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【完結済】G-form-girl  作者: ボブ
第1章 導入編
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第1話 G、転生する。

 青い空、白い雲、そしてどこまでも広がる大地。


 そんな中で私は2頭のゴリラに土下座をされるという

 非常にシュールな絵面の前に居た。



  『この度は大変申し訳御座いませんでした!!

   ほら!あんたが原因なんだから、謝りなさいよ!!』


  『……チッ……反省してまーす』



 とりあえず大きなゴリラに小さなゴリラが

 ぶん殴られているのは自業自得な気がした。


 なんでも私はつい先程、死んだのだそうだ。

 そう言われると、なんとなく思い出せた。


 私の名前は(あつむ)莉良(りら)、46歳。

 ヲタ趣味へとどっぷり浸かって35年の独身貴族。


 会社から家である賃貸アパートへと到着。

 外階段を上っていた最中、何故か足を滑らせて

 階段から転落した。


 そこまではなんとなーく思い出せた。

 だけどそこから先は全く思い出せない……。



  『ここに居る私の眷属たるニクジュバンニが原因でして……。』


 私の死んだ際の状況について事細かく教えてもらうと

 まぁ、なんと言うべきなのか言葉が見つからなかった。


 まずこちらの精一杯、私に対して誤っている

 大きい方のゴリラは「ゴリラの神」様なのだとか。


 そして小さい方のゴリラがその眷属である「ニクジュバンニ」と言う

 存在らしい。


 ネーミングセンスの悪さはとりあえず置いておいて

 このニクジュバンニは地球に霊長類の観察と言う任務をしていたとか。


 その最中、お腹が減った為にバナナを食べたのだけど

 いかんせんゴミ箱が見つからなかったのだとか。



  『面倒臭いですよね?廃棄物の処理及び清掃に関する法律とか

   軽犯罪法とか道路交通法とか河川法とか。

   しかし私有地であれば、バナナの皮の処分は土地の持ち主の責任に!!』


  『うちの眷属()がすみません!すみません!』



 ともかく、私はその捨てられたバナナの皮に足を滑らせ

 賃貸アパートの階段から滑り落ちたのだとか。



  『綺麗に着地しそうだったので着地点にもう1つ、バナナの皮を置いたのです!!

   根は悪い子じゃ無いんです!すみません!すみません!』


「絶対悪意だよね、そいつ殺しに来てるよね??

 追いバナナとか悪意しか感じられないよ?」


 私はそのままでいけば、多少階段に身体を打ちつけはしたものの

 最後は着地する予定だったらしい。


 これは本来、私自身がまだ死ぬ運命に無い事から

 働いた、奇跡的な力なのだとか。


 しかしこの悪意の塊としか思えないニクジュバンニとやらの仕業で

 奇跡的な着地と同時に2つ目のバナナの皮を踏み

 そのままさらに滑って後頭部をコンクリートに強打。

 そのまま帰らぬ人となったのだとか。


「つまりその眷属とやらが原因と。」


  『はい、なのですが……。』


 神様なので、無かった事にしたいらしいのですが

 何しろ地球は少々人が増えすぎているらしく

 丁度良い機会だ、と私に対して再度地球で生まれ変わったりなどの

 特例措置は出来ないのだとか。


 もっと言えば死者の蘇生などは言語道断なのだそうです。

 神様は地上に直接的に関与する事は出来ないらしく

 生き返らせる事は簡単だとしても、それを行うと

 神様は地上に堕とされ、邪神になってしまうのだとか。



  『そこで大変申し訳無いのですが

   他の世界への転生でなんとか納得していただけないかと……。』


 つまり私を異世界へ転生させるので

 なんとか許して欲しい、という事らしいのです。



  『宇宙戦争をしている世界。

   核物質を消し去る道具を取ってくるタイムリミットが迫っている世界。

   人が増えすぎて、移住先の惑星を探している世界。

   こちらが候補となっています!』


「なんでアニメ臭い世界ばかりなのさ……。

 そこはせめて剣と魔法のファンタジーな世界とか無いのかね……。」


  『剣と魔法のファンタジーな世界もあるのですが

   何しろそこそこ問題のある世界でして……。』



 邪神が一時期居た世界で「勇者召喚の儀式」とやらで勇者が呼び出され

 今は平和な世界、であれば可能だとか。



「何かいわく付きの物件を紹介されている気分だよ。」


 邪神は倒されたけど、実は勇者が派手に奥義とやらをぶっ放したお陰で

 邪神の身体が108個に、精神(こころ)が12個に分裂し

 世界中に散り散りになった世界なのだとか。


 勇者が邪神を倒したのは今から200年前で

 復活するのは1800年後、だとか。



「私の寿命的に一切関係ない気がする……。」


  『一応、問題のある世界ですので

   お教えする義務と言うものがありまして……。』


「不動産仲介業者じゃあるまいし……。」



 但しその剣と魔法のファンタジーな世界の場合は

 その邪神を何とか出来るのは、神様が作った道具などを持ち込んだ

 転移者や転生者に限られてしまうのだとか。



  『何とかしてみませんか?』


「うん、色々おかしい。私そこのゴリラに殺されてここにいるんだよね?

 その詫びが邪神の身体を何とかする事なの?」


 その世界には神様が聖遺物として12の神器なるものを落とし

 それを使えば邪神の身体は壊せるので

 本来ならそういう事を頼むべきでは無いと思っているのだとか。


 最初は人手に渡ったものの、その価値から売られたりして

 全く邪神の身体を壊す人は一切おらず

 最終的には国や豪商が宝物庫に厳重に保管したり

 自らが成功者である証として飾っていたりして

 邪神の身体をなんとかする人は誰もいなかったのだとか。



「まぁ1800年もまだあるなら知ったこっちゃないって

 人のが多そうだよね……。」


  『それはあくまで邪神が完全に蘇るまでの年数です。

   その身体と精神自体には問題があるのです。』


 なんでも身体は「核心(コア・ハート)」と呼ばれる

 心臓を模した金属体で、使い方次第で

 人などに悪意を植え付けたり、魔物を凶暴化させる事が可能なのだとか。


  『さらに精神の方は既に12個とも何かしらに寄生済みです。』


 こちらは「母なる核心(マザー・コア・ハート)」と呼ばれ

 もっと酷い事になっているのだとか……。


 なんでも寄生されると、悪意どころかとんでもスキルすら芽生え

 邪神そのもの程では無いけれど

 近い存在になってしまうのだとか。



  『私に出来る限りの力を与えますので

   なんとかしていただけないでしょうか。』


「何か本題から大きくずれている気がするんだけど?」


 その後もどんな世界があるのか、を聞くと

 まぁ酷いものが多かった。


 既に人間ではなく、違う生物が支配する世界とか

 氷河期真っ只中な世界とか

 男性がたった5人しか居ない世界はまだしも

 逆バージョンの女性がたった5人しか居ない世界とか

 誰得なのだろうか……。


 その後、剣と魔法のファンタジーな世界の神の頂点たる

 創造神様とやらまでやってきて土下座される始末。


  『お部屋のグッズ類やハードディスクを

   換金消滅させる、と言うのではいかがでしょうか?』


「な、な、なんですってー!?」


 結局、私はその世界に成人として新しい身体を貰い

 転生し、邪神の身体とやらを何とかするという条件の下

 チートな能力を貰うと言う事で、合意したのです。


 但し、すぐに私はこれに合意しなければ良かった。

 そう思う様になるのです……………。


 そんな私の物語、始まるらしいです。

星5点満点で「面白い」や「面白くない」と

つけていただけると、作者が一喜一憂します!

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