M-092 キャベツ・シールド
キャベツ・シールド
使用制限あり
「なんか、こう……ソウルシールドさんはさぁ、効能は最高なんだけどさぁ」
「誰に向かって言ってんだよ」
「SP消費が激しいのよねー舟長ー」
舟長はしまった!と思った。
迂闊にも程がある舟長である。
魔法使いの愚痴に参加してしまった。
「という訳で新しい魔法を作りましたっ!」
「初めからそう言え!」
「なんで舟長キレてるでござる?」
首をかしげる魔法使い。
一方、舟長は安心していた。
こういう時のオチは魔法の実験台ということが多い。
シールドの性能テストなら死ぬことはないだろう、と思ったからだ。
「まあいいや。新作、キャベツ・シールドを見よ!」
「えっ、キャベツ!?」
当然のごとく驚きを隠さない舟長。
そんなリーダーを微笑ましく思いながら、魔法使いはシールドを展開する。
現れたのは、緑色の小さな玉。
それが不思議な軌道を描きながら、魔法使いの周りを音をたてて回っていた。
「さあ、舟長。攻撃を当ててみて?」
「え? ああ、わ、分かった」
専ら攻撃を受ける側だった舟長は少し戸惑ったが、魔法使いの意図を理解してダガーを投げる。
すると、ダガーが魔法使いに近付く直前、緑色の玉がギュウン!と加速して、ダガーとぶつかる。
ダガーは弾き飛ばされ、地面に落ちた。
「よっしゃあ、成功!」
「これの範囲は、単体物理攻撃のみなのか?」
「それはこれから調べる」
「あ、はい」
舟長が三連撃を選択して発動させる。
三つのダガーがそれぞれ違う角度から魔法使いに襲いかかった。
しかし、やはり結果は同じ。
どのダガーも緑色の玉に弾かれて地面に落ちる。
「次は魔法攻撃ね」
「構わねーけど。何属性がいい?」
「なんでもいいよ」
「んじゃ、おまえの十八番、無属性で行くぜ。ダメージの低さで文句言うなよ」
「シールドで弾けるなら、ダメージ0よ?」
「なるほどね」
魔「魔法も全体攻撃も難なく防げました」
舟「素晴らしい魔法のように見えるが、やっぱり何か欠点があるんだろ?」
魔「なに、その言い方。まあね、10発当たると壊れちゃうの」
斧「これは、キャベツのかわをむいていく様から思い付いた魔法です」
魔「よく考えたら白菜でも良かったわ」
舟「どんな基準だ」




