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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第9章 逆海底地下迷宮編
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第161話 G と D10層~ 森林地帯

「やっと大地に足がついた……。」



 あれから9層を突破すると今度は森の中。

 森林地帯、とでも言うべきだろう感じの層に辿り着いたのです。


 ちなみに三平は「水が無いところは嫌や」とか言って

 9層に残ったのでついてきてはいないのだけど

 あそこに残って何があるのだろうか……。



  『我々はゴリラですから、魚類の考える事は解らないものです。』



「私はあくまで類人猿止まりでゴリラじゃないからね?

 それにしても今までとかなり様相の違う場所だね……。」



 森林地帯、と言うのが妥当とは言え

 これまでの砂漠地帯、溶岩地帯、そして海上地帯は

 比較的遠くまで見渡す事が出来たのです。


 しかし木々がそれを阻む上に、日の光があまり届いていない

 薄暗く、どちらかと言えばジメジメしたような感じの場所なのです。



  『マスターは運が良いですね。』



「運が良い?その根拠は??」



 大抵の陸地にある森林には相当奥深くの森に入らなければ

 ここまでジメっとした森と言うのは無いのだとか。


 その上でこういう森にはトレントと呼ばれる

 樹の魔物も存在するけど、それ以上にキノコ類が非常に多いのだとか。


 食用に出来るキノコで、マッシュルームと名の付く系。

 毒キノコだけど、様々な素材に出来るトードストールと名の付く系。

 ここまでが魔物ではない普通のキノコ類なのだそうです。


 茸の魔物を意味するフンギと名の付く系と分かれているのだとか。



「で、運が良いってのは?」



  『ダンジョン(地下迷宮)では生息地域を問わない事が多々あります。』



「……………もしかして世界中に生息するキノコが?」



  『採り放題です、しかもダンジョンは季節などを問わない上に

   一定時間が経過すると同じ場所、とはいきませんが

   魔物のようにリポップします。』



「あー、ネトゲみたいな『再配置(リポップ)』ってやつね……。

 長野生まれの私にとっては中々そそられる内容だね。」



  『この世界にはダイコク・シメジ・マッシュルームと

   呼ばれるキノコが存在します。

   当然、天然ものです。』



Ma()Ji()De()!?

 ダイコクシメジってホンシメジの事じゃん!!」



 香りマツタケ、味シメジと呼ばれる

 シメジはホンシメジやダイコクシメジと呼ばれるのです。


 スーパーとかで売られている

 シメジ、とは大半はブナシメジ。


 ほんの僅かに10数年前から苗床栽培などで

 作られて市場流通もしていてそちらはホンシメジとして

 売られてはいるけど、私個人の主観で言えば

 天然のホンシメジにはやはり叶わないと思っている。


 小さい頃に食べたものだから思い出補正なども

 あるとは思うんだけど

 おじいちゃんの住んでいた坂城町の持ち山に入っては

 ホンシメジやマツタケを採っていたのも懐かしく思える……。


 まぁそれで生の松茸に味噌を塗って

 食べる羽目になった上にそれでお腹壊したんだけどさ……。

 ※(第49話参照)



  『まぁ、マスターは毒キノコを食べたとしても

   死にはしないので大丈夫でしょう。

   さぁ!乱獲しましょう!!』



「流石に鑑定するよ!!」



 思ってもみなかったキノコ狩りに、心躍らせるも

 数分としないうちにそんな暇は無くなったのです……。



「おおおおい!!なんでただのキノコが襲ってくるのさ!?」



  『魔素の影響でキノコも動くのです。

   黙って食べられるキノコなど、まず存在しませんよ?』



 せめてキノコにほっそい腕と脚がついただけならばまだしも

 軸が完全に人の身体で、尚且つどれもこれもムキムキ……。



  『可食出来る場所は首から上だけです。』



「なんでキノコ狩りの体でやってきて数分で

 こんなムキムキマッチョなキノコの首狩りをしないと

 ならないのかね!?」



  『食べられないだけで身体も素材として売れますよ?』



 ならわざわざゴリラ武器を出したり

 ロアーフォームになって首を刎ねる必要性は………。



「身体って特に切れてても問題無いの?」



  『主に切り刻んでお湯で煮て、成分を取り出すだけですから

   問題は無いと思います。』



「ならこれで一刀両断が速そうだね。」



 私が取り出したのはゴリラグナロク。

 一振りで遠くまで切れる、非常に危険なゴリラ武器であり危険物。

 但しここは人が居ない筈のダンジョンだからこそ

 思いっきり触れる筈!


 あ、三平なら切っても問題ないかも?





 そして私はゴリラグナロクを振るい、木もトレントも

 マッシュルームもトードストールもフンギもまとめて切ったのです。



「何か自然破壊している罪悪感が……。」



  『ダンジョン(地下迷宮)ですので問題は無いかと。』



 最初は罪悪感がありつつも、ニクジュバンニがそう言うならと

 次々と森林伐採をしていった結果……。









「なぁ、あんさんやっぱり馬鹿でっしゃろ……。」



 カツオ頭が胴体から切り離された三平に怒られたのです……。



「『水が無いところは嫌や』とか言って9層に残ってたじゃん……。」



 どうやらゴリラグナロクで本当に三平の首を切ったようで

 カツオ頭を脇に抱えている三平、と言う中々シュールな絵面の魚人?に

 正座させられ説教されるという、これまたシュールな絵面が完成したのです。



「いやいや、それでも碌に確認もせずにそんな危なっかしいもん

 振り回すのとは別問題ちゅうてんのやで?」



「そもそもあんた、胴体と頭がお別れしてるのになんで生きてるのさ……。」



 三平曰く、いくらでも頭は生えてくる上に

 いくらでも外れるそうで胴体と頭がお別れしても問題は無いのだとか。


 なら何故、私が怒られているのだろうか……。



「ワイやから生きているだけで、他のもんならとっくに死んどるで?

 それはそれ、これはこれやで?」



「そうかなぁ……。

 っていうか三平位しかここには居ないんだから

 その変態的な褌姿ってだけでも切っても問題なさそうだけど……。」



「ワイが褌一丁なのと、この層が完全に

 さるやまハゲ〇助アワーな状態なのと関係ない気がせんか?」



 さるやまハゲ〇助アワーな状態?と言われても良く解らないけど

 この見通しの良い、木が片っ端から切れた状態の事ですかね……?



「環境破壊は良くないで?」



「あー、そういう事なら別に問題は無いかと……。

 おいで、タルタルーガ。」


 背後に黒い渦が出来て、首がニュっと出てきたタルタルーガは

 目の前の大量に切り倒された木を見て、喜んでいるように見えた。



 タルタルーガが次々と食べていく中、私は重要な木やキノコを

 ニクジュバンニの指示で回収していったのです。



「と、このようにタルタルーガの食料に!」



「環境破壊とそれとは別問題やないか?」


 その直後、三平はタルタルーガに踏みつぶされていた。



  『そもそもダンジョン(地下迷宮)の木などはすぐに生えてきますから

   言うほど環境に問題は無いかと。

   むしろ魔素を消費するのでその分、魔物が増え難くなる程度です。』



「なら大丈夫だね……。」



 何か地面深い所から「んな訳あるかぁ!」なんて声が

 聞こえなくもないけど、特に気にしない事にした。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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