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2話黄色陣営

設定盛りすぎて管理しきれなくなったんですねぇー

02話 黄色陣営



目を覚ますと再び薄赤い暗闇空間


その空間の全体像をぼんやり見つめると

なんとなぁく黄色陣営唯一のヒロインモルちゃんが肩に手を置かれて目をぱちくりしている…ように見える



つまりは俺が死ぬ瞬間がぼんやり見えているという事だな



……いやぁ、マジで死んでしまったが、やはり目の前に浮かぶはやりなおしという文字


もちろん最初からもあるけど



…ゲーム時代と同じなら!


躊躇いなくやりなおすをおす



ぐっと体がダルさを覚えたが目の前にはモルちゃんの姿が


「こ、こんにちは」


「…やあ、モルちゃん」


そして俺は再びモルちゃんを抱きしめた


「…え?」


この世界は確実にゲームから逸脱した


体温を感じるし、胸の鼓動も聞こえる


肌に感じる空気もゲームとは比べるまでもない



…さて、ここでこのままモルちゃんから離れると死んでしまうなぁ



モルちゃんを抱きしめたまま俺は壁にもたれ掛かる

背中の弓が少しばかり痛いが構わない



その際に半回転しているために…

剣を構えたブルーが俺を睨んでいた



「先程の声はやはりブルーくんだったか」


モルちゃんを抱きしめたまま、俺はブルーを見据える



「…さっき?何言ってるのか知んないが遺言はあるかい?」


「…モルちゃん、結婚しようか」


「え、あ、あの、とりあえず放してください!」


グイと離れようとするがモルちゃんの力では俺の拘束からは逃れることは出来なさそうだ…


モルちゃんを見ながら可愛いなぁ、なんて思いながら再びブルーを見ようとした瞬間


頭に激痛がはしり、そのまま視界が暗転した





「……っはぁ!?」


何度目かの薄赤いゲームオーバー空間


ぼんやりとみえるその世界は記憶のどおりのブルーの立ち位置


そして視界の縁っ子にみえる頭部に刺さる矢だ


……





何度かやりなおすを選択してモルちゃんを口説きにいった



「……だめだぁ!どうやっても死ぬ!」


最終的に周り皆殺しすらやり始めたが


結論からするとあの場でのモルちゃん攻略は無理ということだった


逃げの手もモルちゃんを口説ききれないために行動に制限がかかり挙句にはモルちゃんが撃ち抜かれるバッドエンドすら起きてしまった



まぁ口説くのが下手どころじゃないが言葉も色々と変えてみたが反応に大差はなかった



「ふ、ふふ、しかし、あの場の戦力の把握とモルちゃんの体についてはよぉく知れた、知らなくってもいいけど」


何度抱きしめて、お姫様抱っこまでして最後には胸に飛び込んだと思っている


どう足掻いても死ぬ事がわかったのでひとまずルートを進めようと思う


セクハラもしたにはしたが反応に大差はなく、これ以上は望めないと悟ったのだ



だんだんと死に戻りにより記憶、認識のリセットが起きることも冷めていく原因だ


リセットは助かりはするが、なんだか焼き直す事にこちらが狂いそうになってくるのだ


なんど挨拶を交わしたのだろうか…


ブルーの怒気も膨れ上がることも無く、何よりある程度のセクハラで多少なりとも満足してしまった


いやはや、これ以上は一枚絵のあのシーンで告白するしかなかろうて


…いや、フラグ回収後の待ち時間と学園パートもあるな



死に戻りのデメリットはとりあえず無さそうだ、これなら初見殺しもりもりのこのゲームでヒロイン全員同時攻略ルートもあるかもしれない



…これはゲーム時代では出来なかったこと、仲間陣営に攻撃することができたからこその考えだが

ゲームを大筋とした別物という見方だ




何度目かのモルちゃんと挨拶を交わす

下手な言動で大きく変わることはないと試しはしたが、ひとまずはゲームと同じ会話でいいだろう



そしてモルちゃんと離れ、ブルーと共にルドの元へ向かう




ゲーム時代では敵とエンカウントしたら敵の弾幕をいくらか躱して反撃というのがセオリーだった


しかし、今はどこからともなく矢が飛んできては死に、死角から襲われは死にを繰り返してルドの元へと駆けつけることになっている



ゲームが現実になってもクソゲーだなかこれ!


敵の位置は大きく変わってないので不意な方向転換もあるがブルーは着いてきてくれている



…彼もゲームのような受け答えだろうか?

いや、先程の会話を思い出せば違うと断言はできるが



「ブルー、君から首を切り落とすのが得意そうなオーラを感じるよ」


「うーん?よくわかんねぇが真に怒りでもしねぇと首なんて一撃で切れねぇよ?見られてたら尚更、首狙うくらいなら剣を持ってる手か足を狙うさ」


戦いの基本だろ?みたいなことを言うブルー


先程のはどうやら真に怒っていたらしい、こりゃ失敬


それより俺の場合そこらの別陣営のモブと戦っても、剣で組み合えば切り伏せられて、杖はそも攻撃魔法が使えず、弓は当たらない


この世界での俺の戦闘力無さすぎでは?


ギリギリ攻撃を全て避けた上での反撃が疲労も上乗せの昏倒判定で先に進めるが…


現実になったことでゲームジャンルは本格的に弾幕ゲーものと化したな




そうこうしているうちに開けた場所に出る

矢や魔法が飛び交い辺りでは剣がカンカンと交じあっている


ゲームでは描写されなかったのか?

確かに他のルートでもここはメインの主戦場だ、一対一しか行われないのも変な話か


「ルドは…あそこか、相手はレードか?おい、ブルー、加勢に行くぞ」

「おう、分かった」



「おい!ルド!加勢に来た!」

「…!レドックスか!助かる!」


レドックス?あぁ、レドックスか俺の名前か


ほい


レードとルドの剣技に割り込む


「面白い!」


レードの闘志に火がついたようで


その剣が水を纏い、俺は足元から吹き出してきた水に顎をやられ、死んだ






「…っ!は!いや!?いやいや!まて!」


もはや慣れ親しんだ薄赤い暗闇空間


目を覚ました俺はまずは否定から入る



どうしてレードが、魔法剣を持っているのか、だ



ゲーム時代、ヒロインと関係性は知らないが名前もちの野郎どもは魔法剣を使えるようになる


しかしそれは主人公が、この俺が味方陣営にいる時だけのはずだ

つまり黄色陣営の今ならモルちゃんとブルーとルドしか使えないはずだった



…いや、普通に考えればそうか、ゲームじゃないんだ、現実となった今、持っているのに使わない道理はない



…つまりあれか?ゲーム時代より初見殺しが酷くなったということか?

難易度上がったっていうことか?


「……くるってんぞ、おい」


薄赤い暗闇に浮き出る白い文字は相変わらず二行のままだ


…逃げることも出来なさそうだ




地面から吹き出してきた水にやられて死んだ

吹き出してきた水を躱して水を纏った剣に斬られて死んだ

水を纏った剣を躱して、吹き出していた水が破裂し死んだ

吹き出していた水をかいくぐり…剣を抑えて、下からの水に撃ち抜かれて死んだ


…何度「面白い」と聞いた事だろうか

百から先は数えなくなってきた頃


レードの剣と水を躱しきることに成功した


「うおらぁ!」


その瞬間、俺とレードに割り込み、ルドが雷を纏った剣でレードを弾いた


…!「撤退だ!」


肉体的にはそうでも無いが精神的な疲労がなかなかにきていて判断が遅れた


しかし、シナリオが進んだ、ということだろう


もはやレードの水と剣も見慣れてきたが、なんだかんだで死ぬのは嫌だ



それはもう全力で逃げた


どうやら逃げるのは得意らしく…というか周りのモブ共を避けながら逃げるのは先程の弾幕に比べれば余裕すぎるだけだ



視界が狭まる、木々がある地帯が見えてきた


ここでふと思い出し、後ろを見る


全力で逃げていたためか

ブルーとルドは少し後方、更に後方にはレードが追いかけてきている



ゲーム時代


ここで逃げ切ることは出来るのだが


その場合モルちゃんルートが消えて

ルド、ブルーのどちらかのルートに入るのだ


…そう、この世界の元のゲームは野郎どものルートも存在する

その数なんと六ルート


ヒロイン達と合わせて全十二ルートが存在しているのだ



…話題になった理由の一つでもあるが

ここでどちらかが瀕死になり、助けた方のルートに行くのは何としても避けなければならない、どうして野郎ルートなんぞやらねばならんのだ



前方の木々が生える地帯を前に俺は振り返り


「うおおおおおお!!!」


レードに斬りかかった





二度目のレード戦は先程とは全く違う戦いとなった

組み合えば押し切られ、死んだ

弾かれ、躱して死角からの水に斬られて死んだ

死角からの水を躱して返りの剣に斬られて死んだ

水の塊に押しつぶされて圧死や溺死なんかもして苦戦しながらも


時間を稼ぐことに成功した


敵に、レードに援軍が来たのだ




「…レード、苦戦してるの?」


「…!ウイ!」


青陣営唯一のヒロイン、氷魔法を使うウイちゃんだ


うわぁ、めっちゃ可愛い


「レドックス、なかなかの強者だ」

レードが褒めてくれるがそんなことは無い、だって既に四桁は死んだのだから


ほんと、何故か気が狂わない

…まぁそれは今はいいとして


「ウイちゃん、可愛いね」


「…死ね」


目にも止まらぬ早さの氷の弾丸は俺の脳天を撃ち抜き…死んだ

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