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意外と大丈夫異世界生活  作者: 潮路留雄
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デキる協力者って素敵やん

「しかし、あんちゃんいつもの教会の奴らと違うな。」


 ムグリが歩きながら言う。


「なんで?人族だから?。」


「人族の奴もいたさ。そう言う事じゃなくてよ、なんつーの、あいつら俺にスマンなんて言わねーよ。ねーちゃん達が俺を見る目もよー、全然違うからよ。一発でわかるよ。だいたいよー、あいつらは俺たちの事、なめてんだよ。こっちゃあ、なめられたらしまいの商売だからな。あんちゃん達とならやっとまともな仕事ができそうだぜ。」


「そりゃ、今まで迷惑かけちまったな。俺も、教会の調査員とは会った事ないからわかんないけど、司祭さんは、なかなか良さそうな方だったよ。」


「ゲッ、おっかねーんだよあのババア!悪い奴じゃないよ、真っ直ぐ俺を見て来るし。でも、すぐに怒るんだよな。」


「きひひひ、そりゃムグリが怒られるようなことをしたのだろう。」


 キーケちゃんが笑いながら言う。


「まあな。でもよー、聖堂の彫刻売っぱらったぐらいで木に吊るすこたねーだろーよー。こっちゃー子供だぜ?子供のやった事でそんな目くじら立てんなっつーの。」


「うふふふ、木に吊るされる位で済んで幸運でしたねえ。文化的価値の高い物ですと場所によっては死罪になる事もありますからね。それに、さっきは子供だからってなめるなっておっしゃられてましたよねえ?パンチャコ司祭はムグリさんの事を子供だからって侮らなかったのでしょうねえ。」


「そうかなー、まあ、おっかねーけど嫌いじゃねーよ、俺も。それよか姉ちゃん、死罪になる事もあるってなあ本当かよ?。」


「ええ、国が重要な文化財として価値を認定したものを盗んだり故意に破壊するのは、国への反逆と見られますからねえ。これからは、気を付けたほうが良いですよ。下手なものに手を出すと、ムグリさんの周囲の方にも迷惑がかかりますからね。」


「マジかよ。わかったよ、気を付けるわ。ありがとな、姉ちゃん。」


「なんだ、ムグリ。アルスに惚れたか。」


 シエンちゃんが煽る。まったく、よせって。


「ん?おばちゃんよー。おばちゃんはすぐに惚れた腫れただな。モテないのか?まあ、頑張れや。」


「な、な、な、むぐぐぐー。」


「きひひひひ、ムグリの勝ちだな。」


「くぅーーー!なんてガキだ!おばちゃんだと!初めてだぞ!そんな事を言われたのは!。」


「まあまあ、シエンちゃん。落ち着いて、ね?シエンちゃんは超キュートだから、ね?。」


「そうか?超が付くのか、トモちゃんがそう言うなら良しとしよう!。」


「あんちゃんは、モテそうだな。よし、ここから中に入るぞ。」


 そう言ってムグリはレンガ材で固められた洞窟に入っていった。


「下水道だな。」


 キーケちゃんが言うように、内壁をレンガで固めたトンネルは中央に水路が走っており海に流れ込んでいるようだった。

 トンネル内はランプが灯されているが、なんの燃料を使っているのか燃焼している匂いがしない。

 ムグリに続いて下水道の奥へと進んで行くと広い空間に出た。

 壁際には、手作り風のベッドやら棚やらが並べられており、どうやら大勢の人たちがここで生活をしているようだった。


「なんだムグリ、客人か?。」


 のっそりと表れたのは大きな身体にカエルのような顔をした男性だった。


「ああ、俺の仕事相手だ。みんなにゃ迷惑はかけねーよ。」


「そうか、気を付けろよムグリ。あまり無茶をするなよ。」


「わーってるって。」


 そう言って軽く手を振るムグリ。貫禄十分だなあ。

 更に奥へと進むムグリに続いて我々も奥へ奥へと進んで行くと、露店が並び始め、市場のような場所に出た。

 ムグリはその中で、くすんだ装飾品だとか銅食器だとかを置いてる古道具屋さんのような露店に近づいて、店の主人なのだろう、蛇顔の女性に話しかけた。


「蓋の着いたオルゴールは入荷してるかい?。」


「ちょうどさっき入ったところさ。」


「じゃあ、頼むわ。」


 そう言ってムグリはポケットから硬貨を幾らか出して、蛇顔の女性に手渡した。

 受け取った蛇顔女性はその硬貨を巾着の中にしまうと、ただ舌をチロチロと出してムグリを見つめた。


「なんだよ、値上げかよ。」


 ムグリはそう言ってポケットからさらに硬貨を出して渡す。


「悪いね、最近何かと物騒なものでね。」


「チッ、まあ、いいよ。危険手当ってとこだろ。こっちも経費で上げるからよ。」


 まったく、とんだ個人事業主だな。

 蛇女性は露店の下から木箱を出してムグリに手渡した。


「毎度どうも。」


 蛇女性の声を背に歩き出すムグリ。

 人通りのない所に来るとムグリはさっきの木箱を開けて中から小さな紙辺を出して目を通すと、すぐにこちらに手渡してきた。

 紙辺にはヒッポタマース、午後六時。と書いてある。


「読んだかい?。」


 ムグリが言う。


「ああ。」


 俺は答えた。


「んじゃ、よこしな。」


 俺が紙辺を渡すとムグリは指先から火を出して着け燃やした。


「六時まで時間あるな、打ち合わせがてら、なあ、どうだい?。」


「お、いいよ、飯だろ、ムグリは仕事もできるから飯代位は出させてもらうよ。」


「へへへ、やっぱあんちゃんモテるだろ?安くて美味い飯屋があんだよ。案内するぜ。」


「おう、頼むよ。」


 まったく、たいした奴だよ。

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