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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第7章 オプティロン大陸編
126/178

第126話 3回戦 第4試合 前編

「さぁ、3日目はついにこのBランク昇級試験の

 合格と不合格を分ける戦いです!

 勝者は勝利した時点でBランクへの昇級が決定します!

 昨日勝ち上がった8名から4名へと絞られる

 負ける事が許されないこのトーナメント戦!!

 本日、3日目の実況中継となります!

 2階フロアマスターのチルタフちゃんと!」



「・・-・ ・・- ・-・- ・- ・-・-- ・・ ---・-」

 ※モールス信号訳:「チウロイです」


「……………1階フロアマスターのチウロイでお送りしまーす!

 いよいよ本日の最終戦となる

 第4試合がいよいよ始まります!

 ここまで2戦を勝ち抜いてきたリラ選手か!

 それとも昨日、辛勝ながらも勝ち抜いた

 デルトロ選手が勝利を掴み取るか、必見です!!」



 デルトロ。

 結構大きめでまぁ2メートルは無さそうだけど

 180を超える感じの、冒険者らしい感じの男性。


 しかも中型、ミドルシールドと言えるくらいの盾に

 扱いがしやすいショートソードか……。

 しっかりと頭も兜を被って、顔見せなんかより

 頭部を護る、という事を優先するって感じかね?



  『基本スタイルですね。

   それでいて重そうな金属製鎧でも無く

   あれはオーク革でしょうか。

   軽さと防御の両立を図った良い装備だと思います。』


 ま、私はやる事をするだけかな。





「それでは互いに、構え!……………はじめっ!!」


 開始と同時に盾を構えるデルトロに対し

 私は開幕一番、右拳を叩き込みに一気に距離を詰めた。


 フォームは今日はベーシックフォーム。

 状況に応じて、私はフォームを変えるつもりでいた。

 その初撃が入ると同時に、私は悶絶した。



「うぐぉおおおおおおおおお!」


 私は盾にしっかりと右ストレートを叩き込んだ。

 だというのにデルトロはほんの僅かすら

 衝撃などで下がる事も無く、むしろ吹き飛ばされた上に

 右拳に強い痛みを感じたのは私だった。




「出ました!デルトロ選手の十八番(おはこ)盾技能(スキル)

 リフレクト(反射)!リラ選手は自らの攻撃をそのまま

 拳に受け、悶絶しています!!」



 リ……リフレクト(反射)!?

 攻撃が反射されるの!?



  『恐らく盾士でしょう。

   盾を防具、と見る人も多いですが実際は武器でもあり

   盾技能(スキル)には多くの攻撃技もあれば

   こうして相手の力を利用したものまで様々な戦い方があるのです。

   非常に厄介で、かつ最もマスターには不得意となる相手です。』



 ほほぅ………。

 あれ?それって私にとって最も厄介な相手って事じゃ無いの??



  『そうなります。盾技能(スキル)は臍の下の丹田から湧き出る

   (フォース)消費して繰り出します。

   そこに魔力(マギ)を同時消費して繰り出すものもあります。

   物理・魔法共にしっかりと修練を積めば

   力の差をひっくり返せる程にまでなれるのです。』



 つまり右拳が痛いのは私の入れた攻撃そのものって事か……。


  『下手に力をあげればいくらゴリラアーマーがあっても

   マスターの拳が折れますので力技ではなく

   他の手段を打つ方が宜しいかと。』



「ならニンジャフォーム申請、マテリアライズ!」


  『ニンジャフォーム承認、マテリアライズ(具現化)!』


 最も力が小さくなるニンジャフォームがベストだろうとフォーム変更!



「さらにミニゴリラ!そして引っ掻き回す!!」


 今度は速度重視かつ、ミニゴリラを合わせての

 隙を狙う方法に移行したのですけど……。



シールドケージ(盾檻)!」


 なんと4枚の巨大な盾が現れてデルトロの四方が守られ

 さらに上にも1枚の巨大な盾が現れ上も塞がれたのです。


 つまり盾の檻、って事か……。



  『あの盾は(フォース)魔力(マギ)の両方で作られたものです!

   しかしあの盾自体にも盾技能(スキル)がかけられますので

   リフレクト(反射)にご注意ください!!』



 あの突然出てきた盾にも技能(スキル)??

 念の為、ミニゴリラのお腹から出てきたミニミニゴリラに

 盾を殴らせてみると、しっかりとリフレクト(反射)してきた。



「うぬぅ……見えない訳じゃないのか……。」


  『実在する盾ではありませんので……。

   中からは丸見えだと思いますよ?』



 侮れないね、盾ってのは……。


「ならこれでどうだ!無限水(バレル)!!」


 ミニゴリラ達に水(バレル)を持たせて

 上から横から、キンッキンに冷えた水を浴びせる作戦!

 次から次へと休むことなくミニゴリラ100匹による

 水樽攻撃を続けたのです!!









「ふはははは!攻撃でも無いからこれなら冷たくて寒いでしょう!!

 ん?え?何?一時中断と注意!?」



「おっと、リラ選手に注意1がつきましたね。

 恐らく舞台上が水だらけになった事で

 舞台と舞台周辺がドロドロの泥だらけになる事を

 危惧したものでしょうでしょうか。」



「舞台壊すのはいくない……。」



 舞台はこの修練場に4つあるので

 別の舞台へと移動させられ、私は注意1点が点く事に……。





「解せない……。

 サンディング王国での登録試験の時は

 許された筈なのに……、統一規格を求む!!」


  『サンディング王国の時も多かったですが

   今回は流石に許容出来る量を遥かに超えていると思われます。

   無限系1(バレル)は全てワイン貯蔵用樽を

   基本にしていて42ワインガロンも入っているのですよ!?』


 42ワインガロン?


  『米液量ガロンとも言いますが1樽約160リットル。

   正確には158.987294928リットルもの

   水が入っているのです!!』


 数字が細かい!?


  『僅か10樽でも約1.6立方メートルの水が

   舞台上に溢れるのです。

   いくら排水する機構が用意されていても

   トン単位で出せるマスターが乱用すれば

   すぐにここも水没しますからね??』


 そこまでこれ危険な能力(アビリティ)だったの……?

 ただキンキンの冷水とか沸騰寸前のお湯が出せる程度の

 認識でしか無かったよ……。



 ニクジュバンニの認識通り、水が駄目というよりは

 このハイペースで出せば、やっぱり排水が追い付かない上に

 舞台が泥だらけになる、と共に元々この舞台自体が

 ここまで大量の水の被害を受ける事も想定していないと言う事で

 警告ではなく注意1。


 まぁ警告も注意も結局合計で3点溜まったら

 失格なんですけどね……。





「それでは再開!」


「無限バナナの皮!!」


 そしてこれが泥試合の始まりだったのです……。





「おっと、リラ選手が黄色い物体を舞台のありとあらゆる場所に

 撒き散らしてからすでに10分が経過していますが……。

 どちらも動きません!

 と言うよりこれは昨日の第7試合の再来です!

 またもデルトロ選手は防戦からのカウンター狙い!

 そしてリラ選手も動かない!

 そして観客の皆様!物を投げないでください!

 精々ブーイングで収めてください!

 昨日の第7試合も長期戦かつ同じ状況となり

 デルトロ選手は辛勝となりましたが

 やはり盾士、受け身の戦いにならざるを得ないか!

 リラ選手も、これに付き合うしか無いのか!

 自らの攻撃が跳ね返ってくる以上、無暗に攻め込めないでいる!!」



 まぁ、なんとなーくこうなる気は少しはしていたけど

 全く攻めてこないで受け身一辺倒とは思わなかった……。


 私が指を鳴らしてバナナの皮を全て消しても

 それでもデルトロが攻めてくる事は無く

 防御一辺倒、というよりは盾主体の戦い方そのものが

 こうなる、と私はこの時点までは思っていた。


星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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