M-090 リフレクションダミー
リフレクションダミー
二重詠唱
「こないだの戦いでやられたけど、二重詠唱って素敵だね」
「こないだっていつの……ああ、学園のスタジアムでのか」
「そうそう、わたしの初黒星が付いたあの日よ」
魔法使いが言っているのはハリケーンマジックの話である。
悠長に解説してたら一瞬で魔法を見破られ負けた。
そんな試合から、なにを学ぼうというのだろうか。
「あの二重詠唱をわたしなりに再現してみましたー!」
「とうとう現実にいる人物から技をパクるようになったのか」
「再現って言ってるだろ、話聞けよ」
魔法使いさんの再現魔法はいつも程度が低いので、まるで別物の魔法になることが多い。
この二重詠唱だってそうだ。
リフレクションダミーと書かれた魔法陣片手に、魔法使いは説明し始めた。
「相手が展開している魔法陣を表面上だけ映すよ」
「相手が魔法を使ってないときは?」
「使えません。例えば相手がファイアスを唱えている場合、わたしもファイアスを展開しているように見えるよ。実際はエナジーフォースかもしれないし、フリーズかもしれない」
「だからリフレクション、反射?」
「うん。長ったらしいからリフダミとでも呼ぶ?」
「その辺はまかせるが、別に略す必要はないと思うぞ」
魔「どこをリスペクトしたのか分からないって? 奇遇だなわたしもだ」
舟「とりあえず、対戦相手のあいつよりはスタイリッシュに二重詠唱ができるな」
魔「リフレクションダミーと、相手の魔法をコピーしたの、本命、でトリプル詠唱だ!」
舟「何気に三個魔法使ってるのか、スゲーな」




