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妖精でした 2話ここはどこ、私は〜

02 ここはどこ、私は〜


ぐるぐると目が回りながら転移の穴とやらに放り込まれた


あの女、ソエルとやらに腹を立てながら体制を立て直し後ろを振り返る


いや、本当は見えていた、三人称視点に変えたことで、穴が閉じるのを見ていたのだ


「…くっそーあの女」

なにか色々と言ってやりたい気はあったが周りを見下ろす景色に意識は持っていかれた



人が行き交い生活している

家々が並び遠くには背の高い壁が見える

道端や広場の中央では魔法を使って楽しませている様子もチラホラ


「…おぉ異世界、異世界だよ、間違いなく!」

アニメや漫画で見たような世界が今目の前に


スイィと降りていき人が行き交っている様子を見下ろす


「すげー!なんかすげー!」


完全に語彙力を失いながらアッチへフラフラコッチへフラフラと飛び回る


いや、相変わらず羽は全く動いてないんだけどね?



ひとつの屋台に目が止まる


「オークの串焼きひとつどうだーい、安くて上手い、ツマミにはもってこいだぞー!」


「ほほう…」

オークと言えば異世界おなじみ魔物のオークさんですね


いいでしょう、豚肉とどちらが美味しいか私が食レポしてあげますよ!


「へい!おにいさん!串焼きひとつ!」




「ん?」


「へーい!」


「おーい!おいっての!」



「ぐそう…ぐそう…」


全く見向きもされなかった


目の前で飛ぶわパンチしかけたら弾かれたのに気づかれないわで全く認知されなかった


腹いせに串焼きに飛びついたらこれは普通に食べれた


美味しかった、じゃなくて

もしかしなくても周りの人達含めて私の姿が見えていないのだ


「ん?この串の肉が一枚足りてねぇな」


おにいさんはそう言って後ろのおにいさんに串を持っていった


「…あっお金」


とは言うものの認知はされない…というか金持ってるのか?


こういうのって自動で支払われてたり?


「ほれ、ステータスかもん」


さっきの女のところで謎の表示が現れた、なら見えるだろうと呼び出す


案の定ステータスがひらく


…ゲームの世界に転生系か?



名前:ティターニア

体力:141/150


スキル

妖精召喚1

具象化1

体力増加1



…ほほう?


いや、まて、体力しかないんだけど?そんで何故か微妙に減ってるんだけど?

そして名前がティターニアになっちゃってるんですけど!?


あっおっ…お金はどうしたらいいんだ?


ほらゲームだと見た目身軽に銀行かよってレベルでお金詰め込んでるじゃん


ま、まさか…どっどっ泥棒しちゃった!?



あたふたしていたらおにいさんが戻ってきた

「ご、ごめん!つい、つい魔が差して!」

パチンと手を合わせておにいさんの前に浮かぶ


「イラッしゃーい…」


おにいさんは私をスルーし商売を再開した


「…やっぱり見えてないの?」

手を振ったりするが変わらず気づかれなかった


「おにいさん、串焼きひとつ」

「あいよー!」


新しく来た客の対応をする串焼きの店主

「んお?」

新しく来た客は背中にでっかい剣を背負っていた



「おぉっ!それはあれか!?冒険者と言うやつか!?そりゃね!魔物がいる異世界ならそれを討伐する人もいるってもんよね!」


フラフラとでかい剣を背負っている男について行く


「やっぱりあるんかな?冒険者ギルドとか言うのも!」





ティターニアの予想通りとはならず男はどんどんと街の外に向かっていた


「なぁー、もしかしてアレだったか?今から冒険に行くとかだったか?それならそうと言ってギルドの場所を教えておくれよなー」


空中で足を組みながらふよふよと男について行く、先程から一方的に話しかけており返事はない



そのまま街の外に出ることになる


壁に門があり門番もいたがティターニアに気づくものはいなかった



門を出ると男の仲間だろう人が話しかけてきた


おっ、今来たか!


に対して「おうよ!ついさっきな!」

なんて返事するが完全にスルーである


流れで街の外に出たのもあり今更戻るのもと思いながら男について行く



「…楽しそうに話やがって、剣士二人に弓が一人の三人パーティか…大剣がアタッカー、片手剣がアタッカー、弓の女がアタッカーか、アタッカーしかいねぇじゃん!」


当然そんなセリフもスルーである


ティターニアには拗ねた




名前:ティターニア

体力:142/150


スキル

妖精召喚1

具象化1

体力増加1


二人称視点で遊び尽くし盛大に酔ったティターニアは次に自分のステータスについて考えていた



「視点変更で二人称って使い時微妙だよなぁ…あ、体力増えてる」


「とりあえず妖精召喚!」

そう呟くと脱力感を感じながらティターニアの横に同じような妖精が生まれる


「…おぉ、こんにちは」

「ティターニア様、ごきげんよう」


ジロジロと見ると不意に妖精のステータスが浮かぶ


「おわっ」



名前:

体力:100/100

魔力:100/100


スキル



「おぉ…ん?」


魔力の欄が自分にはないと思い自分のステータスも広げる



名前:ティターニア

体力:35/150


スキル

妖精召喚1

具象化1

体力増加1



「おばぁ!?なんか死にかけてるんですけど!?」


体力が減って慌てるティターニア

そこに先程召喚した妖精が口を開く


「ティターニア様、落ち着いてください、私は貴方様から生み出されたので説…説明を、聞いてください!」


ペシンとはたかれるティターニア


「へぶっ」


今ので死んだらどうするんだと悪態づきながら空中で正座をする


「もう一度私とご自身のステータスを開いてください」


「…はぁい」



名前:ティターニア

体力:132/150


スキル

妖精召喚1

具象化1

体力増加1



名前:

体力:100/100

魔力:90/100


スキル


「…お?」

ものすごく体力が回復している


「ティターニア様には魔力の欄がございません、恐らく魔力を消費することを体力で代用しているのでしょう」


ふむふむと頷くティターニア


「そして私を生み出すのに100、ステータスを見るのに10ほど使ったのだと思います」


確かにーと頷くティターニア


「そしてティターニア様は周りの魔素を吸収し体力に変換することが出来るはずです」


「ふむ、う?なんで知ってんの?」

「…だから貴方様から生み出されたと申したはずですが」


「あっひゃい…」



「…じゃあ男のステータスも見てやろっと!」


妖精から目を離し男の方をじっと見るティターニア


「あっ!ダメで」


ピチュんっ!


ティターニアの頭が弾け飛んだ

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