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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第9章 逆海底地下迷宮編
159/178

第159話 G と D7層 海上地帯

「いやぁ、これは参った……。」



 6層のボスだった核心(コア・ハート)持ちの大猩猩を倒し

 上がってきた階段の目の前には水、水、水……。



「っていうか見渡す限りの水だよね!?

 陸地が1つも見えないんだけど!!」



  『正確には見渡す限りの海、です。』



「まぁ全体が一続きで海水なら海だろうけどさ……。

 陸地が一切見当たらないってどういう事だろうね。」



  『元々この逆ダンジョン(地下迷宮)の本来の入口は海底です。

   どちらかと言えば魚人の類が入ってくる事を前提とした

   ボーナス層では無いでしょうか。』



「砂漠に溶岩と進ませる気が全くないとしか思えないのに

 こんな所にボーナス面とか……。」



  『最初からあったらボーナス層にならないですよね……。』



「砂漠で干乾びてるか溶岩の熱で蒸しあがってるかの

 二択な気がするけどなぁ……。」



  『どちらにせよニンジャフォームで進めば

   沈む必要性もありませんよね?』



「それは言えてる。」



 目の前一面が例え海でもニンジャフォームなら沈まない!

 いや、一応は沈もうと思えば沈めるけど

 わざわざ動きが悪くなる海中や海底に行く必要性は無い訳でして。









「ぎゃあああああ!ダツが!ダツがぁぁぁぁぁ!!」



  『ニードルフィッシュと呼ばれる魔物です。

   時速60キロで泳ぎ、海上にまで飛び跳ねてきて

   ただ刺さるだけでなく、回転しながら傷口を抉り進む

   超危険な海の魔物です!』



「サイズも近いし、思いっきりダツじゃん!!」



 ダツとはダツ目ダツ科の魚の事で

 サヨリやサンマやトビウオやメダカが親類縁者なお魚です。

 刺身によし、焼き物、煮つけ、唐揚げ、みそ汁と

 味は美味とは言い難いけど食べられ小骨の多いお魚。

 光に敏感で人体にすら容易に刺さる程の危険極まりないお魚。


 ちなみに刺さった場合は抜かずにそのまま病院へどうぞ。



「ってなのがさっきから大量に突進してきてるんだけど!?」



  『ゴリラアーマーなら刺さらないのですから大丈夫でしょう。』



「ゴリラアーマーが良くても、私は痛いの!!

 っていうかゴリラアーマー、とか大層な名前だけど

 これ厚さたった1センチしか無いんだからね!?

 着ぐるみ並に薄いんだよ!?」



 ゴリラアーマーはあくまでただ壊れないだけで

 私にはしっかりとダメージがある程度通る訳でして……。


 なんて思っているとダツ、じゃなかった。

 ニードルフィッシュが目に!!



「ぎゃあああああ!目が、目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」



  『その位は防いでください、特務機関の大佐では無いのですから。』



「大佐!?そうか、ミニゴリラ!!」


 流石に1人で大量のニードルフィッシュを

 防ぎきるのは難しくてもロボット兵、じゃなかった。

 ミニゴリラ達を大量に出せば、みんなが何とかしてくれる!!



「「「「「「「「「「ウホッ(目が)ウホォォォォォォォ(目がぁぁぁぁぁぁぁ)!!」」」」」」」」」」



お前ら(ミニゴリラ)も!?」



  『目が一番キラキラしているからでは無いでしょうか。』



「一応毛並みも艶々(つやつや)ですけど?」



  『所詮、ゴリラの毛の(つや)など鼻のテカリには

   勝てないものなのですよ……。』


 なんて話しているとダツ、じゃなかった。

 ニードルフィッシュが!!



「ぎゃあああああ!鼻が、鼻がぁぁぁぁぁぁぁ!!」



「「「「「「「「「「ウホッ(鼻が)()、ウホォォォォォォォ(鼻がぁぁぁぁぁぁぁ)!!」」」」」」」」」」



  『顔を塞げば良いのでは?』



「どうやって走るのさ……。

 ナックルウォーキングで走ってさえ、刺されるんだよ!?」



  『メカニカル(機械仕掛)フォームで飛んだらいかがです?』



「まだクールタイム中だよ……。」



 大猩猩戦で使って、未だ12時間のクールタイム中。


 その上、フォームの維持時間は1時間で

 その間しか飛べないと言うのに

 見渡す限りの海でどうしろと……。


 ニンジャフォーム以外になってしまえばこのまま沈むし

 唯一、メカニカル(機械仕掛)フォームが空を飛べるくらいで

 ファイア()フォームやデュプレックス(重複)ブレイズ(火炎)フォームは

 そもそも水に弱いので四大元素の4すくみで言えば

 このような海のど真ん中でなるフォームではないのです……。



  『なら痛みは我慢して、出来る限り避ける以外の

   方法はありませんよね?』



「ですよねー……。」



 しかも陸地が無いから、事実上安全地帯と言うよりは

 休憩する場所すら無い訳でして……。



「無限プール(バレル)!」


 無理矢理陸地に近いものを作ろうとすると

 こういう方法で作るのですが……。



「なぁぁぁぁぁ!?こいつら頭良すぎ!!

 上から降ってくる!!」



 それだけではなく壊れないプール(バレル)に対して

 下からも突き上げるように当たってきて

 休む暇すら与えてもらえなかったのです。









「もうやだ……、これ以上進みたくない……。」



 7層は魚人ならボーナスステージ、と思いきや

 最後はなんとまぁ、15メートルの高さにある梯子を掴んで

 よじ登れ、なんてゴールでミニゴリラに手を繋がせて

 なんとか7層自体はクリアしたものの8層目も全く同じ海の上。

 陸地も見当たらない事から私は7層と8層の間にある

 踊り場のような場所から動きたくなくなっていたのです。



  『どこのスーパーで駄々捏ねてる子供ですか……。』



「あんたは休憩しなくても寝なくても良いだろうけど

 私は眠くなったら寝たいし、休憩もしたいの!!」



  『いつ私が休息も睡眠も無くいられると

   勘違いなされたのですか?』



「え?」



  『私も休息も睡眠も必要なのですよ?

   このゴリラアーマーに宿っているのですから。』



「そうなの?」



  『はい、この海上地帯の真っ最中も私は十全に休息も取りましたし

   途中でグッスリ寝たのですよ?』



「つまり私が不眠不休で7層を進んでいる最中に?」



  『ええ、そりゃあもうガッツリと』



「最悪……、出来れば知りたくなかった事実だよ……。」



  『休憩と言ってもソリティアしかないのですよ?

   まぁ1人遊び用ゲームの総称ですから実際は

   マインスイーパーににフリーセルにクロンダイクに

   上海に数独にお絵描きロジックに麻雀くらいしかありませんよ?』



「意外と多くない!?」



  『あとゴリラの出てくるゲームであればプリインストールされています。』



「最早、休憩とか暇つぶしの領域からはみ出てるよね!?」



  『ゴリラアーマーを着たままでも遊べますよ?』



「マジデっ!?」



  『但しゴリラ〇オンライン限定です。』



「対人じゃん!!」



 オンライン要素しかないので、遊べないと思ったら

 なんとミニゴリラが参加出来ると言うので3頭呼び出してプレイ。


 但し考え方は私と全く一緒な訳で

 結局、泥沼試合が繰り広げられただけだったのです。



「ま、良いか……。

 気分転換にはなったし……。」

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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