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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
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M-007 ブルームコメット


ブルームコメット

ほうきで突撃!




 いま、魔法使いは猛烈に反省していた。ついさっきも反省会を開いたばかりなのだが、それでも足りない失敗。そんな犯した罪は……。


「ひとんちの壁に穴を開けてしもた……」


 話は数十分前にさかのぼる。魔法学園に通っている魔法使いは、同じく魔術師を目指す生徒と模擬バトルをしていた。


「あたしの新技受けてみなー!」

「だったらこっちも新技でかわしてみせる!」


 勝負を持ちかけられたので買ったら、思いの外魔法使いの新技が制御し辛くて、場外へ。

 その時点で、模擬バトルの結果は魔法使いの負けと決定したのだが、魔法使い、ここで何を思ったか更に外へ飛んでいく。

 そしてその先で、人の家に穴を開けてしまう事件が発生したのだった。


「いま思い返せば、ドームの外に出たとき飛ばなきゃ良かったのにねー」


 他人事のように呟くが、時すでに遅し。

 一人ぼっちの魔法使いはただ佇むばかり。

 だが……突っ立ってても事件は解決しないので、魔法使いさんは人ん家に刺さったままのほうきに跨がりながら思案する。


「そうだ。クイックミニマム!」


 魔法使いが思い付きで魔法を唱える。世界に存在する物体を小さくする魔法だ。魔法には効かない。

 対象は彼女が跨がるほうき。急に小さくなったほうきは地上へまっ逆さま、乗っていた魔法使いも一緒に地上へずどん。


「異世界でなければ即死だった……」


 ヒットポイントが半分ほど減った魔法使いが、元の大きさに戻ったほうきを抱えて、這い上がってくる。

 人ん家の二階の屋根から落ちたと思えば、奇跡的な生還である。体力の少ない魔法使いにしては。

 とりあえずヒールを施して、魔法使いは上を見上げた。

 問題が一つ残っている。開いた穴をどうするか、ということだ。


「んー、謝るか」


 魔法はなんでも叶えてくれる訳ではない。

 限界を悟った魔法使いは、ばさばさとローブに着いていた砂を払う。それからコトコトいい匂いのする家に入っていき、ごめんくださいと声をかけたのだった。






魔「オンとオフしかない移動用魔法でした。ほうきはその辺から借りてきたヤツ」

舟「オンのときはブーストで前を向いている方に進むんだな?」

ア「オフのときはどうなるの?」

魔「オフはふわふわ下りてくるよ、垂直に。ほうきにまたがったままね」

剣「置いてかれた対戦相手が可哀想だったな」

魔「見てたんだっけ、いやぁ、恥ずかしいなぁ」

斧「反省は?」

魔「すみませんでした」

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