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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第9章 逆海底地下迷宮編
157/178

第157話 G と D6層ボス部屋 後編

 メカニカル(機械仕掛)フォームの全エネルギーを放出する

 ゴリラ・ブレスト・キャノンを放ってしまった為に

 私はベーシックフォームへと戻っていたのです。


 そこに黒くなった6本腕の大猩猩がここぞとばかりに

 私との距離を詰め、次々と殴りかかってくるだけならまだ良かった。


 それらがどれもこれも、私の腕の防御を綺麗に避けながら

 次々と入ってくるのがムカつくんだけど!?



「つーか痛いっつーの!」


『ウゴホァッ!!』


 殴り返そうにも速いし、何よりさっきまでと力が段違いに強くなっている。

 ニクジュバンニの事だからフルパワーなんだろうけど

 アバラの辺りに痛みがかなり強く残ってる……。



  『アバラが5本ほど折れています。』



「それ早く言おうよ!?ゴリラ内癒(キュア)!!」



  『良かったですね、もう少しで肺に刺さってましたよ?』



「それ冷静に言う事じゃ無いよね!?

 短時間で決めた方が良さそうだね……。

 ラス(憤怒)フォーム申請!マテリアライズ!!」



  『ラス(憤怒)フォーム承認、マテリアライズ(具現化)!!』



 私に反動があるリスキーなフォームだけど

 この際、贅沢は言っていられない!


 ゴリラの顔が憤怒の表情へと変わり、全ての能力が10倍に跳ね上がる!

 前は意図して扱えなかったけど、今の私なら!!








 ……………何あれ……。

 10倍に跳ね上がったラス(憤怒)フォームになった途端

 大猩猩の顔も憤怒の表情に変わって、さらに素早く。

 そして力も一気に上がっていた……。


 しかもいつのまにか増えていた腕は2本に戻ってるし……。


 まるで鏡に映したかのような感じに

 大猩猩の能力まで一緒に上がった……気がする……。



  『気のせいではありません!

   あれは恐らくミラーリング(同時複製)です!』


 ミラーリング。

 ようは私がフォーム変更すると、同じフォーム変更を

 あの大猩猩もする、と言うかなり稀有な能力(アビリティ)の1つらしい。


 あくまで1対1で戦うのであればこれほど有用なものはないらしい。

 なにしろそのまま複製するのではなく、あくまで上回るように複製するらしく

 欠点は殆ど横並びの複数人と戦うのには向いていない能力だとか。




「ならミニゴリラ!!」


 ミニゴリラは私と同等の能力を持っている。

 但し身体が小さい分だけはどうしても劣るんだけど……。




「ミニゴリラまで!?」


 まさかのミニゴリラすらミラーリング(同時複製)したのか

 大猩猩からも小さな白いゴリラが出てきたのです!


 しかも次々と私のミニゴリラ達がやられている……。

 これを何とかする方法……。



  『駄目です、エレメンタル(四大元素)フォームもですが

   プリミティブ(原始)フォームも許可しませんからね?』



 ケチンボめ……。



  『ケチとかそういう事ではありませんからね!?』



 はいはい。

 さっきから私、ボッコボコにやられている上に

 ここから出られないんだよ?

 ここで出し惜しみとかしてる余裕あるの??

 むしろ今の方が命の危機だよね??



  『エレメンタル(四大元素)フォームもですが

   プリミティブ(原始)フォームもミラーリング(同時複製)されたら

   どうなさるおつもりですか!?』



 いや、だから良いんじゃない……。



  『………まだコントロールが十全に出来ていないから

   それをミラーリング(同時複製)すれば、十全に扱えないと?』



 そりゃそうしか考えられないでしょ……。

 っていうか私は私の安全の為にあんたにゴリラアーマーの全権を

 渡したんじゃないんだからね!?



  『では何の為にでしょう?』



 あのガングレリを殴る為でしょうが!

 あんたゴリラの神様はもういないんだよ!?

 私の心配している暇があったら、そのゴリラの眷属の脳みそ

 フル回転させてさ!今の状況から脱する方法を探しなさいよ!!


 あんたが言ったんでしょ!?1発勝負だって!!

 本番が強いと思ったならやるべきでしょう!!

 やらないで死ぬより、私はやるだけやって叶わなかったってなら

 後悔しないけど、あんたが安全マージン取る為にやりもしないで

 後悔するのだけは嫌だからね!死んでも末代まで祟ってやるからね!!



  『結婚の「け」の字も無いマスターが何を言うかと思えば……………。

   死んでも知りませんからね!?』



 上等!!


 私の言葉に、目の前にフォーム用マニュアルが一気に流れてきたのです。



エレメンタル(四大元素)フォーム申請!マテリアライズ!!」



  『エレメンタル(四大元素)フォーム承認!

   新たなる具現化をここに!クォターニティ(四位一体)マテリアライズ(具現化)!!』



 私は痛みを我慢し、魔力の操作に集中!



「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 私の身体がバチン、何かを弾くような感覚を感じると共に

 ゴリラアーマーの全身が灰色へと変わったのです!



  『エレメンタル(四大元素)フォーム融合率99.999975パーセント!

   何故か成功しています!!』



 何故か、とか一言多いんだよ……。


 そして大猩猩もフォームが……。

 灰色ではなく、少し緑が勝ってる感じがする

 緑っぽい灰色……。


 多分、本当に均等に属性を混ぜ合わせた

 私の失敗時と全く同じ色だ……。


 成功して、解る事だけど実際は4つの属性を等しく混ぜると失敗する。


 理由?

 四大元素の火、水、風、土は色にすると赤、青、緑、黄になるんだって。

 なら色を混ぜた時に赤と青を混ぜると緑になる。

 この緑に黄を混ぜると、今度は灰色になる。


 何故そういう発想に到ったのか?

 ゴリラだからだよ……。

 一番多く振れている属性と言えば土属性。

 駆けて風を受けても、それはナックルウォーキングによるもので

 常に地面とは触れ合っている。


 だから土属性を普段(えん)のない火、水を足した際に風と釣り合わせて

 足した風は土と釣り合わせる。


 1:1:1:1で混ぜるのではなく

 0.25:0.25:0.5:1で混ぜる。

 それがゴリラだから、と混ぜた事で成功したのですよ。


 つか真面目な話、成功するとはちょっとだけ思ってなかったけどさ……。

 シルバーバックが全身に回るようなイメージで

 全てを綺麗な灰色にするようにした事で

 四大元素そのものは釣り合っていないけど

 ゴリラ、としては釣り合った結果が今の私の姿……。


 まぁそもそもニクジュバンニも四大元素を『混ぜ合わせる』とは言っていたけど

 均等に、とは言ってなかったしね……。


 そして均等に混ぜると目の前の大猩猩のように

 緑が強くなって、赤と青で緑、そこに黄で灰色。

 残った風属性の緑で緑っぽい灰色になっている。

 それも私が失敗した時と同じように……。



『グガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』


 恐らく大猩猩には耐えようのない痛みが全身に走っていて

 転げ回れば回る程痛みは強くなり、かといって

 止まっていても痛く、転げ回っては止まりを繰り返しているから

 私と全く同じ状況だと思われる。



「さて、地獄行きの片道切符はもう改札鋏(かいさつばさみ)が入ってるよ?」



『グガォガァッ!?』



 私は右手に火属性の割合をほんの僅か高めた。

 大猩猩の身体が少し緑になっている、と言う事は

 大猩猩の身体は風属性が強く掛かっている事になる。


 四大元素は4すくみ。

 火属性は風属性に強く、風属性は土属性に強く、土属性は水属性に強く、水属性は火属性に強い。

 風属性が強い大猩猩には火属性が有効、と言うのが

 この世界の四大元素の相関関係なのだそうだ。



「だからこそ敢えて言おう!私の拳が真っ赤に燃える!!」



 私の右拳が赤く光り、火が纏わりつく!!



核心(あんた)を掴めと轟き叫ぶ!!」



  『既にオマージュもへったくりもありませんね。』



ああああああああく()ぬぇつぅ()!!」


 拳を開くと、手が核心(コア・ハート)へと導かれていく!

 私の背中からはブースターフレイム(推進炎)が噴き出し

 私が駆けるのを補助してくれている!!


 形?あー…………気にしない事にしよう!!

 あとはこれで狙う場所が〇玉で無かったら

 どんなに気持ちよく決まった事か……。



ゴォォォリラ()クラッシャア(破砕)アアアアアアアアアアアアッ!」



 右手が核心(コア・ハート)へと一気に吸い寄せられるように動き

 そのまま私は核心(コア・ハート)を掴んだ!



クレンチィィィド(握り)フィスト()ッ!」



 右手を完全に握り、核心(コア・ハート)を潰した事で

 大猩猩は動きを止め、そしてサラサラと砂のように崩れていったのです……。



「爆発はしないからね?」



  『サ〇〇〇ズさんに怒られても知りませんからね?』



 残りの核心(コア・ハート) あと88個。

 残りの母なる核心(マザー・コア・ハート) あと11個。

 邪神の復活まであと3900年?

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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