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意外と大丈夫異世界生活  作者: 潮路留雄
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見かけによらないって素敵やん

 さて、さらにペイルンについて話を伺う。

 ここからの足取りとしては、道沿いに商業都市オーディナスを通過し退廃街へ行くのが一般的な道筋。

 だが、危険は伴うがショートカットはある。

 スタンファさんの話ではイービルレイクという湖を迂回していくのが正規ルート、ショートカット出来るのはその湖の湿地帯を抜けて行くルート。

 湿地帯には飛び地のように陸地があり、そこを渡って行く事で大幅なショートカットができると言う。

 湿地帯は足場が悪いし幅も狭く馬では進めない。

  その上、湿地帯にはグールを始め凶暴な魔物が出没するとの事。

 うわー、湿地帯でグールって、聞いただけで薄気味悪い事この上ないけどグールだったら心配ありませんとアルスちゃんが言うので、ああ、そうだったアルスちゃんはそっち方面は専門家だったと思ったのだが、シエンちゃん曰く大して脅威にはならないとの事。

 他に出没する魔物について聞いていたが、シエンちゃんはそうかそんなものか、と平静な表情に戻っていたので、道行の安全はどうやら心配しなくても大丈夫そうだな、っていつの間にか湿地帯ショートカットが決定事項になってるんですけど。

 元々デクラインの事を良く思っていないベルさんは、ペイルンにしても通行を許可しただけの事で庇う義理もないし、なんならデクライン共々やっつけちゃって構わないぞ!なんて物騒なことを言う。

 俺は、なるべく穏便に済まそうと思っています、と告げた。


「にゃあ、お前たちならそんな無茶苦茶はしないだろうにゃ。闘技大会での戦い方もそうにゃが迷宮の通過のやり方もキレイなものだったからにゃ。ゴーザからも危険人物ではないと報告が上がっているにゃ。」


「え?。」


 俺は思わず聞き返してしまった。迷宮抜けて来たの知ってたの?


「ゴーザには会っているにゃろ。石化眼のゴーザにゃ。あいつの本当の力は相手を見る力にゃのだ。無用な破壊や殺生はせず、図抜けた能力を持ちながら敵対者であっても気遣える心を持っている、と言っておったにゃ。」


「迷宮最後の魔物はゴーザが選んでいるのだ、楽しんでもらえたかな?。」


 近衛兵団長スタンファさんが言う。


「おう、中々面白かったよ。」


 キーケちゃんが不敵な笑みを浮かべる。


「それで、どうしても戦ってみたかったのにゃ。完敗だったが楽しい戦いだったのにゃ。今夜はゆっくり休んで明日の朝出立するのが良いにゃ。まあ、まだ夜は浅いにゃ、色々と話を聞かせてはくれにゃいか?。」


 そんな訳で、俺たちはメルヘンベルの歓待を受け旅の話しや、これまで戦った相手の事など皆で話をして親睦を深めたのだった。

 そもそも迷宮の意味は何なのか?サマ爺がメルヘンベルさんに聞いてみたところ、本来の意味はよくわからない、何か宗教的な意味で作られたものだろうとは思う、との事。

 現在ではその知名度を利用して、迷宮街への出入りは迷宮のみだと宣伝することで街の防御としているのだそうだ。

 また、迷宮は魔力が溜まり易い構造になっているようでそこで生まれた魔物には、特殊な能力を持っているものが稀にいるので、それを飼育して迷宮の守りを固めたり、番犬ならぬ番魔物として販売もしているのだと言う。しっかりしてますな。

 しっかしメルヘンベルさんは、本当に戦う話が好きだなあ。

 見た目は可愛らしい狼っ子なのにな。

 魔族も見かけによらないって事だね。

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