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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
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M-093 マネースロー改


マネースロー改

平行移動するコイン




「ねえ、舟長。マネースローを発動してみてくれない?」

「お金がもったいないからダメ」

「そう言わずに。敵のいないところに放てばあとでお金を回収できるじゃない」

「……ダメなもんはダメだ」


 舟長に断られてしまった魔法使い。

 当然、こんなところでくじけるような性格ではないので、布団の中で唸りながら策を講じた。

 そして思いついた。


「一万一気に飛ばすから怖いのだわ」


 唐突な女口調である。


「一枚ずつならワンチャンあるんじゃね!?」


 ウキウキな魔法使い、早速魔法の制作に取り掛かる。

 イメージするのは手裏剣のように飛んでいくコイン。

 マネースローはいわば銭投げ、防御無視で必ず固定ダメージを与える攻撃だ。

 投げて、戦闘に勝ってもお金は増えない。


「既存の魔法で一番近いのは……ソイスローぐらいか」


 ソイスローは節分魔法である。

 半分くらいお遊びで作ったこの魔法には、参考にできるところはあまりない。

 魔法使いは頭を抱えてしまった。


「ストーンスローは放物線を描くタイプだし……。こう、まっすぐ飛んでいってほしいのよね」

「まっすぐ?」

「そう……水切りをした時の石のように。あ、これ言うほどまっすぐじゃないな……」

「ぼよんぼよんするもんね」

「そうそう。って誰だ!?」

「斧戦士さんです」

「なんだ、斧戦士さんか」


 納得した。納得した?


「なんだ、斧戦士さんか!?」

「うん、どうかした?」


 いつの間にか隣に来ていた斧戦士に魔法使いは一つ頼みごとをした。

 斧をまっすぐ飛ばしてくれないか、と。

 斧戦士は快く請け合い、言った通りのことをしてくれた。

 魔法使いはそれを見ながら魔法を作った。






魔「飛んでけ、斬り裂け、コインのシャワー!」

舟「……詳細と翻訳を頼む」

斧「敵に1ダメージを与える魔法を作ったよ、形状はコインに似ていて、判定がないところはすり抜けるよ」

魔「舟長、実験台になってくれ!」

舟「1ダメージ食らうだけなら……いでで! 思ったより痛いぞ!?」

魔「痛痒いところは紙で手を切ったときを再現してみました」

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