M-082 ナッシング
ナッシング
無い
「斧戦士さん、これ食べる?」
「いただこう」
モグモグ。
魔法使いから分けてもらったスイーツを食べる斧戦士。
しっかり食べ終えたら、自分が頼んだデザートのカップを持って、魔法使いの方に寄っていく。
「じゃあ、こっちも食べる?」
「食べるー」
喜ぶ魔法使い。満面の笑みだ。
「見ろよあいつら。イチャイチャしてやがる」
ぼそりと呟く舟長。しかし……。
「舟長も食べる?」
「あっ、これイチャイチャ違うわ、ただのおすそ分けだわ」
舟長を驚愕させた魔法使いの行動はまだまだ続く。
「剣士ーアサシンちゃんもどうぞー」
「おお、ありがとな」
「いいの!? ありがとー」
「嫉妬したオレが馬鹿だったわ」
「なんだ、羨ましいの? ボクたちもやる?」
「えっ」
思わず赤面する舟長。
アサシンがくすりと笑う。
「はい、あーん」
「モグモグ」
「アサシンちゃん、わたしもわたしも」
「魔法使いちゃんはダメー」
「そうなのか。しょぼーん」
ガチで落ち込む魔法使い。
斧戦士がなにかゴニョゴニョ話しかけている。
魔法使いの表情が明るくなった。
「ご、ごめんね、あとでなにかおごるから」
魔「斧戦士さん、また明日も来ようね」
斧「アサシンの頼んでたの、食べるためか。いいよ」
ア「あ、純粋に欲しかったんだ。ごめんね」
舟「こういう反応の方が男は嬉しいと思うんですが」
斧「おれの心は寛大なんだ。嫉妬してるヤツはなんなんだろーねー」
舟「クソむかつく」
魔「魔導研究所なのに、魔法すら扱ってないページがあります。それはどこでしょう」
舟「……」
魔「はい、ここでーす」
舟「(軽蔑のまなざし)」




