M-084 マジカルブリッジ
マジカルブリッジ
虹の橋
「リベンジだ!」
そう叫んだのは魔法使い。
今、彼女がいるのはどこか見覚えのある崖。察しの良い方はもうお分かりだろう。フリーズの魔法が披露されたあの崖だ。
彼女の目の前には、残酷とも言える谷が広がっていた。
「もはや、ホウキも不要!」
勇ましく良い放つ魔法使い。
足が震えてなければ、最高に格好いいシーンだ。
「無茶しないでいいんだよ」
「なにも今日出来なくてもいいんだぜ」
仲間たちの声が聞こえる。
彼らは深い谷の向こう側で、魔法使いを待っていた。
「マジカルブリッジ!」
魔法使いは魔法を唱える。
杖を大きく振るい、地面に叩きつけた。
すると、その地面から七色のひかりが飛び出し、谷をゆうゆうと超え、谷の反対側、仲間たちが待つ手前でグッサリ刺さったのだ。
魔法の橋が出来上がった。
「よいしょよいしょ」
「相変わらず移動は手動なのか」
「落ちないか心配だよ……大丈夫かな」
「大丈夫だ、いざってときは、斧戦士がフリーズを唱えて助けに行くはずだからな」
「任せろー」
頂点まで上り詰めた魔法使いが、下を見て震える。
こんな高いところにいるのか。 と思う。
顔は真っ青だ。
魔法使いは、足を滑らせた。
「あわー!」
「な、なんだ!? 魔法使いが落ちてくる!」
「親方、空から女の子が!」
「言っとる場合か!」
ネタに走りつつ、魔法使いの落下地点で備える斧戦士。
頭から突っ込む魔法使い。
アニメのように抱えやすい格好はしていない。
それでも、斧戦士は確かに、魔法使いをしっかりと抱き寄せた。
「し、死ぬかと思った……」
「無事で良かったよ、魔法使いさん」
魔「虹の根本はここにあり!」
ア「掘ったらお宝ザクザクかなぁ」
舟「本物の虹じゃねーからダメだろ」
斧「丸い橋じゃなくて階段にすれば良かったのに」
剣「ファンタジー界だからって、演出もファンタジーじゃなくていいんだぞ」




