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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第8章 魔導列車編
150/178

第150話 G、飲み込まれる。

「何ですの、このあっけない終わり方は……。」



 私の名前は磨羯宮(まかつきゅう)のカプリ。


 なんでも大猩猩(おおしょうじょう)に似た姿の小娘が

 これまでに双魚宮(そうぎょきゅう)のビスケッティと倒し

 宝瓶宮(ほうべいきゅう)のアクオルスから力を奪ったと聞かされ

 序列10位の私が駆り出される事となり

 わざわざこんな辺鄙な所までやってきてあげたと言うのに……。



「強襲とは言え、地割れ1つに飲み込まれて終わりとか

 あの気持ち悪い女(ビスケッティ)チビガキ(アクオルス)

 何をやっていたのかしら……。

 まぁ、これで私の仕事も終わりだから良いのですけど……。」



 私は作りだした地割れを元の状態へと戻し

 オラクル聖王国へと再び戻っていったのです。









  『……ター………て…だ……。』



「……………。」



  『マスター、起きてください。』



「……………。」



  『マスター!!』



「むにゃ……もうバナナは食べられません……。」



  『なんで夢の中でバナナを食べてるんですか!!』



「……ん?夢……??

 っていうかここどこ……?」





 ニクジュバンニから、私は突然足元に出来た地割れに落ち

 そのまま気を失っていたのだと教えられ

 そういえばそんな事があったね、という感じに

 比較的気楽に考えていたのです。



 いや、だって海溝に落ちた時も水圧に負けずに

 空気だって無い筈なのに、ゴリラコンテナから供給されて

 半ば半永久的に居られる状態だった訳ですから?



  『なんて危機感の薄いマスターなのですかね……。』



「ぬ?何か間違ってた?」



  『マスターが落ちた地割れは落ちた後にすぐ閉じられました。

   恐らく何者かの襲撃であったと思われます。』



「襲撃?」



  『アクオルスにジェスター、それ以外にもオラクル聖王国に

   狙われるだけの理由があるではないですか!!』



「あー、そういえばそうだね。

 で、ここどこ??」


 ニクジュバンニが私の危機感の無さに

 ため息をついてから、今の私の状況を話してくれたのです。


 まず唐突に足元の地面が割れ、私がそのまま落下。

 突然だった事が、足の踏ん張りが聞かなかった事もあったのですが

 それ以上に腕すら届かない位の割れ方だった事もあれば

 まぁゴリラアーマー、と言うだけあって

 空を飛べるわけでも無いのでどうにもならなかったと……。


 しかもニクジュバンニ曰く、本来なら私は閉じた地割れが

 元に戻っていった事で、挟まれて身動きが取れなくなっていたのだとか。



「本来なら?ってか真っ暗だからゴリ(ライト)つけるよ?」


 掌を光らせ、周囲を見渡すとまぁなんとも広い

 地底湖のような場所だったのです。



  『トッペンテット監獄鉱山で遭遇した

   ビューグル族がここまで連れてきてくれたのです。』



「ビューグル族??

 ここオプティロン大陸だよ?

 西オーディン大陸からどれだけ離れていると思ってるのさ……。」



  『彼らはどこにでも現れるのです。

   それに彼らは進みながら土等を後ろに送り

   蓋をしていきます。

   マスターが地面に挟まれ、気を失っている間に

   以前遭遇したビューグル族が丁度通過したのです。

   彼らは最初は驚いていましたが

   見知った姿だった事が幸いだったのか

   ここまで連れてきてくれたのです。』



「ほほぅ、それは御礼をしなければならないね。

 で、そのビューグル族は?」



  『とっくに逃げていきましたよ……。

   以前、ゴリラッパを吹いて逃げられたのを

   覚えていないのですか??

   第87話 Gと(オレンジ)の悪魔。の回ですよ?



「いや、私達は話数とか解らない体だからね!?

 ただ作者が『オレンジの悪魔』って言いたかっただけでしょ!」



  『そう言われると否定出来ませんね。

   まぁ、そうしてビューグル族に助けられはしたのですが

   1つ、問題があります。』



「ほぅ、問題とは?」



  『まずここはオプティロン大陸ではありません。』



「はい?」



  『ここはオプティロン大陸の南東側にある

   エイコーン大陸です。』



「……………いつの間に?」



  『マスターが気を失ってから既に3日間も経過しています。』



「……………ええええええええええええええええ!?

 3日!?3日で大陸移動したの!?!?」



  『驚き処がずれてますね。

   3日も気を失っていた事は気にならないのですか?』



「全く、前に半年も事実上眠ってたからね。」



  『何か普通の人と感覚がずれてますね……。

   ビューグル族は採掘のプロでもありますから。

   穴を掘っては埋め戻しつつも、穴はキッチリカッチリ

   カチカチに固めて戻していきますし

   何より掘る速度も速いのです。

   彼らは1ヶ月もあれば世界一周するくらいの

   勢いで穴を掘りますので大陸の1つや2つ

   移動していてもおかしくはないのです。

   まぁ、普段は1年位かけて移動するものですが

   マスターを助ける為に頑張って移動してくれたのではないでしょうか。』



「なら尚更御礼をしないといけないね……。」



  『多分、二度と遭遇しない事が最大の御礼となると思いますよ?』



「そっか………。

 で、ここはそのエイコーン大陸だという以外に

 解る事は無いの?」



  『いえ、恐らくエイコーン大陸の端にある

   海底ダンジョン(地下迷宮)の最深層だと思われます。』



「やけに明確だね……。」



  『ええ、ググった結果ですがエイコーン大陸の海底ダンジョンには

   伝説級の聖剣が眠っていると言われているそうですが

   入口が海底にある為にこれまで人族は誰も挑んでいない

   未踏破のダンジョンです。』



「人族は挑んでいないけど未踏破?」



  『魚人は海底でも挑めますので。』



「ああ、そういう……。

 ってそこじゃなくてさ、なんでここがその

 海底地下迷宮だって解るのさ。

 地図とか何も無いよね??」



  『ここは最下層に伝説級の聖剣が眠っていると同時に

   逆ダンジョンとしてもそれなりに有名です。』


 なんでも逆ダンジョンとやらは地下に存在していながらも

 本来ならば上から下へと進んでいく所を

 最下層から始まり、そして上へと目指す場所なのだとか。



「ちょっと待った……もしかしてそれって

 踏破しないと出られないとかじゃないの?」



  『その通りです、しかも伝説級の聖剣を抜いて持っていっても

   踏破出来なければ、元の位置に戻ってしまうのです。

   そしてその正剣が目の前にあるのですから

   ここがエイコーン大陸の海底ダンジョンで間違いは無いようです。

   念の為アカシックレコード(世界の記憶)で確認もしましたが

   エイコーン大陸の海底ダンジョンにある聖剣で間違いありません。』



「………目の前、って何も無いよね?」



  『そこに刺さっているではありませんか。』



「?」



 ニクジュバンニは刺さっているという聖剣。

 私には全く見つからないのですが??



  『目の前にあるではありませんか。』



「どこに剣があるのさ……。」



  『もう3メートル程前です。』



 剣?と言うか私には何やら宜しくない

 モザイクみたいなものが見えるんですけど??



「もしかしてこのモザイク状のが聖剣??」



  『もしかしなくてもそうです。

   それがこの海底ダンジョン(地下迷宮)に眠る

   聖剣「俺のエクスカリバー」です。』



「ただのBL(ボーイズラブ)ネタじゃんか!!」



 ただネタはどうあれ、この逆海底ダンジョン(地下迷宮)を踏破しなければ

 出られない、と言う事だけは確かなようです。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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