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意外と大丈夫異世界生活  作者: 潮路留雄
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子供達の世界って素敵やん

 「モグモグ、やっぱり。モグモグ、イチゴがなきゃだよねー」

 「俺は断然卵だな」

 「何言ってんのよここはバターと蜂蜜。これしかないわよ」


 子供達は満面の笑みでパンケーキを食べている。

 

 「それじゃあ。お兄ちゃん達に仕掛けの場所を教えてくれるかな?」


 俺はキャッキャッとはしゃぎながらパンケーキを食べる子供達に尋ねた。


 「ちっちっちっち!お兄さん、わかってないわねえ?そう言う事は焦っちゃダメなの」


 ネクトが鼻先で人差し指を揺らして言う。

 どこで覚えてきたんだそんな仕草。


 「そうなの?焦るとダメなの?」


 ティピーが不思議そうな顔をしてネクトに聞く。


 「そうよ。看護師のクラリスさんが言ってたの、いい女は焦らすものだってね」


 ったくネタ元は看護師かあ。


 「ネクトちゃんっていい女なの?」


 「バッカ!そんなのいい女に決まってんだろ!」


 キョトンとした目で聞くティピーにユーリが自信満々に言う。


 「そうなの?いい女ってどんなのを言うの?」


 ティピーは更に尋ねるがユーリはホガホガ言って答えられずにいる。


 「そんなのは決まってるじゃない」


 そんな中、ネクトは胸を張ってティピーを見た。お?どんな答えをだすんだこの子は?また看護師さんから聞いた事を言うのかな?

 俺とストームはネクトの答えを待った。


 「何?」


 ティピーが聞く。


 「また今度教えてあげる」


 ネクトはそう言って小さく切ったパンケーキにたっぷりの蜂蜜をつけてパクりと食べた。


 「え~なんで~?今教えてよ~?」


 「だ~め」


 「なんでよ~」


 「それはねえ、ネクトがいい女だから」


 「え~わっかんな~い」



 ネクトはクスクスと笑い、ティピーは首をかしげてユーリにわかる?と尋ねる。ユーリはわかるに決まってるだろ!と強い口調でティピーに言い返す。


 「こりゃ、焦って聞いてもダメだな」


 俺はストームの顔を見る。


 「そうだね、紳士たるものレディーを急かすのは良くないしね」


 「あら、そちらのお兄さんは良くわかってるみたいね」


 「いえいえ、とんでもございません。おや?紅茶が空のようですけどお代わり頂いて来ましょうか?」


 「頂くわ。お砂糖は控えめでお願い、ダイエットしてますの」


 参ったねどうも、これも看護師さんの真似かいな?蜂蜜たっぷりのパンケーキパクついてダイエットってのも可愛らしくて良いけども。


 「あ!じゃ俺もヤグーソーダお代わりよろしく!」

 「僕はキャラメルミルク!」


 「へいへい、んじゃ俺もお手伝いしましょ」


 俺はストームと一緒に子供達の注文を取りに行く事にする。


 「まったく、ここの看護師は子供に何を教えてんだか」


 「いいじゃないの、子供が楽しそうにしてるのは見ててこっちも楽しい気分になるし」


 ストームは本当に楽しそうな顔をして言う。こいつ、もしかして兄弟多かったりするのかね?んでもって長男だったりするんだろうか?


 「なに?僕の顔に何かついてる?」


 「いや、別に。しかし、院長ほっぽらかして来ちまったがホントに大丈夫かね?」


 俺は注文を入れるストームに小声で言う。

 

 「なーに、あの調子じゃ相当時間かかるからさ、最悪、別の階で機会を伺ってもいいしなんとかなるさ」


 ストームは気楽にそう言って注文の品を受け取る。

 俺はキャラメルミルクとヤグーソーダを受け取りストームの顔を見る。こいつ、なんか肩の力が抜けた感じだな。もしかして、何かわかったのか?


 「お前、もしかして地下室の謎解けてたりするのか?」


 「え?いや、解けちゃいないけど、なんで?」


 「いや、なんとなく」


 「ふふっ、クルース君は今回の件について何か思うことは無いかい?」


 ストームは意味ありげな笑みを浮かべ俺を見た。

 

 「何かって、そうだなあ。この病院、良い病院だなあとは思うけど」


 俺はストームに言う。子供達は生き生きととしてるし、院長先生は患者思いの良い先生のようだ。看護師さんはちょいと子供に何教えてんだと思う所もあるけど、それだけ子供達とも距離が近いと言う事だろう。

 ここまで見て来た限り、雰囲気も明るくて清潔だし従業員の顔も明るく過重労働で目が死んでいたり、イライラしてたりギスギスしてたりするような所も見受けられない。

 

 「そう、そこなんだよね。だから僕はちょっと安心してるのさ。はい、おまたせー」


 ストームはそう言って紅茶をネクトに手渡した。

 安心してる、か。うーむ、確かにこの病院の状況は善と悪が戦っている場所って感じにはとても見えないよなあ。

 あまり油断するのは良くないけど、ここはストームの勘に任せて様子を見るか。最低限の警戒は俺の方でしておけばいいだろう。

 俺も手に持った飲み物を子供達に渡す。

 子供達は嬉しそうにそれぞれの飲み物を手に取り口を付けた。

 

 「さてと、すっかりご馳走になっちゃったし、ユーリ、案内しなさい」


 「お、おう!任せとけ!」


 ネクトに言われてユーリが勢いよくイスから降りた。


 「ちょい待ち、食器かたしてくる」


 俺は子供達の食べ終わった食器をまとめて返却コーナーに持って行く。

 子供達の方を振り返ると俺の事なんて待ちゃしねー。とっとことっとこと小走りで食堂を出て行く姿が見える。ったく仕方がねー奴らだなもう。俺は早歩きで子供達を追う。

 俺はふと視線を感じ食堂を振り返った。

 気のせいか?急に視線を逸らすような不自然な動きをする人は見当たらない。

 気にし過ぎかな?

 俺は急いで子供達の後について行く。


 「兄ちゃん達、静かについて来てよ」


 ユーリは周囲をキョロキョロと見まわしながら静かに歩みを進める。


 「今だ!ついて来て!」


 そう言ってユーリは地下への階段をダッシュで降りていく。


 「いきなりか」


 「いや、まだそう決めるのは早いよ」


 俺の言葉にストームが答える。

 子供達はトタトタと階段を駆け降りる。


 「転ぶなよ」


 俺は子供達に言ってやる。


 「わーってるって、兄ちゃんこそ転ぶなよな。なんかとろそうな顔してっからよう」


 ユーリが生意気な事を言い、ストームがニヤニヤして俺を見る。ちぇだぜ。


 「こっちこっち」


 ユーリは長い廊下を小走りで進み一番奥の昇降機の少し手前で立ち止まった。


 「ここ、ここ」


 しゃがみ込んだユーリは地面すれすれの所をコンコンと叩いた。

 

 「軽い音がするな」


 「そりゃそうだよ中、空洞だもん」


 俺の言葉にユーリがそう言う。生意気なやっちゃ。


 「でも、これトビラと逆方向だねえ」


 ストームが腕組みをして言う。確かに、ユーリが叩いている壁はトビラがある方とは逆方向だ。霊安室の他に大きな部屋があるとすればそれはやはり霊安室の隣りだろうと思うのは俺の思い込みかなのか?反対側にあっても別段不思議ではないがだったらこんなに通路を長くとる必要はあるまい。

 

 「なんだか知らないけど、ひとつはここさ」


 ユーリはそう言って壁を押すと奥に向かってトビラのように開いた。開口部の高さは大人の腰より少し下程、幅は大人ひとりが通れる程度だ。


 「中はどうなってるんだい?」


 ストームが尋ねる。


 「真っ暗だからわかんないけど、そんなに広くはないよ。入って見る?」


 「いいかい?」


 「いいよ」


 ユーリはそう言って場所を開けてくれるので俺とストームは四つん這いになって隠しトビラの奥へ入った。


 「クルース君、ライト仕えたよね?あいにく明かりになるもの持ってなくって」


 「おお」


 俺はライトの魔法を使い光源を発生させる。

 

 「お?中はちょっと広くなってるみたいだね」


 ズイズイと奥へ進むストームの後に続き俺も奥へと進んで行くとそこには大人が中腰になれるくらいの高さの天井に広さは四畳半ほどの空間があった。

 

 「いったいここはなんのためのスペースなんだ?」


 俺は空間を見まわす。

 

 「壁に穴があるね」


 ストームの声にそちらを見ると壁に四角い穴が開いており、そのスペースに太い蝋燭が一本置いてあった。


 「どう兄ちゃん?なんもないっしょ?」


 「あら、明るいじゃない」


 「ホントだ明るいねえ」


 ストームが蝋燭に手を伸ばすとガヤガヤ言いながら子供達が中に入って来た。


 「あ!そんなとこに蝋燭あるじゃん!つけてよ兄ちゃん!」


 「いいわねえ、ロマンティックじゃない?」


 ユーリとネクトが俺達に火を着けろとせがむ。

 どうしたもんかと見るとストームは場所を開けて俺にどうぞどうぞと手で合図をする。


 「大丈夫かね?なんかヤバい事にならないか?」


 「大丈夫だよきっと」


「うんうん大丈夫大丈夫!」


 「早く早く!」


 ストームに続いてユーリとネクトが俺を急かす。まあ、さすがに火を着けたら崩れる仕掛けなんかはないだろう。

 俺は指先から小さな炎をだして蝋燭に火を着ける。

 

 「何も起きないな」


 まったく変化を見せない室内に俺は思わずそう口にする。


 「明かりを消してよね。せっかくのムードが台無しでしょ?」


 「へいへい」


 ネクトに言われて俺はライトの光源をオフにする。


 「ズズズズズズズズズ」


 鈍い音がして蝋燭のある壁が下へと沈んで行く。


 「うおっ!かっけーーー!!」


 「なによもう!全然ロマンティックじゃないじゃない!」


 「これはこれでロマンじゃない?」


 沈んで行く壁を見て子供達が騒ぐ。蝋燭は壁と共に沈み明かりが消えるので俺は再びライトの魔法を使う。


「あやっ!なんだこりゃ!」


ユーリが声を上げその声が室内に反響する。

沈んだ壁の向こうに見えたのは何やら色々と置かれた大きな部屋であった。

 

 「埃も被ってないし、人が出入りしているんだろうね」


 ストームが近くにある棚に指を滑らし言う。


 「ねえ、見て見て!これ!宝箱っ!!」


 ティピーが興奮して指差した先にあったのは丸みを帯びた蓋をした頑丈そうな箱であった。


 「おお、まさに宝箱って感じじゃん」


 「やった!頂きだぜ!俺達、金持ちだー!」


 「宝石とか入ってるのかしら?」


 「あけてみよー!」


 俺の言葉に続いて子供達が興奮気味に言うがストームがスッと手を出してそれを制止する。


 「ちょっと待って。もしかしたら罠があるかもしれないよ。こういう宝箱って大抵何か罠が仕掛けられてる物だから」


 「わ、罠って例えば?」


 ストームの言葉にユーリがビビリ気味に尋ね少し後ずさる。


 「そうだねえ~毒煙とか弓矢とか箱自体が魔物って事もあるかな~」


 ストームが楽しそうに言うと子供達は一斉に箱から距離をとった。


 「よし、じゃあお兄ちゃんが調べてみるからね。ちょっと待っててね」


 ストームはそう言うとゆっくりと宝箱に手を当て、時折何かを探るように目を閉じて見せた。

 特に魔力の流れは感じないし、こりゃパフォーマンスだな。子供に冒険気分でも味わってもらおうって寸法か?


 「…うん、大丈夫そうだね。それじゃあ開けるよ?」


 ストームはそう言って宝箱の蓋に手をかける。子供達は固唾を呑んでそれを見つめた。


 「ほい!」


 軽い口調でストームが蓋を開けると、そこに入っていたのは大量のカギだった。


 「「「な~んだ」」」

 

 子供達は口をそろえてがっかりする。


 「え?なんで?いいじゃないこれ、どっかいい部屋のカギかもよ?」


 ストームはそう言って鍵をひとつ手に取った。


 「バッカだな~兄ちゃん!よく見てみ!それぜーんぶ同じ形っしょ?おもちゃだよおもちゃ」


 「言われて見れば確かに同じ形だねえ。でも一応、貰っておこうかなー」


 ストームはそう言ってカギを一つポケットに入れた。確かに同じ形のカギが沢山あったら、それは価値のない物だと思うわなあ。俺でもそう思うもん。大体にして宝箱っぽいのは外観だけで鍵もかかってないし意味がわかんねーな。


 「兄ちゃん、見かけによらずガキっぽいね」


 「男の人っていつまでたっても子供よね」


 「そうなの?じゃあ、いつ大人になるの?」


 大人びた事を言うユーロとネクトにティピーが目を丸くして質問する。

 ユーリとネクトはお前もいつかはわかるさ、とクールに答えているがふたり共良くわかってないのに力技で誤魔化したってのが見え見えで可愛らしい。


 「この鍵を使えるような場所はなさそうだね」


 鍵を持ち部屋の中をうろつきまわっていたストームは立ち止まってそう言う。


 「そりゃそうでしょ、子供のおもちゃだもん。ティピーが持ってる色眼鏡と一緒でさ」


 ユーリが胸を反らして威勢よく言う。


 「なんで?あれおもちゃなの?普通に見えるけど?」


 ティピーが首をかしげる。


 「普通に見えるからおもちゃなんだよ。俺のやつなんか凄いもんね」


 「なにそれ?私、知らないんですけど?」

 

 「あっ」


 ネクトに詰め寄られて口を押えるユーリ。


 「ちょっとー、私に秘密とか信じらんないんですけど?どういう事?私の事、軽く考えてる訳?」


 「いや、ちょっと、そういうんじゃなくってさ」


 がぶり寄るネクトにタジタジになるユーリ。

 そんな中、俺とストームは互いに顔を見合わせていた。


 「ユーリ君、その色眼鏡、今、持ってるかな?」


 ストームがゆっくりと尋ねる。


 「え?やらねーよ」


 ユーリはそう言って胸元を押えた。


 「ちょっとー!私にまで秘密ってどういう事なのよー!よこしなさいよー」


 ネクトはそう言いながらユーリの胸元をつかんだ。


 「よせよ~」


 ユーリが弱々しく抵抗する。

 

 「よこしなさいよ!」

 「待てって!」

 「いいから早く!」

 「ううっ、強引すぎるぞ!」

 「あんたがいけないんでしょ!ほらっ!早く!」

 「ああっ!!」


 ごにょごにょともみ合っていたと思ったら突然ユーリが情けない声を出した。


 「あ~あ、ネクトのせいで壊れちゃったじゃないかよ~」


 ユーリは半泣きの表情でシャツの中から壊れた色眼鏡を出した。レンズとレンズのつなぎ目、いわゆるブリッジ部分が見事に割れてふたつになっている色眼鏡。


 「ど~してくれんだよ~?これ、やっと見つけたんだぞ~?弁償してくれよ~」


 「男の癖に情けない声出さないでよ。ほら貸しなさいよ」


 ネクトは悪びれる事もなくユーリの手から壊れた色眼鏡をとりあげる。半泣きでされるがままのユーリ。惚れた弱みだ観念しろユーリ。


 「なによ?別に何でもないじゃない」


 「僕にも貸して~」


 ティピーに割れた色眼鏡のひとつを渡すネクト。ふたりは壊れた色眼鏡を覗き込んであちこちを見る。


 「ほんとだ~、これなら僕のと変わんないじゃ~ん」


 「うっせ!壊れる前は色々見えたんだよ!」


 「見えたってどんな事が見えたんだい?」


 口を尖らせてティピーに主張するユーリにストームが質問する。

 

 「どんな事って色々だよ。絵とか文字とか」


 俺とストームはまたも顔を見合わせる。


 「ふたり共ちょっといいかな?」


 ストームはそう言ってネクトとティピーから色眼鏡を渡して貰い覗き込んでからパーツをしげしげと眺めた。


 「なるほどね、どうやらこれは術式具の一種のようだね。ここをみてよ」


 ストームに言われて色眼鏡の割れたブリッジ部分を見る。その切断面には複雑な紋様のようなものが見えた。


 「これが術式なのか?」

 

 「ああ、それも恐ろしく精密で複雑なね」


 ストームは俺の手から色眼鏡を取り返すともう一度、切断面を見てそう言った。


 「治る?ねえ、治る?」


 ユーリがストームにすがるように聞く。


 「う~ん、僕じゃ無理かな~。専門の業者に見て貰わないと難しそうだねえ」


 「どうするんだよ~?どうしてくれんだよ~?」


 半泣きになりネクトに言うユーリ。


 「情けない声ださないでよ。そもそもそれってどうやって手に入れたのよ?どうせどっかで拾ったんでしょ?」


 「スッゲー秘密の場所でやっと見つけたお宝だったんだよー。大変な思いしてやっと探したんだぞー!


 「大袈裟なんだから」


 泣きそうな顔のユーリに対して情け容赦ないネクト。う~む、ネクトは大物になりそうだ、ケイトもにスカウトしとくか?


 「そんな事言っちゃ可哀想だよ。ユーリ君だって苦労して手に入れたんだろうから、ね?」


 ストームがすかさずフォローするとユーリの表情に力が戻る。


 「そうだよ!あれは秘密探偵ジェットアームみたいだったもん!」


 「何だい?その秘密探偵ってのは?」


 俺は興奮するネクトに質問する。


 「アルヌーブさんとこで出してる絵本で確かサイマー君が原作を書いてたんじゃないかな」


 ストームが教えてくれる。手広くやっとるのうあやつら。ま、目の付け所はいいんじゃないかね、子供向けの作品は当たるとデカイからな。人気が出たらキャラクターグッズも売り出せば儲かる事間違いなしだ、今度、あいつらに教えてやろう。


 「ほう、それでその秘密探偵みていな事をやってようやくこれを手に入れたと」


 俺はストームが手にしている壊れた色眼鏡を見てユーリに言う。


 「そうだよ!院長先生の部屋に忍び込むのどれだけ大変かわかってるのかよー!院長先生のいない時はバッチリ鍵締まってるし無理矢理入れば大きな音が鳴る仕組みになってんだぞ!」


 「あ、知ってる知ってる!それで前、ザッカピンさんがクビになったってお母さんが言ってた。確か、ふしょうのせいこ?とかっての盗もうとしたんだって」


 「バッカねえ!それを言うなら不正の証拠でしょ!ザッカピンさんはお薬をちょろまかして外で売ってたんだって。その証拠を院長先生に取られたから盗もうとしたのよ!」


 ユーリの話しにティピーとネクトが続きワイワイと騒ぎ始める。もう、あれだね、入院してても歩き回れるレベルの患者は暇でしょーがないのね。これじゃあ噂が凄い速さで蔓延するのも理解できるわ。


 「まあまあ、みんな、いつまでもここに居る訳にもいかないし、一旦、外へ出ようか」


 「そうだよ!こんなとこにいるの見つかったら頭の皮をはがされちまう!」


 「嘘!ホント?」


 「バカねえ、そんな訳ないじゃない」


 またもやワイワイ騒ぎ出す子供達をストームはなだめすかして外へ誘導する。やっぱストーム兄弟多いな?

 俺達は外に出るとユーリが開けた隠しトビラを締め、そそくさと小児科のある階へと戻るのだった。


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