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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第7章 オプティロン大陸編
118/178

第118話 G、ヤマをはる。

「えー、このような場合は……。」


 現在私は座学中。


 言葉遣いから、礼節もそうですが

 最も面倒臭いのが謁見の間、と呼ばれる

 王様と面会する、あのレッドカーペットが

 ずずずぃーと伸びているイメージのあれ。


 あの場にもキチンとマナーがあるらしく

 なんでもカーペットの切れ目などが

 線代わりになっていて、立ち止まる位置や

 跪く位置なども明確に決まっているそうです。


 他にも列席する際の立ち位置から

 護衛として列席する際の立ち位置を

 パターンごとに紹介されていき

 この後、これを丸暗記して

 筆記に挑まなければならないのです……。


 途中でお昼休憩、なんて思ったらこちらは

 お昼ご飯を兼ねたテーブルマナー講座……。


 ナイフやスプーンと言ったカトラリーの使用順番。

 食事の食べ方もいくつかあったりするのですが

 いくつかは解せないものもあったり……。


 しかも国によって格式なども違ったりと

 まぁ種類が多い事……。


 ナイフやフォークを使い、手で触る事が認められていないものから

 逆にナイフしか無く、自分の料理は自分で切りはするけど

 あとは手掴み、とか……。


 フィンガーボールもあるけど、手を吹くのが

 テーブルクロスで、その吹き方や位置までに指定があり

 自らの服を汚さない様に、とか

 そもそも食器やグラスが共用なんて事もあったり。

 そりゃもう覚える事ばっかり……。


 なんて思っていたのですけどね……。



「あー、やっぱ俺Bランクに向いてねぇのかな……。」


「馬鹿、お前だけじゃなく全員同じだよ。

 そもそもテーブルマナーだのなんだのと

 縁遠い筈の冒険者が突然教わったからって

 出来るものでも覚えられるものでもねぇよ……。」



 暫くすれば筆記試験となる直前での休憩時間。

 皆、口調は元通りでやはり誰もが

 どちらかと言えば暗記に苦戦中だった。


 私は比重が一番大きいのは

 恐らく謁見の間などでの立ち振る舞いが一番配点が大きく

 それに次いで、要点を捉えた言葉遣い。

 そしてテーブルマナーだと思っている。


 特にテーブルマナーはそもそも特に失礼さえなければ

 そもそも偉い人から食べるのだから

 そのまま真似すれば良いだけ、だと思っている。


 それに場合によってはその場で食べないだろうし

 豪商などのケースでは多いかもしれないけど

 それでも恥をかかせない程度で良い気がする。


 最も重要なのは格式などが決まっている上に

 その場での失敗が即無礼にあたる、立ち振る舞いが重要で

 そこを逃さず取る作戦に出たのです。



  『つまりヤマを張るって事ですよね?』


 そもそもさ、護衛が食事の場に呼ばれるだなんて

 そうある事じゃないと思うんだよね。


 どちらかと言えば失礼にあたらなければ良いのと

 貴族がネチネチ言ってきそうなポイントだけ

 抑えるのが目的な気がするんだよね。



 そして筆記試験。

 まぁその内容が酷いのなんの……。



  『ぷっ、大外れでしたね』


 これを外れと言うんじゃないよ……。

 っていうかさっきの座学の内容全部じゃないか!!


 これは試験範囲はここからここまで、じゃなくて

 試験内容はここからここまで!だよ!!


 まさかの全部が問題化されている

 膨大な筆記試験に私はなんとか思い出していく。





 えーっと肉の下の皿……。


  『それは後々下げて、従女などの食事となるものです。

   食べてはいけません。』


 食べない、っと……。


 但し頭脳が2つある訳でして。

 え?インチキだ?カンニングだ?


 どこに問題があると言うのでしょう!

 バレなければ良い?

 違うね。


 ゴリラアーマーを装着している以上

 ニクジュバンニもゴリラアーマーの一部!

 私の能力を十全に利用しているだけです!!



  『地球ならそれをバレなければ良いと言うのですよ?

   スマホを持ち込んで、これは俺のスマホだからOKみたいな

   言い分にしか聞こえませんからね?』


 じゃあニクジュバンニはここで私が試験に落ちて

 再試験に挑む、なんていう時間の無駄を許容する。

 そう仰るおつもりで?



  『タイム・イズ・マネー』


 それは違う。

 タイム・イズ・マネーは利益を得る機会があったのに

 それを得る事が出来なかった、っていう、お金主体。


 時は金なりは時間はお金と同じように貴重だから

 無駄に過ごすことを無くしましょう、と時間主体。


 似ているけど微妙に違うんだよ。

 今回は「時は金なり」の方。

 無駄な時間を過ごすくらいなら、誰にもバレない

 カンニングをする事等(いと)わないのだよ?ニクジュバンニ君。



  『偉そうな事を言っている割に

   結局カンニングだと認めるんですね。』


 それよりあんたの一言一言が一番の時間の無駄だからね?

 黙って次の問題の答えを一緒に考えなさい……。



  『まぁマスターが自ら考える事を忘れては

   いない様なので許容しますけど?』


 残念ながら次の問題教えてドラ〇もん!とか

 そこまで「のびのび」しているとは思ってないからね……。





 そして筆記試験の翌日。

 私は見事に筆記試験の合格発表の貼り出しに自分の番号を見つけ

 Bランク昇級試験の最終試験に進む事となったのです。


 場所は王都冒険者ギルドの地下にある修練場。

 ここで行われるのは受験者同士によるトーナメント戦だそうです。


 最終試験に残ったのは合計で20名。

 この場合は16人のトーナメント表を描き

 4人分を16人中4人の場所に付け加えた

 いわゆる勝ち残り式トーナメント。

 そして逆シードで8名が2回戦からとなり

 残り8人は1試合多くなる形。


 合格は準々決勝に残った4人のみ。

 但しそのままトーナメントは続いて

 優勝すればそのままAランク昇格になるのだと発表されて

 受験者は一様に喜んでいた。


 最低でも2勝、逆シードの人は3勝すれば

 合格、と言う事になるのにその続きが2戦もあるとは……。



  『これこそ時は金なり、ではないでしょうか。』


 そうだね。

 優勝した時点でAランク、つまり依頼をこれ以降

 一切受けなかったとしても登録抹消になる事は無いと……。


 なら優勝するしか無いよね?

 私はこの最終試験で優勝し、Aランク冒険者となり。

 以降、解体所だけを利用する冒険者になるのです!!


  『言い方が立派そうでも内容が酷いですね。』


 良いんだよ!これが目標だったんだから!!

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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