M-097 オブジェクトヒール
オブジェクトヒール
無機物専用リバイブ
「斧戦士さんがくれたこの人形……適当な場所に置いてあったからか、凹んでるとこがあるね」
「なんという説明的口調で」
「まあ、変なとこに置いたわたしがわるいんだけどさ」
魔法使いはへこんでしまったマッドドールMK-1をさすって考える。
魔法でなんとか元通りに直せないかと。
「レストレイション……は灰やダストになってないと効果ないし……」
「結構不便なんだな」
「うーん、効かないと思うけど、ヒールしてみようか。ヒール!」
魔法の粉がマッドドールに降りかかる。が、降りかかっただけで、回復の魔法陣は出ず、へこみも回復しない。魔法使いは続けてリバイブ……蘇生魔法をかけるが、結果は同じだった。
「魂が宿ってないからダメなのかな」
「リバイブはそうだろうが、ヒールはどうなんだ?」
「いっそヒールで踏んでみる?」
「壊すなよ。斧戦士が泣くぞ。いや、あいつは泣かないか」
「じゃあ、やっぱり新しい魔法を作り出すしかないか。舟長、手伝ってくれる?」
さっきからちょこちょこ会話に加わっていた舟長が、ひとつ大きなあくびをする。
「いいけど……オレは何をすればいいんだ?」
「とりあえず、その辺に立ってて」
「……え?」
魔「できたあ! オブジェクトヒール、たいていの物体をヒールして元通りにするよ」
舟「普通のヒールは人によっては回復量に違いが出るが、そこんとこどうなんだ?」
魔「回復量の違い? あるよ。このへこんじゃったマッドドールで説明すると、へこみが完全に治るのが体力満タンに回復する場合ね。回復力が足りないと、へこみは微妙に残ってしまうよ」
舟「そういうときは、何度もオブジェクトヒールを唱えればいい訳か」
魔「そうだね、でもSP消費が結構多めだから、一般の人にはお勧めできないかなあ」




