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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第7章 オプティロン大陸編
129/178

第129話 準決勝 第2試合 前編

 私はデルトロを場外に放り出して

 Bランク昇級試験の合格をもぎ取りはしたのですが

 ここからがどちらかと言えば本題。


 このまま残った4人によるトーナメントを継続し

 優勝すれば、そのままAランクに昇格出来るのです!


 今日はその為の試合、準決勝なのです!!



「ついに4日目、トーナメント準決勝!

 ここからは合格し、既にBランク昇級を果たした4人による

 優勝、という名のAランク昇格を懸けた戦い!

 その第1試合が先程終了し、本日最終戦となる第2試合!

 本日もおなじみとなりました実況中継は当冒険者ギルド本部

 2階フロアマスター!みんなのチルタフちゃんと!」



「ワレワレハ、チウロイダ!!」


「……………1階フロアマスターのかなり変わった性格の持ち主。

 チウロイの2人でお送りしまーす!

 それでは、選手入場の前に特別試合(エキシビジョン)からのルール変更を

 皆様に再度説明しまーす!」


「ヨクキケ、ミナノモノ!!」


「既にBランク昇級を果たした4人!

 準決勝以降には警告と注意がなくなり

 さらに降参、場外での負けがなくなり

 戦闘不能のみが勝敗条件となります!

 つまりガチの真剣勝負と言う事になります!

 その為にここ修練場には非常に強固な結界(バリア)が張られており

 その中で思い切り戦っていただく事となります!」



 真剣勝負(セメント)

 つまり死んだとしても自己責任。

 戦闘不能、はもし相手を殺したとしてもそれすら戦闘不能。


 だからこそ特別試合(エキシビジョン)であり

 優勝がAランク昇格、という餌がある上に

 何やら副賞まであるとか。


 命が惜しければ試合前に不参加を決める。

 そうでなければ魔法契約書にサインをして参加をする。

 ただ冒険者もそこまで馬鹿なのはいないのだとか。


 どちらもこれから稼ごう、と言う

 上級冒険者となったのだから、ここで引退になるような致命的な怪我を

 負おう、なんて人は居ないらしい。





 大半は……。

 それでも命のやり取りが好きな変わり者も居れば

 この機会を公開殺人の場、と捉える者が

 ごく稀に居たりするとか。





 つか、見た目絶対この人その手の人だよね……。


  『人を見た目で判断するのはよろしくないですよ??』


 いやいやいやいやいや!三平の褌一丁も大概だったけど

 なんでこの人、白装束でさらに額烏帽子(ひたいえぼし)までつけてんの!?


  『額烏帽子?』


 額につけてる三角のあれ!!

 亡くなった人が神様だかに失礼のないように付ける!!


 あと手!

 なんで藁人形に五寸釘!?

 靴も履かないで裸足だし!!

 っていうかどこからどう見ても冒険者じゃ無いよね!?


  『マスターは一度ご自身の姿をご覧になった方が宜しいのでは?

   それこそブーメランと呼ばれるものですよ??』


 それこそあんたが言う事じゃないからね?

 誰も好きでゴリラ姿している訳じゃないんだからさ……。



  『………………ぇぐっ……ひっく……。』


 なんで自分で突っ込んでおいて泣いてるのさ!!

 泣いて良いのは、相手に泣かれる覚悟のあるやつだけだからね!?



 まぁ、とりあえず。

 なんでこの対戦相手、超フレンドリーなんだろう……。



「うわぁ、この服とんでもなくモフモフですね♪」


 見た目と性格のギャップが酷い……。

 なんかずっと話しかけてくるし

 さっきからゴリラアーマー超触りまくってるし……。





「それでは第2試合の選手入場です!

 女性冒険者同士の対戦となりました!

 試験番号19番、逆シードから上がってきたダサコ選手と

 試験番号20番、同じく逆シードから上がってきたリラ選手です!」



 舞台の上には私とダサコさんだけ。

 審判は危険、と言う事で無し。

 2人以外は全員張られている結界(バリア)、とやらの外に。



「それでは審判が舞台上に居ない為、この実況中継担当のチルタフちゃんが

 合図をしたいと思います!」


「カマエ、ハジメ!」


「……………………。」


 チウロイの合図によって、準決勝第2試合は開始された。





「おっと、これは一方的な攻撃で始まりました!

 ダサコ選手、リラ選手を圧倒しています!

 リラ選手は動く事も出来ずにダサコ選手に一方的にやられています!

 準決勝であれば拮抗した戦い、となる事が多いのですが

 1回戦同様、これはあっという間に決着がつくか!!」



「ぐっ………。」


  『完全にやられましたね。』


 このダサコとかいう女。

 やってくれたなぁぁぁぁぁぁ!!


 呪いですと!?

 しかも開始と同時に大量の呪いが私に襲い掛かってきて

 そのまま私は両膝をつく形となり

 微動だに出来ない中、ダサコはあの五寸釘と木槌で

 私を次々と殴り、刺し、さらには組み合わせて

 背中などに五寸釘を木槌で打ちつけたりと

 やりたい放題なのです……。



「あはははははははは!馬鹿よ!真正の馬鹿がここに居るわ!!

 これから戦うって言うのに慣れ合う訳ないでしょうが!!

 全部呪う為のものに決まっているでしょうが!!

 ほらほらほらほらぁ!どんどん呪いが積み重なっていくんだからね!!」



  『マスターは健康持ちだから呪いは効きにくい上に

   短時間で解除される筈なのですが………。

   凄まじい呪いの力ですね。

   1つ1つが精神が弱い者ならば即死してもおかしくないような

   非常に強いものばかり、一撃一撃に籠められています。』


 あー、冷静な解説ありがと……。

 で、支援役としてのコメントは?


  『特にありません、呪いの強さが酷過ぎて

   フォーム変更も無理です。』


 特に無いの!?

 っていうかこの状態からなんとかする方法とかさ!!


  『特にありません、マスターで言えば

   ゴリライアット・ガンを延々撃たれているのに

   限りなく近い状態です。』


 ……………あー、そりゃ方法無さそうだね…。

 っていうかあるよね!?

 あれ1秒気絶(スタン)するけど

 気絶(スタン)が切れてから当てないと

 次の気絶(スタン)が発生しないじゃん!?


 って事は気絶(スタン)→目覚める→気絶(スタン)という過程で

 目覚めるの直後にほんの僅か時間があるよね!?



  『限りなく近い、と申した筈です。

   この女は多種多様な呪いを重複させているので

   マスターのようなほんの僅かな時間すら出来ません。

   気絶(スタン)の最中に気絶(スタン)をかけても

   効果が発生しないのは、全く同じものだからです。

   しかしこの女の場合は効率的に様々な呪いを使用していて

   あくまで似たような効果で代用しているからこそ

   マスターが動けない状態を維持しているのです。』



 じゃあ抜ける方法は……。


  『特にありません、しかしこの試合は戦闘不能以外の

   決着をつける方法は存在しません。

   つまり………今の状態から言えば30秒という所でしょうか。

   これでも即死しててもおかしくないような呪いばかりですよ?』


 いや、それでいこうよ。

 30秒倒れたフリしてれば済むんでしょ?


  『済ませてもらえるかは不明ですけどね……。』


 それからずっとダサコのターン!と言わんばかりに

 されるがままだったのです……。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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