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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
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M-085 バインドシール2


バインドシール

足止め魔法




「バインドシールを作る?」


 舟長が素っ頓狂な声を上げたのは、太陽の光が暖かい冬の朝。

 珍しく魔法使いが早起きした寒い朝方である。


「バインドシールの項を見れば分かると思うんだけど、この魔法、わたしが作ったものじゃないんだよね」

「寡黙な僧侶が使っていた魔法だったな。それが?」

「だから魔法陣がなくてさ。わたしが扱えるようにするには、バインドシールを自作する必要があるんだよ」


 魔法はスペルとSPがあれば唱えられるものだが、どんなものかしっかり知っておかないと発動しないことがある。

 そのためにも、魔法の情報がかかれた魔法陣は魔術師にとって必須のものなのだ。

 あらゆる常識を覆してきた魔法使いですら、それは例外でない。

 しかし、バインドシールはいわく付きの魔法である。

 術者が斧戦士の手にかかって死ぬといういわく付きの。


「あれは、術を解除しなかったから起こった悲劇でしょ?」

「それはそうだが」

「ガチで追いかけてくる敵がいたなら、術を解除しないまま逃げるのも悪くない手だと思うよ」


 魔法使いはそう言って、相手の三人を評価した。


「相手が遠距離攻撃を持っていても? それが狂人だったとしてもか?」

「斧戦士が狂人かどうかなんてあの人たちは知りえなかった情報でしょ」

「ちょっと、おれが狂人だっていう前提で話を進めないでくれます? おれは斧を取り戻したかっただけだよ」

「そこが狂人たる所以なんだろ!」

「舟長も斧は取り戻したいって思ってたじゃないか」

「もっと穏便な方法を取るっつーの!」


 舟長が突っ込む。

 斧戦士は明らかに納得していない風に、首を傾げた。


「うーん、分からん。あれが一番手っ取り早い方法だったろ?」

「一番手っ取り早くても、オレは絶対選ばないね」






舟「で、バインドシールはできたのか?」

魔「できたよ。全体に麻痺攻撃するよ」

舟「『でんじは』かなにかか」

魔「既存のスキルと違うところは、こちらのタイミングで自由に解除できること。戦闘後は必ず解除しましょーね」

斧「解除しないとおれの斧が飛んでくよ☆」

魔「ランダムで麻痺が外れるので注意。オールクリアで直せます」

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