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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
最終章 決戦編
175/178

第175話 対 人馬宮のジリス?

「む、レオンがやられたか……。」


「よそ見している暇があるの?」


 最も強いであろう白羊宮(はくようきゅう)のアッシュ。

 それと1対1で戦っていたのはセッカだった。


 リラと同じ異世界転生者であり

 過去の活動については「天神様から始まる異世界軍人譚」を

 読めば、自ずと解る事であろう。


「宣伝禁止!」


「宣伝?」


「なんでもない!こっちの話だよ!!」


「しかし偶然か?

 こうして幼き子供がこうも強いだなどとは。」


「悪いね、人の評価はあてにしない事にしてるんだよね!(アイビー)!」


 セッカの手から蔦が乱れ飛び、アッシュの身体を縛り付けていく。

 それをアッシュが力づくで引き千切り、そして払う。

 そんな戦いが続けられている中で、別の戦いも始まっていた。



「やぁやぁやぁ!我こそは 人馬宮(じんばきゅう)のジリッ!?」


「御託はいらん、俺の拳に散れ。」


「きっ、貴様ら名乗りの最中にっ!?」


「ずりぃぞ拳吾!」


「そうだよ、前衛は3人なんだから。

 君だけが抜け駆けと言うのは宜しくない風潮だよ?」


「む、そうか?」


 人馬宮のジリスと名乗るケンタウロスのような男と対峙したのは

 拳聖の力を持つ臥龍岡(ながおか)拳吾(けんご)

 盗賊王の力を持つ(あずま)康太(こうた)

 そして魔法剣士の力を持つ森屋(もりや)幸一(こういち)の男性3人。


 地球から24時間と言う制限ながら、この異世界へと

 リラに呼ばれる約束をしたかどうか、と言われると怪しいが

 ともあれ彼らはその力になりに来た。



「あの小ささでまさかパイセンだったとはね……。」


「世の中解らないものね、渚。」


「あの……南海?俺も小さいんだけど?」


 中衛を務めるのは

 賢者の力を持つ、一尺八寸(かまつか)(なぎさ)

 狙撃手の力を持つ、猪村(いむら)南海(みなみ)

 そして重盾士の力を持つ、和曽斗(わそと)幸次(こうじ)の3人。


「拳ちゃん!そんな奴さっさとやっつけちゃうです!」


 後衛に位置するのは魔導錬金術士の力を持つ蓼丸(たでまる)(あや)


 そして……。


「匠、彩に何かあったら……解ってるな?」


「何で俺だけ脅されてるんだよ!?」


 召喚獣士の力を持つ、呼野(うんの)(たくみ)の8人。

 彼らは地球の時間の流れで今から5年前。


 この世界から地球へと勇者がダンジョン・コアと呼ばれる

 地下迷宮の核となり現れた際にはリラが圧倒し、自分達は

 碌に戦えなかった事を胸に刻み、これまでの期間。


 それぞれがペアを組み、研鑽に努めてきたのだった。



「ナレーション、俺に喧嘩売ってる?」


 ああ、済まない。

 森屋幸一が婚約者と結婚した為

 呼野匠だけがペアではない。


「やっぱり喧嘩売ってるよね!?どうせ一生孤独だよ!!」


 そんな彼の後ろにはバディ・コボルトとバディ・ケット・シーと呼ばれる

 使い魔達が数珠繋ぎとなり彼の肩を叩いて慰めていた。



「だから貴様ら!我を無視するでない!!」


「五月蠅いわね!!今、彼女の居ない匠を慰めてるところでしょうが!!」


 渚からの言葉が匠にクリティカルヒット!


「そうよ!可愛い可愛いコボルトちゃんとケット・シーちゃんが

 慰めているのが解らないの!?」


 仲魔にすら慰められている事実が匠にクリティカルヒット!


「そうだよ!そんなんだから彼女が居ないんでしょ!!」


 彩の一言が匠とジリスにクリティカルヒット!





「なんだ?こいつ突然、崩れ落ちたぞ?」


「待つんだ、康太。匠も同時に崩れ落ちたぞ?」


「まぁ、気持ちは解らなくもないけどな……。」









  『本当に彼らで良かったのでしょうか?

   何か遭遇した際の学生のノリ、そのままな気がしますけど……。』


「いんじゃない?時間稼ぎにでもなればそれで良いよ……。

 戦力としてはあまり期待してないから。」


 かなり離れた位置に居たリラのほんの僅かな声。

 それを8人の耳に届くと共に、彼らの何かに触れてしまった。



「聞いた?皆。」


「いくら先輩と言えど、期待してないって言わちまうとなぁ……。」


「その評価、覆すのは当然の事として。」


「目にもの見せてやるんじゃああああああああ!!」


「あ、匠がキレた。」


「違うわよ、渚。これは壊れたって言うのよ?」


「そこの馬人間!俺が相手をしてやるぅぅぅぅ!!」


「良い度胸だ、人間よ!我のこのギザギザした心を

 傷付けた恨み、貴様で晴らしてくれる!!」


「それはこっちの台詞だ!

 種馬は種馬らしくしてりゃいいんだよ!」


「誰が種馬だ!」


「うるせぇ!」





  『何か傷の舐め合いをしているようにも見えるのは気のせいでしょうか。』


「やっぱ駄目そうだから期待はしないでおこうか。」





「うおおおお!お前が!お前が全ていけないんだ!」


「五月蠅い!貴様が!貴様が全ていけないんだ!!」


 それは武器を捨てたジリスと匠のステゴロ(すで)勝負。

 素手と素手でのガチの殴り合い。



「「おおおおおおおおおお!!!」」



 2人共非常に良い勝負となっていた。

 だが、一部の読者は忘れてはならない。


 匠は防御力一辺倒な男なので非力だ。

 それにジリスが噛み合っている、と言う事は

 ジリスは力は強く、防御の面に際して言えば非常に脆いと言える。


 だからこそこんな2人の素手での殴り合いは

 釣り合いが取れ、同じレベル同士での戦いと呼ばれる

 絵面のようになっていた。



「これ、横から攻撃したら勝てるんじゃない?」


「おっと、渚君。それだけは駄目だ。」


「そうだ、これは独身同士の独身同士による独身同士の為の戦いだ。」


「待て、奴等とて何も独身で居たくて独身で居る訳ではあるまい。」


「拳ちゃんの言う通りだよ!

 ただ出会いが無かっただけなんだよ!」


「そうかな?匠くんなら選り取りみどりな気がしなくもないんだけど……。」


「匠は奥手だからなぁ……。」


「幼稚園でプロポーズした癖に忘れていた康太(あんた)

 首突っ込んで良い話じゃ無いわよ?」


「おい、どうでも良いけどあの2人殴り合い辞めて

 膝から崩れ落ちて引き分けになってるぞ?」





  『外野も含めて、当面決着がつきそうもありませんね?』


「そうだね、他見ようか……。」


 リラは彼らにほんのごく僅かに期待していた。

 その期待びに応えられるか、と言えば

 まだまだ時間が掛かりそうだった。


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