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思春期じゃなくなれば、女性への抵抗感はなくなるのだろうか?
いや、大人になっても続きそうな気がする。
昆布は女性と男性をあまり分けたくない。それは、差別になりそうな気がするからだ。女性も男性も同じ人間であることは変わらない。あまり、女性を意識しないようになりたい。
だけど、どうしても意識してしまう。どうしても緊張してしまう。この感情がなくなってくれればいい。本気でそんな風に思う。
「何か飲む?」
由香は言った。
「なんでもいいよ」
昆布は言った。
「ゴボウ茶でもいい?」
「何それ?」
「ダイエット商品として売られているお茶」
「……普通のお茶はないの? 僕はダイエットしているわけではないよ」
「なんでもいいって言ったでしょ!」
「なんでもの中にも、決まりのようなものはあるんだよ」
「そうなんだ。じゃあ、水道水はどう?」
「まあ、ゴボウ茶よりはいいかな」
「よかった。じゃあ、ゴボウ茶を用意するね」
「いや……水道水でいいんだけど」
由香は話を聞かない時がある。無視したいわけではないと思う。ただ、話が頭に入っていないのだと思う。なのに、テストではいい点数を取る。重要な部分は聞くようにしているのかもしれない。
……ということは、昆布の話は重要ではないと認識されているのか?
ひでえ。ちょっと傷つく。




