回収できなかったものがあるのは

少々心残りですが閑話での再回収はしません。


あと樽ビッシュは出オチなので

絶対回収しません。

それを含めた評価・再評価・ブクマを

していただけると次回作の励みになります。


次回作は……年内に始められたらいいなぁ…。

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