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ProPrologue1
高橋裕翔18歳
地方の公立高校3年
これが私のプロローグより前の話である。
高校3年夏、部活のサッカー部も地区予選敗退で早々に引退してからは、気ままな放課後を過ごしていたある日である。
進路指導の鹿野から進路指導室に呼ばれ、私は重い足を進めていく。
「お前、進路はどうするんだ?」
強面の体育教師で有名な鹿野は、先日白紙で出した私の進路希望表をもって明日に鎮座している。
「どうでしょう、就職でもしようと思ってます。」
特に、いや、全く進路のことなんて考えていなかった私にとって、何より進学校でもない私の高校の生徒は一回は言っている常套句だった。
「とりあえず当校に来ている求人を渡しておく。」
求人の紙の束をとりあえず受け取って部屋を後にする。
「失礼しました。」
みんなこんな感じだろうと思いつつ私は堕落した生活に戻るのであった。