M-083 ノンレス
ノンレス
なにもない
「無と言ったら無属性攻撃魔法エナフォでしょ!」
魔法使いさんは今日も元気だ。
「言うと思ったけどさ。たまには違う発想もしてみたらどうだ?」
「例えば?」
「例えば、そうさな、虚無の無とかどうよ」
「やだ、舟長、中二病ー?」
「現在進行形なことを誇ってる奴に言われたくないです」
キャハハ、と笑っていた魔法使いが固まる。
「ち、違うよ! 本当はもっと中二っぽいことをしたいんだけど、中の人がなかなかそうならないんだよ!」
「中の人言うな」
中の人も中二病に染められ上げて、テンションマックスで奇行を繰り返したいです。
「で、虚無ってる感じで魔法、作って欲しいんだっけ?」
「そんなことを言った覚えはないが、おまえが派手派手しい魔法を披露してくれるなら、この舟長、道理も曲げよう」
「だ、大丈夫?」
「そこで乗らないから中二病未満なんだろ!」
乗ってほしかった舟長。
でも、喋ってる内容が分からないものに、応えるのってハードル結構高いよ?
「ふがー」
「まあ、オレが悪かったから。とりあえず何か作ってみなさい」
「童話とかのおじいさん役っぽいセリフ!」
「しばくぞ!」
魔「ノンレス。ないよ」
斧「内容がないよ?」
舟「……えっと」
魔「無属性のフィールド:環境魔法を展開します。一人用。この中にいると無属性の攻撃大アップ、その他の属性のダメージ大アップです」
舟「デメリットがあるタイプの魔法か。あんまり使わねーかもな」
ア「エレメントフィールのお仲間?」
魔「そうだよー。背景は異空間にしたい」




