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プロローグ
自分が特異であると理解したのは、いつ頃だっただろうか。
少なくとも自らの「できる」の範囲が他人を凌駕していることを知ったのは幼稚園に上がってから一年ほどたった時だったような気がする。
ではいつから、特異である自分を嫌い、平凡を演じようとし始めたのだろうか。
恐らくそれは自分に向けられている目が敬意や羨望ではなく、興味や好奇心だと知った時ということになろう。
ではそれを知ったのは―――……いや、やめておこう。いくら過去を思い返してみても、今は全く変わらないのだから。
この物語は、世界がどう変わろうと特異になってしまう、私の物語である。
ゆっくり書いてきます。