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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
最終章 決戦編
173/178

第173話 対 獅子宮のレオン。 その1

 開戦、といってもおかしくない状況が広がっていた。


 ガングレリの手の動きに合わせ、この場に居たオラクル騎士団を除いた

 聖騎士達が次々とこの場に現れたからだ。


「まとめて葬り去るのだ!」


「はっ!それを許す程、蔦大隊(アイビー・バタリオン)は甘くはないぞ!

 【百重身(ドッペルゲンガー)】!咲き乱れろ!(アイビー)ぃ!」


 現れた少女の周囲からは蔦の様なものが咲き乱れて

 次々と聖騎士達が捕らえられていく。


 但しそれも万能ではなく、ファイアの魔法で燃え

 そのまま潜り抜ける聖騎士の姿があった。


「甘い!ディオネアムスキプラ(ハエトリグサ)!!」


 これは酷い。

 リアルなパ○クンフラワーみたいなのがすり抜けてきたのに

 齧りついてる……。


 っていうか三平はどこからこんな人達を連れてきたんだか……。


「オラオラぁ!死にてぇ奴はどいつだ!」


 っていうかロボットまで居るんだけど!?


「四式魔導銃、ラージホイール・ツヴァイト!!」


 あああ……何、あのビーム兵器みたいなの!!

 なんかマップ兵器っぽい感じに薙ぎ払ってるんだけど!?



「参式魔導銃スパイラルシューター!」


 銃って言ってるけどどう見てもあれ、ランスだよね!?

 っていうかどう見てもガ〇ラ〇スだよね!!

 巨大モンスターとか倒す時に使うやつでは……。



「三平のやつ、マジでどこから連れてきたのさ……。」


  『別の世界ですね、魔力がキッチリ見えますので

   ここと同じ魔法の存在する世界かと。』


「の、割に地球臭さというかロボット臭がするのはなんだろう……。」


  『1名、転生体です。

   マスターと同じ身体機構を持ち合わせています。

   核心(コア・ハート)は持っていませんが……。』


「エー、同じって事は私も同じ事出来るんじゃ……。」


  『ゴリラロボですか……。』


「違う、そこじゃない。」


  『無理です、彼女の場合は能力を持ち合わせています。

   ゴリラアーマーだけが戦う術なマスターとは大違いです。

   それに甘んじることなく、転生体たる身体を極限まで

   虐めぬいて鍛え上げられているからこそ

   あのような事が出来るだけです。』


「ほほぅ。っていうかこれもう完全に戦争化してるよね?」



 私の眼前に広がるものは、最早私の戦いと言えないものだった。

 ビーム兵器みたいなものが数々飛び交っていて

 聖騎士達はそこに到達する前に次々と倒されている。


 それだけじゃない、オラクル騎士団のあの5人。

 それさえも既に1対1や1対多数の格好になっていたのです。


「ちょっ、私の相手は!?」


  『何を言っているのですか。

   マスターには重要な役割があるでしょうが。』


「ああ……。」









 その頃の聖道(せいどう)十二宮神(じゅうにきゅうじん)の前には

 既に対峙する形の人達が睨み合っていた。



「がはははは!俺の名は獅子宮(ししきゅう)のレオン!

 死にたいのは貴様か!?」


「あ?俺が死ぬ訳無いだろうが。

 死ぬのはてめぇだ、このフサフサ野郎。」


「お前、オークビッツ族だな?

 獣人の王たるこの獅子の獣人たる俺の前に出てこられただけでも

 十分すぎる馬鹿だ。勇猛と無謀は隣り合わせ!」


 レオンは手に持つ大剣を構え、タブロクへと一気に詰め寄った。


「ふん!」


 レオンは途中までは両手で構えていたが

 直前で片手に切り替え、そして1つ打ち合った。


 それによってタブロクは吹き飛ぶも

 空中で体を入れ替え、綺麗に着地した。


「ほぅ、素早さだけが取り柄の割にこれに耐えるか。

 数秒は生き残れそうだな!!」


 さらにレオンはタブロクへと距離を詰め

 次々と大剣を振るっていく、タブロクはそれを自らの2つの短剣で

 受け、そして飛ばされては着地する。


 そんな行動にレオンはまた吹き飛ばし、今度はその着地を狙いにいった。


「死ねぇ!!」


 しかしタブロクはまたも短剣で受け

 そして着地をしようとし、それをレオンが追いかけ切り飛ばす。


 どんどんと戦場から2人は離れていく事となった。



「お前、いつまでそうして逸らしているつもりだ!?

 やはりこう勝とうと言う気概が一切感じられねぇ!!

 こんなつまらん奴を相手しなければならんなど

 退屈にも程があるわ!!」


「あ?お前の実力不足だろう?」


「何?」


「お前は自らが強いと自信があるようだったが

 結果はこんなもんだ。

 強いなら圧倒し、短剣ごと切り裂けば良かっただけの話だろう?

 それが出来ていないんだ、お前の実力不足以外に何がある。」


「はっ!実力不足!?

 お前が小汚い戦い方をしているだけだろうが!」


「違うな、相手の戦い方次第で変わるのであれば

 それを実力とは言わない。

 実力は急激な変化などしない。

 得手不得手で左右される実力など無い。」


「がはははは……………。

 お前、死にてぇようだな?」


「何だ?さっき死ねと切り掛かってきただろうが。

 ならさっきまでのは何だ?

 いいからさっさと死ぬ気で来いよ。

 でないと、お前………死ぬぞ?」


「何を一丁前の事を!

 お前如きが俺に勝てる訳ねぇだろうが!!」


「それだ。生き死にと勝ち負けを同一のものだと考えている限り。

 お前は一生、俺には勝てねぇし殺せねぇよ。」


 そうだ。

 俺は師匠から奥義だけを習った訳でも無い。


 一番時間が掛かったのはこの「流水の動き」だ。

 どんなに相手に力があろうと、その力を流水の動きで逃す。


 その力はただの無駄遣いでしかない。


 その勢いを全て別の場所へと逃がす。

 流れに逆らわない事で自らへのダメージの蓄積を

 可能な限り減らす戦い方。


 こういう力自慢な奴ほど、それに嵌る。


「チッ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラぁ!!」


「やはり実力不足は否めないな。

 たかだかオークビッツ族の俺すら満足に切れない。

 どんなに力があろうと、俺の前には関係ない。」


「獅子が力だけだと思うなよ!?」


「その素早さも俺の前では無意味だ。

 俺より遅いというのに、それを素早さとでも勘違いしたか?」


「このっ、口ばかりが達者なオークが!!」


「なら喋るのを辞め、戦いに集中する事だな。

 お前が問うから答えているだけで

 俺にお前に問う事もなければ喋る必要性すら感じない。」


 そこからは無言の戦いだった。

 レオンが大剣を振るい、タブロクはその威力を逸らす。


 ただそれだけが黙々と行われていく。

 そしてそれは着実にタブロクの思い通りの戦いに進んだ。


 レオンは力を籠め、そして大剣を振るう。


 タブロクはそれを徹底的に逸らす。


 意外と知られていない。


 獅子は思った程生存率そのものは高くない。


 狩りともなれば成功率は2割3割あれば良い方。


 だからこそ獅子は普段を寝て過ごし、体力を温存する。


 そして狩りは静かに潜み、一気に距離を詰め

 そして引き摺り倒し、追い打ちをかけるように攻撃して息の根を止める。


 だからこそ、体力という点において獅子は

 思った程無く、短期戦は得意でも長期戦は得意ではない。


「そうか……お前、俺の体力を削ぐつもりだな?」


「それがどうした。

 それが解った所で今のお前にそれを打破する力は無い。

 いや、元々無いだろう?」


「おいおい、これでも序列でいやぁ5番目だ。

 舐めてもらっちゃ困るな!!」


 レオンが吼えると共に、全身が真っ赤に燃えだした。


「これが太陽を司る、獅子宮の力だ!」


 さらに持っている大剣までもが炎に包まれた。


 その一撃がタブロクへと襲い掛かるのだった。

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