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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第7章 オプティロン大陸編
132/178

第132話 G、シバタイ国へ。

 シバタイ国、それはちょっと不思議な国

 何しろその国民は全て………。



「きゃあああああ!可愛い!!」



「おい、こら!やめなさい!!」



  『マスター………その辺で辞めた方が……。』



「いや、だって国境関護ってるのが

 二足歩行の柴犬とか可愛くない!?」


「シバイヌがなんだか知らないがやめろ!

 これ以上付き纏うと公務執行妨害で捕縛するぞ!!」


「エー……。」


  『マスター、柴犬ではなくシバタイ族です……。』


 なんでも柴犬のようなフォルムながらも

 直立歩行する犬の獣人の一種、だそうで

 シバタイ国の国民は全てこのシバタイ族なのだとか。




「なんでシバイヌ族とかシバドッグ族じゃなくて

 シバタイ族なのかな?」



  『調べてみましたが、シバは赤褐色の毛色が枯れた柴と言う木に

   体毛が似ている事からのようです。

   そしてタイは「自由」と言う意味を指すようです。

   元々は獣人の国とされるライオネル獣王国に居たようなのですが

   身体の小ささなどから獣人達の中でも

   ランクが低かった事から、ライオネル獣王国を出て

   建国した事からシバタイ族、と現在は呼称していて

   元々はシバケン族と呼ばれていたようです。』



「訓読みじゃなくて音読みかぁ……。」





 そのシバケン、じゃなかった。

 シバタイ族が国境関を超えてから

 いっぱい居るんだよね………。



「嗚呼、ここに永住しようかな……。

 何か癒される気がする……。」



  『この国に住めるのはシバタイ族だけですよ?

   ゴリラに居住権とか認められませんからね??』



「チッ……またゴリラか……。

 せめて人族と言うつもりはないのかね。」



  『微塵も。』



「その清々しいまでの言い切りがあんたらしいよ……。」


 一応住むのはシバタイ族に限られ

 露店以外の店舗を構えての商売なども全てがシバタイ族のみで

 それ以外の種族は基本、宿に泊まったり冒険者活動や

 露店を出す、などであれば一切問題無いのだとか。




 そして国境の町、ヌーイの町には人族も居るけどシバタイ族だらけ。



「お、おおう……ここがモフモフ天国(パラダイス)……。」



  『先程、衛兵には許してもらえましたけど

   勝手に抱き着いたりするとか

   マスターが女性でも普通に事案ですからね?

   冗談抜きで痴女扱いですからね?』



「どこに痴女要素があるのさ……。

 ただこう愛でてたまらなくなって抱き着いただけであって

 フリーハグと同じようなものだよね??」



  『この世界で獣人にとって身体に触れる、と言うのは

   どちらかと言えば性的な意味合いの方が強いですからね?

   先程は絵面が直立歩行の柴犬にゴリラが抱き着いている

   と言った絵面だった事もありますが

   そのライトフォームでやらないでくださいね?

   最悪、逮捕されて牢入の上に犯罪者のレッテルが貼られますよ??』



「そうなの?」



  『よくよく考えてください。

   マスターがシバタイ族の姿だったとして。

   ハァハァ言いながら近づいてきて抱き着くとか

   どう考えても事案ですよね?』



「事案だね、良いロリコンは表立たないロリコンだけ。」



  『やってる事は大差ありませんからね?』



「…………………マジデッ!?」



  『まるで綾小路き〇まろさんの漫談みたいですね……。

   自らの事じゃない「と思いこんでいる」から聞いて笑える、みたいな……。』



「そっか……わい、ロリコンやったんや……。」



  『ロリコンか否か、ではなくやっている事が

   同じだと言っているだけですからね?

   あと口調が変わる位ショックを受ける位なら

   最初からしないでくださいね?』



「そうかぁ……ここは天国でもなんでもなかったんや!

 ここは地獄、我慢を強いられるモフモフ我慢地獄やったんや!!」



  『そろそろこちらの世界に戻って来てくださいね?

   あと口に出してるので先程から変な人扱いされてますよ??』



 まぁ変な人扱いされ続けるのも困るので

 とりあえず市場などを見て回ろう、と思うも……。


 これはまずい……。

 どこもかしこもシバタイ族だらけで

 モフモフ欲求が………。


 なるほど……これが犯罪者が犯罪に走る原因か………。



  『何かマスターが到達してはならない領域に……。』



 トー


    フー



 そして何故かゴリラッパの音が鳴った。



  【ゴリラアーマーがゴリラ能力(アビリティ)「ゴリグラス」をひらめきました】




  『はっ!?マスター!これですこれ!「ゴリグラス」発動!!』




「はっ!?人類、皆ゴリラ!?

 ってシバイタラ族がいつの間にかゴリラに!!」



  『はいはい、おちついてください。

   あとシバタイ族ですからね?』



 ニクジュバンニ曰くゴリグラスは

 触るもの皆、じゃなかった。見た者を全てゴリラに見せてくれる

 不思議なメガネが装着される能力だとか。



「これ役に立たないんじゃ……。」



  『まさに今、一番役立っていると思いますよ?』


 なんでもニクジュバンニが操作して、今私には

 シバタイ族がゴリラに見えるようにしているとか。



  『RGBの0から255で設定するので

   ゴリラっぽい色に設定するのに少々手こずりました。』


 なんでRGB……1670万通りの毛色のゴリラとか

 見たくも無いんだけど??


 とりあえず色も弄れるらしいので、ゴリラっぽくない色にしてもらい

 一応目の前のシバタイ族はゴリラではない、とだけは

 認識させてくれた。


 まぁ確かに今が一番役立っている、というか

 今しか役に立たない能力だとも思う。



「先程までの天国と地獄があっという間に

 ショッキングピンクなゴリラ世界に……。」



  『よいではありませんか。

   シバタイ族を見てハァハァしてモフモフ欲求に苛むくらいなら

   現実的ではなくともゴリラだらけの方が幸せだと思いますよ?』



 それはあんただけでしょうが……。



  『あの、私は普通に普通に見えますからね?

   ゴリラにしか見えていないのはマスターだけです。』



「くっ、なんて羨まけしからん……。

 というかこれを生殺しと言うのではないのかな?」



  『シバタイ族を見て、やましい欲求と衝動に駆られない

   自信があるなら解除しますが?』



 いえ、捕まるのも嫌なのでこのままでオネシャス……。





「いやいや、大変ですよね。

 シバタイ族を見て触りたくなる欲求を抑える。

 その気持ち、良く解ります。」


 まぁそんな事をしていると

 声を掛けられたのですが、ニクジュバンニ曰く

 この声をかけてきたのもシバタイ族だとか。


 こちらのシバタイ族の男性、スコティッシュフォールドさん。

 なんでもこのヌーイの町で少々独創的な宿屋をしているとか。



「何、その非常にそそられる宿屋は……。」



 その名も「おさわり宿屋もふもふ」。


 なんでも特に春を売っている訳ではなく

 モフモフしたい衝動に駆られる方々の為に

 同性のシバタイ族が夜、一緒に添い寝してくれて

 その間、モフモフと言う名のハグが出来る宿屋だそうで

 シバタイ族以外の種族専用宿だとか。


 但し厳格なルールがあって、それを破ると

 屈強なシバタイ族の方々がお部屋に乗り込んでくる為

 部屋に鍵は無く、部屋の前にはその屈強なシバタイ族が

 常に2人、見張りとして立っているのだとか。



「な……なんと素晴らしい宿……。」



  『マスター、絶対高いですよ?』



「でもお高いんでしょう?」


 一般的な宿屋からすれば高級も高級。

 なんと一泊銀貨10枚、日本円なら10万円。


 まぁ貴族が泊まるような宿の値段には驚くしかなかったのです。


 ただシバタイ族を抱っこしたまま寝られるというだけで

 そこには見張り役のシバタイ族の給金なども

 含まれているからだとか。


 しかも常にある程度の部屋が使用されていて

 まぁそれなりに儲かっている、程度の価格なのだとか。



「本来シバタイ族にとって異性の身体に触れるという行為は

 それこそ婚約の申し込みとその承諾行為に当たるのです。

 だからこそ、同性が一緒に添い寝するのです。

 それにですね……。」


「それに?」


「春が買いたいシバタイ族はそういうお店に行きますので……。」


「嗚呼、一応あるんだ……。」


 なんとなく理解は出来た。

 いわゆるいかがわしいお店とは違い

 あくまでモフモフしたい欲求がある方に

 あくまで寝る時だけ添い寝してくれる。


 しかも同性、と言ってもシバタイ族は

 見た目で男か女かなんて解らないんですよね……。


 そしてニクジュバンニがお金の無駄遣いだと止めたけど

 私の精神(こころ)の安寧の為だと

 1泊銀貨10枚を支払い「おさわり宿屋もふもふ」に宿泊。


 一晩、シバタイ族の女の子に抱きついて寝る事で

 私の精神(こころ)は癒されたのでした。


 まぁあと入口の護衛のシバタイ族にもチップを払って

 軽くモフモフさせていただいたのはここだけの話。


 あと2泊はしたい!とか言ったら

 ニクジュバンニがゴリグラスを解除してくれなくなったので

 仕方なくヌーイの町から先へと進む事にしたのです。




「さて、次はどこのヌーイの町を目指そうかね……。」


  『それを戻る、と言うのではないでしょうか。

   一生ゴリグラス使い続けましょうか?』


「それだけはご勘弁願いたい……。」


 見る者全てがゴリラとか、むしろ精神(こころ)まで

 ゴリラに侵されそうなのでUターンは諦めたのです………。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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